カボチャ料理 明日はハロウィン、琥珀は明日ねだりに来るであろう創を思い出してうんざりしつつ、キッチンに立っていた。ハロウィンということでカボチャ料理を作ることに、メニューはカボチャのサラダにスープ、煮物、グラタン等……遼貴からカボチャのクッキーのレシピも教えてもらったため、それも作ることに。
「……カボチャだらけだけど……エリーさん大丈夫だったか……?」
そう、今回もエリーの作り置きの分まで作るのだ。好き嫌いはないと聞いていたが、流石にカボチャだらけは嫌だろうかと考える。エリー用になにか一品作るかと考え、まずはカボチャ料理を作ることにした。
まさかここまでカボチャを消費して作るなどおもいもしなかったが、フレイやリヒトは毎回美味しいと嬉しそうに食べてくれるし、エリーからタッパーを返してもらう時に必ず美味しかったと言ってくれるのだ。それだけで琥珀は嬉しく思うし、また作ろうとも思うのだ。
料理の量が量のため、時間が結構かかってしまったが、遼貴から教えてもらったカボチャのクッキーを味見する。形もカボチャの型にころんとしており見た目から可愛らしかった。初めてだったがちゃんとカボチャに見えほっとしつつ、口に広がる優しい甘さに綻ぶ。
「サクリ、一つ食べるか」
一つ摘んでしゃがみそう聞くと、サクリが出てきた。相変わらずの作り置きの量をみて何も言わなかったが、恐らく多いと思っただろう。
「……いいんじゃねぇの」
一つ食べたサクリはそういうとリビングのソファに座り始める。恐らく準備が出来たら言えと言うのだろう。琥珀は粗熱の取れたものから蓋を閉めて紙袋に入れていく、クッキーはハロウィンの可愛らしいデザインのされた袋に入れ、そしてエリー用に作った料理も一緒にいれた。
「……なんだそれ」
「ハンバーグ、ミンチ肉中途半端に余ってたからこれは全部エリーさんの分」
「……相変わらず多いな……」
「エリーさんによろしく伝えてくれ」
そう言ったあと、サクリは影の中に消えていった。ハンバーグの味が気に入ればいいが、なんて琥珀は思いながら後片付けを始めるのであった。