Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    ちょこ

    主に企画参加の交流小説、絵など投稿してます
    よその子さん多め

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 399

    ちょこ

    ☆quiet follow

    エガキナ
    よその子さんお借りしてます

    琥珀が次に書く小説のネタを考えながら歩いていると自分の名前を呼ぶ声と共に後ろから抱きつかれた。声から誰か察していた琥珀は腰あたりに抱きついてきた人物の頭を撫でながら言う。
    「リイン、突然抱きついたら危ないだろ」
    「だって琥珀が見えたから!」
    リインと呼ばれた十歳くらいの少年は琥珀をみて天真爛漫な笑顔を浮かべていた。リインは琥珀に遊ぼうと言ってきた、リインはニジゲンだが琥珀にとってはなんだか弟のような存在だった。もし自分に弟がいたらリインみたいなのだろうかと思いつつ、なにか小説のネタになるかもしれないと思い了承した。その時リインは突然きょろきょろとしだす。
    「どうした?」
    「なんか外から聞こえる! なんだ? にんにんー! って言ってるけど」
    「外?」
    外からはセミの鳴き声がうるさく聞こえていた。もしかしてこの鳴き声の事だろうかと琥珀は少し考えた。リインはセミを知らないのかと思い外に連れ出す。外は容赦ない直射日光が二人を照らす。外は暑いも関わらず分厚いコートを羽織っている琥珀をみて顔をしかめるリイン。
    「琥珀さー、脱げばいいのに。暑いでしょ」
    「……これだけはどうしても脱ぐのは嫌なんだ。暑いけど」
    コートをそっと撫でつつ言う琥珀。リインにはこのコートの事を軽く話したことがある、だからだろう、それ以上なにも聞かなかったリイン。セミがいるであろう木のそばまでやってきた。ここまでくるとセミの鳴き声がやかましく、少し声を張り上げなければかき消されてしまいそうだ。琥珀はセミをみせようとリインを肩車する、十歳はこんなに重たかったかと思いつつなんとか肩車をする事が出来た。
    「わかるか? ほら、リインの目線の上にいると思う」
    「えーどれだ……? あ! いた! これがセミ?」
    「そうそう、あんまり大声出すと逃げるからな」
    「おう!」
    初めて見るセミに興奮しているのだろう、じぃと眺めているリインにセミの事を教えた。幼虫の時は土の中で何年も生きること、今こうして陸上に出て鳴いている時は一週間か生きれないことを話した。
    「え……! そんな短いのか……?」
    「まぁ、今は研究が進んで、本当は一ヶ月は生きるって言われてるけど」
    「へぇ〜! そうなのか?すごいな! あっ、逃げちゃった……」
    「大声だすからだな、どこかカフェに行くか? 冷たいアイスでも奢るから」
    「やったアイスー!」
    アイスが食べられると聞いてはしゃぐリインを降ろしてカフェに行くために街中を歩く。夕方、今度はヒグラシの鳴き声を聞かせるかとそう思いながら。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    ちょこ

    DONEダミアさんお誕生日小説
    ダミアさんお借りしました!お誕生日おめでとうございます!
    モンブラン「ダミア、お誕生日おめでとうございます」
    「おー! ありがとな!」
     レイフが借りている拠点と言っていい住まいにダミアを呼び、目の前にケーキを出す。ダミアと前もって連絡を取っていたため、こうして呼べたのだ。ケーキはレイフの手作りだ。本当なら、料理も出そうかと言ったのだが、間髪入れずに断られてしまった。今度こそ上手く作れるような気がしたのにな、とレイフは残念そうに思いながらも、ダミアを見た。
    「このケーキ……モンブランか?」
    「そうです、アマロンを使ってます」
    「へー! 王様って呼ばれてるやつじゃん!」
     ダミアは感心したようにケーキを眺めた。アマロン、様々な栗の中で特段に甘い栗の事だ。身も大きいのだが、育てるのが難しく、しかも、大きく育てようと魔力を使うと、すぐに枯れるという性質を持っていた。なので、完全な手作業、時間をかけてゆっくりと育てる。そのため、栗の中の王様、という意味で【アマロン】と呼ばれるのだ。一粒だけでも驚くほどの高額で取引される。その高額さに、一時期偽物のアマロンが出回るほどだった。偽物のアマロンと区別を測るための道具すら開発されるほどに。
    1309