祝いの宴を「……………」
「盗まれた俺の財布、取り返してくれてありがとうございます!」
「どんな攻撃も軽々と躱すその身のこなし、いつも尊敬しています!」
「ぼったくられそうになってた俺に助け舟出してくれて、逆に値切ってくれたこと、忘れません!」
トラヴィスは困惑していた。
目の前には、解放軍に所属する兵士幾人かが、押し合うようにしながら、トラヴィスへ向けた感謝やら賛辞やらを口々に述べている。そういやそんなこともしたか…という些細な出来事も含まれていて、大袈裟すぎやしないだろうか。というか、何だこれ。
トラヴィスは困惑の表情を隠さずに、隣で鼻を上向けているアラミスへと視線を投げた。そのやや後ろに控えているのは、トラヴィスと同じような顔をしたプリムだ。
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