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    ちょこ

    主に企画参加の交流小説、絵など投稿してます
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    エガキナ

    よその子さんお借りしました!

    ##エガキナ

    星空の絵 ペタ、ペタ、と絵筆に絵の具を付けては小さめのキャンパスに塗っていく。リヒトは琥珀に頼んで、色んな世界の星空を撮った図鑑を買ってもらい、それのとあるページに載っている星空を見ながら星空を描いていた。本当なら、実際に星空を見て描くのが一番いいのだが、生憎この世界では星空が見えにくい。今日も外の空は雲に覆われて見えにくかった。
     リヒトと同じ作品で、主人公であるフレイなら、彼のエガキナで星空がよく見える場所へと連れていってくれたかもしれない。けれど、この絵はとある相手に贈るために描いていた。その相手が知られたら、フレイが不機嫌になるのが目に見えていた。今もこうして、フレイがいない時に描いているくらいだ。
     少しずつ描いていたが、今日で完成出来るかもしれない。絵を描くということが、心の底から楽しいのだ。作品の世界では、まず味わうことの出来なかった体験と言えよう。ニジゲンとして顕現したからこそ、体験出来たことなのだ。

    「……え、と、あとはここ……」
     そう言うと、リヒトは色んな星が散りばめられたキャンパスの目立つところに、少し大きめに青色と、少し離れたところに黄色の綺麗な星を描いていく。それらを描いたからか、その二つの惑星に見える星はより星空の絵の中で際立っていた。
    「よ、よし……大丈夫……かな……」
     リヒトは出来上がった絵を見て微笑んだ後、画材を片付けていく。せっかく描いた絵が倒れないようにしつつ、傍らに本の入った紙袋も一緒に置いた。明日相手に渡すのだ。
     果たして絵を受け取ってくれるのか、また違った緊張が生まれつつ、大丈夫、と自分に言い聞かせた。

     次の日、リヒトはキャンパスと紙袋を持って自分の影に向かって声をかける。
    「あ、あのっ。サクリさん、えと……」
     そう言うと、自分の影からぬるり、とリヒトより背丈の高い男性が出てきた。白と黒のツートンカラーの髪色の髪型。露出の多い、けれど重厚そうな服に金色と蒼色のオッドアイをした目がリヒトを見ていた。
     その男性──サクリは自分たちを書いた作家である琥珀と臨時でバディを組んでいた。無免連と認可という敵対同士にも関わらず。フレイに対しては仲の悪そうな印象を受けるのだが、リヒトに関しては少なくとも、フレイの様な扱いをしないようにも感じとれていた。
     絵を渡さないと、とリヒトはキャンパスを持ってサクリに突き出した。
    「あっ、あのっ! えと……そのっ……。……絵を描きました。受けって欲しいなって……」
     段々と声が小さくなっていく。そして緊張の現れか、思わず顔を下に向けてしまった。本当は、貴方をイメージして描きました。とか、星空が似合いそうだったから、なんて言いたかったのだ。言いたかったにも関わらず、またいつものように緊張して何も言えなかった。

     すると、自分の手が軽くなる。顔を上げるとサクリがキャンパスを受け取っていたのだ。思わずおどろいて見つめていると、サクリが口を開く。
    「どうも」
     そう言って本も受け取ると、そのまま影の中に消えていった。暫くぽかん、としてしまったが思わずしゃがみこんでしまった。
    「え、あ、受け取ってくれた……?」
     どうも、その一言しかなかったが、その言葉が嬉しくもあり、拒否されなかったこともあってか、リヒトは安心したように息を吐いた。
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    ちょこ

    DONEダミアさんお誕生日小説
    ダミアさんお借りしました!お誕生日おめでとうございます!
    モンブラン「ダミア、お誕生日おめでとうございます」
    「おー! ありがとな!」
     レイフが借りている拠点と言っていい住まいにダミアを呼び、目の前にケーキを出す。ダミアと前もって連絡を取っていたため、こうして呼べたのだ。ケーキはレイフの手作りだ。本当なら、料理も出そうかと言ったのだが、間髪入れずに断られてしまった。今度こそ上手く作れるような気がしたのにな、とレイフは残念そうに思いながらも、ダミアを見た。
    「このケーキ……モンブランか?」
    「そうです、アマロンを使ってます」
    「へー! 王様って呼ばれてるやつじゃん!」
     ダミアは感心したようにケーキを眺めた。アマロン、様々な栗の中で特段に甘い栗の事だ。身も大きいのだが、育てるのが難しく、しかも、大きく育てようと魔力を使うと、すぐに枯れるという性質を持っていた。なので、完全な手作業、時間をかけてゆっくりと育てる。そのため、栗の中の王様、という意味で【アマロン】と呼ばれるのだ。一粒だけでも驚くほどの高額で取引される。その高額さに、一時期偽物のアマロンが出回るほどだった。偽物のアマロンと区別を測るための道具すら開発されるほどに。
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