Recent Search
    Sign in to register your favorite tags
    Sign Up, Sign In

    ちょこ

    主に企画参加の交流小説、絵など投稿してます
    よその子さん多め

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 399

    ちょこ

    ☆quiet follow

    エガキナ

    よその子さんお借りしました

    ##エガキナ

    彼との遭遇 琥珀が執筆中に没が出たと連絡が入る、まだ書いていた途中なのに、と琥珀はやや不機嫌になっていると、琥珀の作品のニジゲンであるフレイが慌てて部屋に入ってきた。片手には地図をもって、どうやら没が出た時のアラーム音が聞こえていたのだろう。
    「旦那! 行くんだろ?」
    「行かないとな……はぁ、まだ書きたいところまで書いてないのに……」
    「まーまー、ちゃっちゃと俺のエガキナで……」
     そう言ってフレイは地図を広げる。すると、少しだけ眉を顰めてはあれ、と声を出す。そんなフレイの様子に琥珀は違和感を抱き、一緒に地図を覗いた。
    「フレイ?」
    「え、あー……この没だろ? いや、もう誰か他のツクリテが戦ってるぽくて……」
     そういって指をさすフレイ、琥珀が目で追うと地図上に分かりやすく大きめの丸。その丸の表記が没なのは琥珀も知っていた。大まかな大きさ、そして弱点と一緒に、没の他に動いている点を見つけた。フレイが知っているツクリテならその点の横に名前が出るのだが、書かれていないのを見ると、どうやらフレイは知らないツクリテのようだった。
    「なんか不思議な動きしてるな……。まぁいいや、旦那、近くまで飛ばすから」
    「あぁ、頼む」
     フレイから想像力を貰う。万年筆を手にしたのを見たフレイは地図に手をそっと差し出し、声を出す。

    『地図の示す場所へ!』

     そういうと、一瞬にして没が出た付近へと飛んだ。もう避難は住んでいるらしく、琥珀とフレイは物陰に隠れる。フレイの地図を見ると、近くに没とそのツクリテがいるのだが、琥珀は物陰からそっと覗くと、それは見えた。それ、その人物を見た時、琥珀は顔色を変える。
    「……え? あれ……連理さん……?」
    「れんり?」
     あの赤髪といい、マフラーといい、琥珀の中でその特徴が合う人など一人しかいない。名前を初めて聞いたフレイは誰かわからない、と言わんばかりに首を傾げる。フレイが知らないはずだ、会った事などないのだから。
     琥珀は連理をよく知っていた、エリーの家に作り置きを作る時、たまに出会う相手。連理の事は一般人だろうと思っていた琥珀にとっては、今の光景が信じられなかった。連理が、没と戦っているのだから。
     連理の手には自身の身長よりも大きい大鎌、刀身は赤く、まるで血のようだ。それにしても、見たことがないような戦い方をしていた。
    「……なんか、舞ってる? 不思議だ」
     琥珀と一緒に見ていたフレイがそう呟いた。まるで大空を舞う蝶のように、どこか優雅にも見える。けれど、大鎌を振った遠心力を利用して没を斬りつけてる様子を見て、普段の連理を知っている琥珀からしたら、想像もつかないような戦い方だったからだ。没の攻撃を避けたかと思えば、それらを利用して上から下にかけて大鎌を振り下ろす。

     だが、黙って見てる訳にも行かない。琥珀は万年筆のキャップをとり、ペン先を撫で剣に変化させる。相変わらずどんな原理でなっているのか、毎回見てるにも関わらず、フレイはわからない。
    「……フレイ、没の後ろ辺りに俺を飛ばしてくれ」
    「え、う、うん」
     フレイはそう言うと言う通りに琥珀を飛ばした。丁度没の後ろ、死角に。琥珀はその勢いのまま、没の背中を斬りつけた。その時丁度、連理の顔が見えたのだが、目が据わっている事に思わず目を見開く。
    「……」
     琥珀はタン、と着地した後没の足を斬りつける。バランスを崩す没、トドメをさすなら、今のうちだろう。

    ───琥珀が背中から没を刺したのと、振り下ろして没の首を落とした連理の攻撃はほぼ同時だった。

     その瞬間、没はシュレッダーゴミとなってバラバラと散っていく。討伐完了の、合図にも見えた。剣を振り直し、刀身を撫でると普通の万年筆へと戻る。そして、シュレッダーゴミを回収する前に、連理に声をかける。
    「……ツクリテ、だったんですね」
    「あはは、いやー、恥ずかしいなぁ」
     先程の目の据わっていた表情から一変、いつもの様子に見える連理を見て思わず苦笑いをする。あれほどの大鎌を振るっていたというのに、息切れひとつしていない。体力があるのだな、と琥珀はなんとなくそう思う。
     ツクリテならば、派閥はどこなのだろうか。雰囲気からみたら認可だろう、けれど、認可にしては……と琥珀はじっと見る。まさか、無免だろうか、なんて考える。本人に聞こうかと思ったが、逆に、自分が認可だと勘づかれた場合、警戒されてしまうだろうかと思ってしまう。
     創務にバラすなんてさらさら思っていないのだが、ここは聞かない方がいいだろう。もしかしたら、相手も自分のことを認可だと思っていない可能性がある、それに賭けた。
     あと、ここでは誰かに見られる可能性がある、もし聞くとしたら、エリーの家で会った時にしようと思ったのだった。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    ちょこ

    DONEダミアさんお誕生日小説
    ダミアさんお借りしました!お誕生日おめでとうございます!
    モンブラン「ダミア、お誕生日おめでとうございます」
    「おー! ありがとな!」
     レイフが借りている拠点と言っていい住まいにダミアを呼び、目の前にケーキを出す。ダミアと前もって連絡を取っていたため、こうして呼べたのだ。ケーキはレイフの手作りだ。本当なら、料理も出そうかと言ったのだが、間髪入れずに断られてしまった。今度こそ上手く作れるような気がしたのにな、とレイフは残念そうに思いながらも、ダミアを見た。
    「このケーキ……モンブランか?」
    「そうです、アマロンを使ってます」
    「へー! 王様って呼ばれてるやつじゃん!」
     ダミアは感心したようにケーキを眺めた。アマロン、様々な栗の中で特段に甘い栗の事だ。身も大きいのだが、育てるのが難しく、しかも、大きく育てようと魔力を使うと、すぐに枯れるという性質を持っていた。なので、完全な手作業、時間をかけてゆっくりと育てる。そのため、栗の中の王様、という意味で【アマロン】と呼ばれるのだ。一粒だけでも驚くほどの高額で取引される。その高額さに、一時期偽物のアマロンが出回るほどだった。偽物のアマロンと区別を測るための道具すら開発されるほどに。
    1309

    recommended works