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    ちょこ

    主に企画参加の交流小説、絵など投稿してます
    よその子さん多め

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    ちょこ

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    エガキナ

    よその子さんお借りしてます

    琥珀は没の攻撃を避けながら瓦礫という瓦礫をくぐり抜け物陰に潜む。しまったな、と琥珀は息を整えつつそっと没の様子を伺った。今回の没は複数体おり、しかもここには琥珀しかいない、どうやらほぼ同時に複数箇所に没が現れたようで先程応援要請をしたが繋がらなかった、知り合いにも連絡したが、その知り合いも丁度他に出現した没討伐でいけれないという。
    「はー……」
    琥珀は頭をかきながら考える、自分には生憎ニジゲンはいない。周りを見てもニジゲンらしき物陰は見たらない、運のいいことにここら一帯は避難が終わっておりこれ以上誰かが巻き込まれることはない、はずだ。問題はこの危機的状況をどうのりこえればいいのか、没の攻撃に当たらないように避けることはできるが、それでは自分の体力がなくなるのは時間の問題だった。
    琥珀がちょうど座っている位置から太陽の光がはいり影が伸びていく、その影をチラリと見た琥珀はそっと自分の影に向けて手で扉をノックするように数回した。カッ、カッ、とノックした後、影に向かって話す。
    「おい、いるんだろ」
    返事はない、琥珀はため息を吐いて立ち上がると足でガッ、と踵で地面を叩く。
    「いるなら出てこいよ、いるんだろ」
    琥珀がそう言ったかと思うと影が勝手に波のように揺れたかと思うとぬるり、と人が出てきた。相手──サクリは呆れた表情とどこか面倒くさそうにして琥珀を見下ろす。
    「あんたねぇ……俺は便利屋じゃないんだけど?」
    「俺の影を借りて何言ってるんだか……。……力を貸してくれ」
    琥珀はサクリを見上げつつ懐から自身のマキナである万年筆を取り出す、ある意味サクリがいるかどうかは琥珀にとっては賭けだったが、こうして出てきてくれたことは幸運だった。相手の想像力を貰えたら没討伐が出来る。一方、サクリは琥珀の提案にニヤリと口角をあげて言った。
    「ハイハイ、ニジゲンの扱いがあらいこった。いいぜ、力貸してやるよ。壊してやろうぜ」
    そう言うとサクリは右手に持っていた血のような色の槍の先に指を押し当てる。少し刺したからか指先から血がタラり、と垂れた。サクリの想像力の貰い方は相手の血を飲むことだ、もう少し別のやり方はないのだろうかと思っていたら琥珀の口元に差し出すサクリ。
    「咽るなよ」
    「はいはい」
    琥珀はそう返事をしつつそっとサクリの指を口に含み血を飲む。口の中に鉄の味が広がり、なんとも言えない顔をする。血を一口でも飲めばいいのですぐに口から離したところでサクリが言った。
    「言っておくけど、あんまり俺を信じるなよ。俺はあいつみたいにいい子じゃないからな」
    「本当にいい子じゃないならこうやって血を分けたりしないだろ」
    まずそういうならずっと影から出ないだろうし、自分の事を見捨てるだろう? と言わんばかりに言うと不機嫌そうな表情をしだしたサクリ。恐らく図星だろう、サクリは琥珀の後ろに立つといきなり蹴飛ばした。
    「うるさいな、早く行けよ」
    「おっ……と!」
    いきなり蹴ることはないだろうとおもいつつ物陰から急に出てきた琥珀に反応する没。せっかくなのでこのまま利用させてもらおう、と琥珀は足を踏み込むと万年筆のペン先を撫でてペン先を刃にすると、体を少し捻らせそのまま没を真っ二つに斬った。
    「どうだ?」
    「それくらいしないと困る」
    そういいつつ笑顔で手を叩き琥珀に寄りかかってきたサクリ。まだ没がいるのだが、という琥珀の反応に槍を持ち直しながらサクリは言う。
    「ほら早く壊すんだろ?」
    「ここが終わったら次のエリアにも行くからな、また血をくれ」
    「ほんとあんたニジゲン使いが荒いな」
    サクリがまた呆れている様子を笑いつつ剣を構える琥珀、なんだかんだ協力してくれるもんな、と口には出さずに。
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    ちょこ

    DONEダミアさんお誕生日小説
    ダミアさんお借りしました!お誕生日おめでとうございます!
    モンブラン「ダミア、お誕生日おめでとうございます」
    「おー! ありがとな!」
     レイフが借りている拠点と言っていい住まいにダミアを呼び、目の前にケーキを出す。ダミアと前もって連絡を取っていたため、こうして呼べたのだ。ケーキはレイフの手作りだ。本当なら、料理も出そうかと言ったのだが、間髪入れずに断られてしまった。今度こそ上手く作れるような気がしたのにな、とレイフは残念そうに思いながらも、ダミアを見た。
    「このケーキ……モンブランか?」
    「そうです、アマロンを使ってます」
    「へー! 王様って呼ばれてるやつじゃん!」
     ダミアは感心したようにケーキを眺めた。アマロン、様々な栗の中で特段に甘い栗の事だ。身も大きいのだが、育てるのが難しく、しかも、大きく育てようと魔力を使うと、すぐに枯れるという性質を持っていた。なので、完全な手作業、時間をかけてゆっくりと育てる。そのため、栗の中の王様、という意味で【アマロン】と呼ばれるのだ。一粒だけでも驚くほどの高額で取引される。その高額さに、一時期偽物のアマロンが出回るほどだった。偽物のアマロンと区別を測るための道具すら開発されるほどに。
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