Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    ナナシ/ムメイ

    @refuge774 @mumei_774
    ゲッター(漫画版と東映版中心/竜隼)書いて一旦投げる場所に困ったのでここに。推敲したのはpixiv(https://www.pixiv.net/users/1604747)に。■→推敲格納済
    なにかあればましまろにどうぞ↓
    https://marshmallow-qa.com/refuge774

    ☆quiet follow Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 72

    ナナシ/ムメイ

    ☆quiet follow

    東映版。無印33話後くらい。最近寒すぎるから東映版にいちゃついて欲しかっただけの竜隼。これは流石に邪念入ってるけど中身はお手々繋いでるだけ。

    ■ 手のひらの温度 雪が降る頃になると最新設備で建設された早乙女研究所とはいえど流石に整備エリアなどのだだっ広く外に繋がる場所は暖房も追い付かず冷え込んでくる。
     片隅に出された大きなストーブ(これすらもゲッター線を動力にしているらしい)に整備班へとミチルから持たされたお茶の入ったヤカンをかけて、寒暖差に身を震わせた隼人は今にも冷えきってしまいそうな長い指をそっと擦り合わせた。何か羽織って来るべきだったと思いながら手をかざした円筒状のストーブには誰が持って来たのか缶コーヒーなども置かれている。そんな様子は冬の教室の片隅も思い起こさせて彼はふと笑みを浮かべた。確かにここはガレージにも似たような場所で飲食物の持ち込みなどにそこまでうるさくはない。そのうち体育会系のメカニック達の誰かが干し芋や餅を炙り出しても驚きはしないが、早乙女博士かこの区画の責任者の怒号が飛ぶのはいただけない。などと思いながら辺りを見渡す。
     広い整備エリアでは綺麗に洗われたゲットマシンやコマンドマシンが照明を反射しながら並んでいる。金属を加工するような作業音を背景にちらほらと人の姿はあれど目当ては見つけられず、隼人は歩み寄った深紅のイーグル号へ向かって声を張り上げた。

    「リョウ、いるのか!?」
    「呼んだかい、ハヤト?」

     隼人の声に応え、ゲットマシンの内部からひょっこりと竜馬が顔を出した。私服の上にフライトジャケットを羽織り、片手にはゲットマシンのマニュアルが握られている。
     ゲッターロボのパイロットとなってから半年を過ぎ、師走も近かった。日頃の整備に加え、緊急時の応急修理などもできなければパイロットは務まらないと学校の勉強の間にゲットマシンやゲッター線について学んではいるが、取り分け竜馬は熱心だった。いつか聞いた時「そりゃあ、三人揃って生き延びたいじゃないか」と、笑って返した彼はリーダーという自覚も相まって生来の真面目さを発揮していた。実際、それで三人が助かった場面もあった。
     元より、三人でなければ満足に動かせない機体なのだ。彼がリーダーであることに反感を持ち意地を張ってはいたが、その責任感や生真面目さ、武蔵とは違いそこまで親しくはなかった自分にも変わらず寄せられた信頼に、自分よりも彼がリーダーに向いているとは隼人も早くから理解していた。
     思い返しながら近寄って手を当てた真紅の機体はひんやりと冷たく、今は静かに戦いの時を待っているように隼人は感じた。いつかこの戦いが終わり、本来の目的通り、宇宙へ飛び立つ日は来るだろうか。三人で。
     そうして見上げていれば、ハンカチで手を拭いながら降りてきた竜馬が隼人の隣に並んだ。
    「ハヤトはイーグル号に乗りたかったかい?」
    「……いや、俺よりお前の方が似合いだよ」
     隼人が横目で見やって返した言葉にふふっ、と笑みを浮かべた竜馬が同じように手を伸ばし触れた深紅の機体を見上げながら「そうかな」と呟く。
     助けを求める人間や時には敵にさえ分け隔てなく向けられるものも、理不尽を前に苛烈な怒りとなって表れるものも、その根は結局明々と世界を暖かく照らし燃える太陽のような彼の気質によるものだろう。
    「そうさ」とだけ返して、隼人は金属の冷たさとは裏腹に温度さえ感じそうな赤い色から指を離した。嫌いでは無い色だ。私服のシャツに選ぶくらいに。けれど、この機体は自分のでなくていい。どうにも棘を抜かれてしまったような感覚がこそばゆく、しかし嫌では無いのだから絆されたものだと自嘲をいつものような口の端の笑みに変えて、隼人は竜馬に声を掛けた理由を伝えた。
    「ミチルさんからお茶を持たされたし、ひと息着くといいぜ。あっちにかけてある」
    「ああ、それはありがたいな。上着を着てはいるけどやっぱりあまり動かないでいると寒くて。ハヤトもそれじゃ寒くないか」
    「正直こっちに来る途中で部屋から上着取ってくりゃ良かったって後悔したぜ」
     並んで歩きながらそう言って肩を竦めれば、自然とその手を取られて驚きに隼人の足が止まる。目を丸くしていれば一歩先に出た竜馬が振り返り首を傾げた。
    「どうした?」
    「いや、そりゃあ、こっちの台詞だぜ、リョウ」
     軽く腕を動かして主張するがしっかりと握られた手は離されなかった。じんわりと伝わる体温は温かく、冷え切った指先が痺れるように熱くすら隼人には感じた。むず痒さと面映ゆさを持て余して顔まで熱くなりそうだと思うが、見返した先の当の竜馬は事も無げな様子のまま口を開いた。
    「ん、ああ、冷たそうだなって」
     ハヤトの指は白くて長いから、ただでさえ冷たく見えるんだよなぁ。やっぱり冷えてるじゃないか。
     そう言いながら握り直された手が優しく、しかし力強く引かれ、隼人は苦笑した。これだから、と。
    「ほら、早く行こうぜ」
    「……手は離してくれよ、子供じゃねえんだからよ」
    「いいじゃないか、寒いんだから」
    「そんなの理由になんかなりゃしねえよ」
    「ならいいさ、俺が繋ぎたかったんだから」
     ふふ、とまた楽しそうに竜馬が笑う。ストーブまでの短い距離の間、その温もりはそこにあった。

    Tap to full screen .Repost is prohibited
    💞😭👏🙏💖👏👏👏💖💖💕🍵🍵🙏🍵
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    ナナシ/ムメイ

    DOODLEアイサガ軸のチェンゲ竜隼。バレンタインとかホワイトデーとかの時期を盛大に逃したけど今出さないと完全に忘れるだろうので。
    適当に色々ぼかしてあるので、「アイサガ隼人の好物はエネルギーバー設定」だけ知ってればチェンゲで読めると思います。(そもそもチェンゲ本編は再会してから時間無さすぎでこんな話やれるはずないのは置いといて)
    好きにしたいだけ今日は元の世界で言うところのバレンタインデーだかなんだか、らしい。
    そんな習慣がこっちにもあるのかと不思議になったが、恋人やら家族やらへの感謝の日みたいなもんがあるって事は、誰かに感謝とか好意を伝えたい人間がそれなりにいたって事だろうし、悪くねぇと思う。

    女からチヤホヤされたいか、と言われれば、性別どうのじゃなく好意を貰えばそりゃ嬉しい。が、好意のフリだけしたご機嫌取りだの媚びだのは昔から遠慮願ってたくらいには興味がねえし、いっそ煩わしい。口にこそ滅多にしねえが。
    もし、愛情の形とか貰えるなら、大事に思う相手からだけで良いし、なんなら貰うより送る方が性に合ってる――それが誰か聞かれたら困るが。

    コートのポケットに突っ込んだままのエネルギーバーを思い出して軽く眉を顰める。
    2064

    ナナシ/ムメイ

    DOODLE1本目→寒すぎて五半をくっ付けたかった。(動機に邪念しかないがまた銀婚式夫婦)
    白狐の毛皮は秋野さんが前に書いたネタから拾いました。手入れすれば長持ちするんだそうで。
    羽織は戦国時代からとか調べはしたけどなんか違ってるかもしれない。

    2本目→でっかーい五右衛門がちっちゃな柘植櫛摘まんでにこにこ半蔵の髪すいてたら可愛いなって

    (言葉遣いは元が割と現代風混じってラフなので細かくやってません)
    ■ 冬の五半╱ぬばたまの動物というのは人が思うより頭が良い。
    息も白む冬の最中、いつの間にやらするりと入り込んだ猫が書き物机の隣に置いた火鉢に背を着け丸まり、ごろごろと喉を鳴らしていることなどもままある。

    しかしまあ、逆に時折、人であっても動物より頭がよろしくないのではないか、と思う時もある。
    半蔵は暫し席を立った間にどこから乗り込んで来たやら、火鉢の傍で身を縮めていたそれに溜息付きつつ呼びかけた。

    「……五右衛門」
    「なんだァ?」
    「冬の間は山越えが危のうてかなわぬから、滅多に来るなと言うたじゃろう」
    熊かと思うて背筋が冷えたわ、と半蔵は帯に忍ばせた短刀を再びしまいながら呟いた。火鉢の前に黒い毛皮の小山が見えた時には本当に熊かと思い一瞬肝を冷やしたのだった。
    2564

    ナナシ/ムメイ

    DONEネオゲ本編後竜隼。
    あの世界の竜馬はどうして研究所離れて、二人は五年間何考えて過ごしてあの後どうしたんだろうとか。

    ネタとしては粗方見終わった直後にはあったんですが、データ二回飛ばした(主な理由)り、書こうとしては原作と根本的な軸や核が色々噛み合わなさすぎることに悩んでこんな時間かかり……。
    原典周りから色々設定引っ張りながらネオゲの本編内容ある程度組み込んでるつもりです。
    ■ もう一度、何度でも五年、という月日は短かったのか、長かったのか。

    ……さっぱりわからねえな。なにもかも。
    そう胸の中で独りごちながら、竜馬は縁側で一人煙を燻らす隼人を眺めた。
    黒いスラックスに白いワイシャツ。ネクタイが外されて見える首元に、今はあの十字架の鎖も無い。

    恐竜帝国の再侵攻、そして六年近くに渡っての戦いの決着からしばし。
    あの日、あの瞬間、中天で輝いていた太陽の代わりのように月が静かに秋の夜闇を照らしていた。
    山中にあるこの烏竜館は、今は自分達以外に人もおらず、まだ手入れの行き届いていない庭の草むらからは澄んだ虫の声が響く。
    長い脚を持て余す様に片膝を立てて縁側に腰を引っ掛け柱を背に寄り掛かる隼人の姿に、竜馬は不意にいつか早乙女研究所のバルコニーで手摺に腰掛けていたその姿を重ねた。
    8083

    ナナシ/ムメイ

    DOODLERe:ハニー小ネタだけど竜隼。そういえば二十周年なのかと気付いたので、記念的に。
    資料未所持で本編だけ見て書いてるのでなんか違っても許して。

    映像や脚本も良かったし単純にポップでキュートでビビッドで派手で外連味があって面白かったけど、「ダイナミック漫画作品における戦闘シーンのお顔これだー!!」感があってそういう所もとても好きです。
    今度こそ二人共に並んで生きてくれ、みたいな祈りを感じるところも。
    ■ CROSSING《Re:ハニー》前半→ハニーとなっちゃん
    原作は漫画版しかきちんと見てませんが、例えご都合主義でも違う世界と人々であってもあの終わり方は嬉しかったです。
    「友」は少なくとも石川ゲッターロボでは本当に愛した存在にこそ向けられる言葉なので、そのニュアンスで。
    後半→「早見」と「誰か」
    説明めんどくさいから極端に簡単に言うと、Re:ハニーはハニーだったけど同時に石川ゲッターロボだったし、早見は竜馬寄りで隼人混じってたよね?って前提で、なら早見にも相方いてもおかしくないよね?っていう。


    =====


    「あのね、なっちゃん」
    「なに、ハニー?」
    「えへへ、んーん、呼んでみたかったんだぁ」
    「なによ、にまにましちゃって。ほら、片付け終わってないじゃない」
    4187

    recommended works