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    さみぱん

    はじめての二次創作

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    さみぱん

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    ラザルスでの夏休みの課題についてのインタビューです
    笹塚氏が道産子だと信じているので、ついでに北海道弁の練習

    初出:2021.7.28
    再掲:2021.8.8
    本編来て妄想の範囲内だったのでまた出しました。
    笹さんオリンピック見たかな。

    ##笹塚
    ##夏休み
    #スタオケ

    夏休みの課題【笹塚創】 今年も夏休みがやってきた。時間を気にすることなくライブの準備や曲作りができる絶好の機会。といっても授業をさぼりがちな笹塚にとっては、普段と生活はあまり変わらないともいえる。
     ひとつ違うのは、夏休み特有の課題があることくらいか。
    「なぁ笹塚、夏休みの課題どうする?また今年もアレ、やるの?」
    「ああ、まだ目標越えてないし。そのつもり」
     ラザルスの課題は世間一般から見るとちょっと変わっている。平たく言えば自由研究にあたるのだろうが、範囲や手段に制限はなく、もちろん学科や専攻にも関係ない。
    ──何かに挑戦し結果を残すこと──
     この曖昧な課題に対して、2年前の笹塚が定め、まだ達成できていない目標があるのだった。
    「あとどれくらいだっけ?」
    「去年より伸びてる気がする」
    「マジか。タダでさえ無謀なのに伸びたらヤバいでしょ」
    「ゆるくないのがいい」
    「俺はもうちょっと考えるよ。じゃまた明日」
     笹塚と違って、仁科は毎年違う課題に取り組んでいるらしい。それはそれで考えるのが面倒なのに器用なものだ。

     課題の話が出たので、笹塚は忘れないうちに職員室へ向かうことにした。もじゃもじゃ髭がトレードマークの熊っぽい人影を探す。
    「佐々木先生、いますか」
    「お、笹塚。今年も来たか。お前が来ると夏だべ。ハハハ」
     大きな手でバンバンと背中を叩かれた。小柄な割に骨太で力が強く、咽そうになる。
    「…お世話になります」
    「今年こそ大会出る気になってくれたかい?」
    「それはない」
    「だよな、一応聞いてみただけだわ。したっけ、いつにする?」
     もう恒例となったやり取りも、1年の時は説明に手間取った挙句、むりやり陸上部に入部させられたのが懐かしい。何とか1週間で解放してもらえたのが不幸中の幸いだった。
     佐々木先生は陸上部の顧問だが授業の受け持ちはないので、特に笹塚と関わりのある教師ではないのだが、今年も課題に付き合ってくれるつもりらしい。2人でカレンダーとにらめっこしながら日程を調整する。
    「目標は?」
    「181」
    「去年より増えてないかい」
    「背が伸びた」
    「わやだべさ」
     笹塚の課題というのは、走り高跳びの自己記録更新をすることだ。それも【自分の身長を飛ぶ】というのを最終目標に据えていた。去年の記録は179だったのであと1センチまで迫ったのだが、この年になってまだ背が伸びるとは流石に誤算だった。
    「181飛んだらインハイも夢でないんだがなぁ」
    「興味ない」
    「だよなぁ。ま、けっぱれ」
     今年も笹塚の挑戦が始まる、夏のある日──。



    *ゆるくない=容易でない
    *したっけ=そうしたら
    *わや=めちゃくちゃ
    *けっぱれ=がんばれ
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    さみぱん

    DONEスタオケ版フリーライトへの参加作品です
    https://twitter.com/samipan_now/status/1528016739367198720
    いぶちこさん(@ibuchi_co)の、めちゃくちゃ可愛くて笹唯ちゃんも桜も満開なイラストにSSをつけさせて頂きました!

    少し不思議な体験をした笹塚さんのお話。
    頭の中でどんな音が鳴っているのか聞いてみたいです。
    初出:2022.5.21
    まぶしい音『それでね、今日────』
     電話の向こうの朝日奈の声が耳に心地いい。
     札幌と横浜、離れて過ごす日があると、小一時間ほど通話するのが日課になっている。最初はどちらからともなくかけ合っていたのが、最近は、もうあとは寝るだけの状態になった朝日奈がかけてくる、というのが定番になってきた。
     通話の途中で寝落ちて風邪でもひかれたら困るというのが当初の理由だったが、何より布団の中で話している時の、眠気に負けそうなふんわりした声のトーンが堪らない。
    『────。で、どっちがいいと思います?』
    「ん……なに?」
    『もう、また聞いてなかったでしょ』
     俺にとっては話の内容はどうでもよかった。朝日奈の声を聞いているだけで気分が晴れるし、何故か曲の構想もまとまってくる。雑音も雑念もいつの間にかシャットアウトされ、朝日奈の声しか感じられなくなっているのに、断片的な言葉しか意味を成して聞こえないのが不思議だ。
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