Recent Search
    Sign in to register your favorite tags
    Sign Up, Sign In

    ちょこ

    主に企画参加の交流小説、絵など投稿してます
    よその子さん多め

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 399

    ちょこ

    ☆quiet follow

    エガキナ

    よその子さんお借りしてます

    ##エガキナ

    人伝に聞いた話 誰から聞いたかは覚えていない、人が話してるのを小耳に挟んだだけだから。けれど、その話は思わず琥珀の動きをとめた。その内容は、古金映李───エリーの家でたまに会うようになった連理が、無免連所属という話だ。

     無免、なるほど。認可や創務で会わないはずだ、と琥珀は思わず納得する。一般人という考えは、この前の遭遇で消えていた。もしかしたらムジルシ、と思っていた琥珀にとっては、無免という事に驚きもある。けれど、戦闘時の目の据わりようは、無免と言われてもおかしくない。
     けれど、あくまで人伝だ。本人からそれを聞いた訳では無い。聞いてもいいのかまよった、自分だって、相手に認可だと隠している身だ。相手だけ聞いて自分は隠すのはいささか卑怯ではないか、けれど、必ずしもエリーらのように、認可でも関係なく接する輩だけではない事を知っていた。
     自衛のために隠している、法律というものがあるから、こうなる。あぁ、もどかしいな、なんて琥珀は深く息を吐いた。丁度、またエリーの家で作り置きを作る日がある。もし、その日に連理がいるのなら……聞いてみようと思った。

     後日、エリーの家に行くと丁度連理と遭遇した。連理は相変わらずの笑顔で琥珀に駆け寄る。琥珀は挨拶をしつつ、周りに人がいないかをさりげなく確認して、口を開く。
    「……連理さん、あの、人伝で聞いたのですが。……無免、なんですか」
    「ん、うん。そう」
     琥珀の問にあっさり答えた連理。あまりにもあっさり言うものだから、琥珀は思わず拍子抜けをする。もしかして、自分の所属バレてないだろうかと思わず心配する。
    「え、あ、そうですか……」
    「認可って間違われることはあるけどねぇ、意外だった?」
    「……えぇ、少し」
     琥珀はぎこちなく笑う。やはり連理は無免だった、けれど、連理は琥珀に対しての態度を変えてる様子は見られなかった。そういう人ではないから。もし自分が今ここで、認可と言っても、それでも態度を変えないのだろう。現に、今無免と聞いても、琥珀はいつも通り話せている。

     話せているけど、自分が認可だとは言えなかった。
    「琥珀くん、作り置きつくるんでしょ。お邪魔していい?」
    「いいですよ、また連理さんの分を分けておきますから」
    「ほんと? うれしいなぁ」
     話すタイミングを失ってしまった、いつかバレる日が来るかもしれない。その時は、その時だ、と琥珀は目を伏せつつ、キッチンに着くまで、連理と話す。
     なお、方角が変わっていて、少し迷子になったのはここだけの話。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    ちょこ

    DONEダミアさんお誕生日小説
    ダミアさんお借りしました!お誕生日おめでとうございます!
    モンブラン「ダミア、お誕生日おめでとうございます」
    「おー! ありがとな!」
     レイフが借りている拠点と言っていい住まいにダミアを呼び、目の前にケーキを出す。ダミアと前もって連絡を取っていたため、こうして呼べたのだ。ケーキはレイフの手作りだ。本当なら、料理も出そうかと言ったのだが、間髪入れずに断られてしまった。今度こそ上手く作れるような気がしたのにな、とレイフは残念そうに思いながらも、ダミアを見た。
    「このケーキ……モンブランか?」
    「そうです、アマロンを使ってます」
    「へー! 王様って呼ばれてるやつじゃん!」
     ダミアは感心したようにケーキを眺めた。アマロン、様々な栗の中で特段に甘い栗の事だ。身も大きいのだが、育てるのが難しく、しかも、大きく育てようと魔力を使うと、すぐに枯れるという性質を持っていた。なので、完全な手作業、時間をかけてゆっくりと育てる。そのため、栗の中の王様、という意味で【アマロン】と呼ばれるのだ。一粒だけでも驚くほどの高額で取引される。その高額さに、一時期偽物のアマロンが出回るほどだった。偽物のアマロンと区別を測るための道具すら開発されるほどに。
    1309

    recommended works