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    mame

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    POIPOI 104

    mame

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    付き合ってない出ロデ プロヒ×パイロット
    前編:https://poipiku.com/1356905/5737838.html

    ノック・ノック・ノック② さて即席で用意できるピッキング道具と言えばヘアピンなんかがド定番なのだが、昔は妹のヘアアレンジのために常に持ち歩いていたロディだったが、その妹が大きくなった今ポケットに入っているはずもない。腰に手を当てながらぐるりと柵の中を見渡せば、荒れたコンクリートの隅に投げ捨てられているビニール袋を見つけた。ピノが先に飛んでビニール袋に危険そうなものが入っていないか確認してくれ、こちらに目配せをする。まったく頼りになる。
    「なんかいいのあったか」
    「ピュル……」
    「微妙?」
     しゃがみこんでビニール袋の口を人差し指で開くと、中にはコンビニおにぎりを包んでいたらしい包装の残骸。そして紙パックに刺されっぱなしのストロー、水分がとんでカラカラのおしぼり。明らかな誰かの食事後にでたゴミである。
     ロディをここまで連れてきた誰かの食事のあとなのか、それともロディの前にもここに監禁されていたのか。袋の中から腐った匂いなどはしないから、きっと最近食べられたものなのだろう。前者でも後者でも、ここから早く出るにこしたことはないとロディは乾いていた喉を潤すべく無理やり唾液を飲み込んだ。
     袋の中をすべて検分してから、ロディは紙パックを手に取る。ピノに向かって指をさすのは、紙パックに刺さった白いストローだ。
    「なあ、ピノ。このストロー、細く裂けねえ?」
    「ピピピピイ!」
     あからさまに顔をしかめたピノにロディは苦笑いを浮かべる。そりゃどこの誰がいつ咥えたかもわからないストローをついばむのは嫌だろう。ただの鳥ならまだしも、ピノはロディの本心とリンクするだけではない分別のある自我を持った鳥なのだから。
    「そこをなんとか!」
    「ピュル……」
     大きな丸い目を細めてじとりとロディをにらみつけたピノは、手を合わせるロディにしょうがないとばかりにため息をついてからストローを嘴に咥えた。ここから出ようとしている意思はリンクしているのだから、ピノの嫌がるそぶりだってピノのポーズだ。実際に嫌なのは事実だろうけれど。
     ピノが器用にさけるチーズのように細く裂いてくれたストローをロディは人差し指と親指でひねっていく。こよりのようになったそれは、ティッシュで作ったものとは違いひどくかたい。これなら鍵穴に入れてもすぐには曲がったりしないだろう。よし、と一息ついて、一度ドアを見る。耳を澄ませてみても音はとくには聞こえない。
     南京錠をあけるなら、もう一本道具が欲しいところだ、と再び牢の中をぐるりとロディは見渡した。コンクリートから突き出る都合のいい針金なんかはないかと目を凝らしてみるが、あいにくなさそうだ。ううん、と唸りながら中を一周してみる。わずかに起きた空気の流れで放置されているゴミの入ったビニール袋がかさりと音を立てて揺れた。
     少々肌寒くなってぶるりと一度震える。陽ざしが全く入ってこないせいでこの部屋はずいぶん寒いし、時間だっていまロディが捕まってどれくらい経過しているのかわからない。上腕を自分の手でさすってから、せめてコートは置いて行けよなと唇を尖らす。しかもコートの中になら、道具になりそうなものがいくつか入っていたはずだ。内蔵されているバネが使えるボールペンだとか、キーケースにぶら下がっているキーホルダーだとか。他になにを持っていたっけと腕をさすりながら思い返す。
     日本は春が近づいてきているとはいえまだまだ寒い。マフラーを巻くほどではないが、顔まわりが寒いんだという話を先日日本の知人にしたらマスクは風邪防止にもなるし防寒にもなると言われ驚いたロディだ。なにせロディが普段くらす欧州ではマスクは自分は病人ですと触れ回っているようなものだから、風邪防止や防寒の角度で見たことがなかったのだ。そういう目で見ると日本人はよくマスクをする人間をみかけるなとロディは思った。その友人――今日待ち合わせをしていたのもその友人だ――が顔を隠すときにマスクをしていても、街の風景から浮いたりしない程度にはみんなマスクを抵抗なくつけている。そんなわけでロディも一度マスクをつけてみたのだが、たしかにマスクは顔回りが暖かかった。衝撃をうけたロディである。以来、この冬から日本ではマスクをつけるようになったロディである。
     だから今日ここに連れ去られるきっかけになったトイレを出ようとしたとき、コートの中にあるハンカチを出そうとしたところでつけていたマスクが外れて。そのマスクを渋々拾ってポケットに入れて。確か俯いたところで頭に衝撃を受けて……ああ、手に持っていたハンカチは落としてしまったかもしれない。もったいねえ――そこまで考えて、はたと気付く。マスク、そうだ、マスク。
    「ピピィ!」
     ピノが小さく鳴いて、ロディのズボンの後ろポケットからくしゃくしゃになったマスクを嘴に咥え羽ばたいた。その表情が誇らしげなのを少々気恥ずかしく思いながら、ロディはそのマスクを受け取った。
     ピノがとりだしたマスクは顔にフィットするように、ノーズワイヤーが入っている。意外と上部な不織布をふぐぐと顔をゆがめながら破り、中からワイヤーを取り出せば勝利の道ができたことをロディは確信した。鼻歌でも歌いだしたくなってしまうが、善は急げである。とりだしたワイヤーと先ほどのストローを持ち、柵の扉にかかっている南京錠に触れる。ロディの位置からでは鍵穴は見えないが、どこにでもあるタイプの南京錠なら中にある複数のピンを一定の高さまで持ち上げシリンダーを回すと開錠できる。確認してからロディはノーズワイヤーを二つに折り曲げ、強度を上げた状態でシリンダーに引っ掛け奥まで差し込んだ。そのまま鍵を回すように力をかけ、ワイヤーをぶら下げて置く。ピノが柵の隙間からあっさり抜け出て柵の外からロディのピッキングを見守っている。
     次に刺すのはピノのおかげでできたストローのこより。いい感じのデコボコ加減だ。調整しつつうまくはまれば、と鍵穴に刺そうとするが少々大きかったらしい。チッと舌打ちをしてからロディはストローをもう一度強くひねる。今度は鍵穴にもきっちりはいった。
    「よっし」
    「ピッピ」
    「ピノ、ストロー曲がってねえよな?」
    「ピッピィ」
    「ん、じゃあ……どこだ……」
     感想した唇を食みながら、片手には南京錠、もう片方の手にはストローを持って、ロディは集中する。ありがたいことに部屋は静かだ。音の感じでうまくピンが上がっていっているかわかる。手元がちゃんと見えていれば、こんな鍵簡単に開くんだけどなと忌々しく思いながらロディは手元を動かし続けた。頬を付けた柵が冷たい。日が暮れてきているのか肌寒さが増していく。
     今は一体何時だ。
     加害者は戻ってくるのか。
     はやく、はやく。
     
     ――――カチッ。
     
     ロディの追い求めていた、無機質な金属音が、静かな部屋にぽとりと落ちた。引っ掛けてテンションをかけておいたノーズワイヤーが動いたのだ。
     続いてシリンダーが回り、がしゃんと南京錠のロックが外れ、手のひらに確かな重み。外れた南京錠の重みだ。ピノが甲高い声を上げ飛び回ろうとするのを、慌ててしーっとジェスチャーで静かにしろと伝える。自分のテンションの上がりっぷりを否応なしに見せつけられて口の中に苦みを覚えつつ、ロディはほっと胸をなでおろした。いや、うん。本当は踊りだしたくなるくらい嬉しいんだ。肩の上に戻ってきたピノに咎めるように見られ、はは、とロディは乾いた笑みを浮かべた。
     静かに扉を開ければ、ギィと金属のさびた音が部屋に響き心臓が跳ねるが、ロディをここにぶちこんだ人間が戻ってくる気配はない。ぎくりと強張った体を弛緩させてから、ロディは柵の向こうへ移動した。もちろん行くのはこの部屋についている唯一の窓だ。
     閉じられていたカーテンを引けば、オレンジ色に染まった空が目に飛び込んできた。傾いた日のまぶしさに顔をしかめながら、こっちが西向きかと即座に理解する。窓は開けないままさらに外を観察する。周りにはマンションやアパート。そして一軒家がいくつかあって、その屋根が眼下に見える。ロディがいるのも
    マンションかビルの一室のようだ。そしておそらく高さ的に三階か四階。
     ご丁寧にこちらも南京錠がかかっている。ってことはセキュリティ装置なんかはないな、と一度肩の力を抜いてからロディはぺろりと一度唇を湿らせ、南京錠に手を触れた。先ほど開けた動作とまったく同じ動作をするが、今度は鍵穴も手元もばっちりみえる。さっきの南京錠のピッキングと比べれば半分以下の時間で窓の南京錠はがちゃんと落ちた。
     ふう、と息を吐いて鍵を開けて窓をがらりとひらく。ためらう時間なんてない。ピノが先に窓から飛び出す。宙で羽ばたいて滞空しながら、ピノがロディに表情だけで急げと催促してくる。
     ロディの胸の高さにある窓枠にひょいと飛び乗る。改めて下を覗けばなかなかの高さ。風がびゅうと吹いて、下に生えている木の少ない葉とヘアバンドでまとめているロディの髪の毛をさらっていく。視線を上に戻すと一メートルほど離れた壁沿いに排水パイプがあるをの見つけ、ロディは気合を入れた。袖の端を手首からぐっとひっぱり中指の第一関節まで引き延ばす。即席手袋だ。こちとらパイロットである。手は大事にしたいのだ。
     もう一度強い風が吹いたのを合図に、ロディは窓枠を蹴りつけた。宙に浮いた体の手を伸ばし、排水パイプを両手で伸ばした袖越しに掴む。掴んだ手はそのままに排水パイプをまたいで壁に靴の底を付けた。とんっと蹴りまた体を浮かせれば、しゅーっと音を立てながらパイプを掴む手を軸に体が落ちていく。内臓が浮き上がる感覚に飛行機の乱気流を思い出す。自然と口元に笑みが浮かぶのを自覚しながら、ロディはパッと手を離し壁を強く蹴る。宙に放り出された身体をきゅっと半回転させれば、葉が落ちた木の太い枝が目の前にある。その枝を両手でつかみ、ぶらんとぶら下がればロディの重さに枝が大きくしなった。そのしなりを生かして枝が元の位置に戻る瞬間にぐっと下半身に勢いをつけ斜め下の枝に飛び移った。地上まであと二メートル。勢いを殺すためにくるりと宙で一回転して、そうしてロディは地に足を付けた。
    「いってええ……………」
     久しぶりのアクロバットな動きだったので勢いを殺しきれなかったらしい。じんじんとした痺れが足元から全身に伝わってくるのを耐えながら、ロディは上を見上げた。開け放たれた窓からカーテンの裾が揺れている。手袋代わりに伸ばした袖を見ればパイプで擦れたせいか、木の枝を掴んだときか、どっちが原因かはわからないが激しい摩耗と汚れでボロボロになっていた。手のひらをそこから出し、ぐっぱぐっぱと握っては開け動作を確認する。問題はなし。
    「おっし、ピノずらかるぞ」
    「ピィ! ピュル、ピピピピ!」
     ピノが小さなピンクの体であっちに行こうと伝えてくるので、空からなにか見えたんだろうなとロディはあたりを付ける。この状況だから交番だろうか。交番にいけば待ち合わせをしていた友人に連絡をとれるだろうか、と思いつつロディは足早に建物の敷地内から移動した。やはりロディがいたのは空きテナントだらけのほぼ廃ビル。住宅街と言えるこのエリアで異様な空気を放っていて、ヴィランの隠れ家にはうってつけだなあと頬を引くつかせた。
     待ち合わせ相手との集合時間はお昼の十二時だった。西日を浴びながら歩道を歩き、ロディはため息をつく。明らかに夕暮れの空にどうしたもんかと肩を落とす。ピノがぱたぱたとロディの前を飛びせかすようにちらちらとこちらを見ているので、歩くのが遅くなっているのはわかっているのだが、どう謝罪するもんかとロディは眉間に皺をよせる。
     静かな住宅街の道を振り返って追手がいないのを確認しつつ、ロディはピノが曲がった道を続く。死角になっていたそこ。思わず曲がった瞬間にロディは足を止めた。閑静な住宅街に似合わない、物々しい雰囲気がそこに漂っていてロディはぎょっとする。なにせ、人がたくさんいた。歩行者ではない。全員、日本の警官服を着ているのだ。道端に白い屋根のテントが張ってあり、いかにも捜査拠点と言った具合のそれにロディは反射的に顔をしかめる。事件でおあったんだろうか。泥棒か? と思いつつ、ロディは警官がほぼ全員ロディの進行方向を見てこちらに背中を向けていることに違和感を覚える。
     いまだに警官は苦手なのだが、もともと交番に向かおうとしていた身だ。お仕事中なんだろうが、ひとりくらい話を聞いてもらうために拝借したい。そういえば身分証明ができるものもなにも持っていない。電話を借りて職場に電話するしかないか、と警官の塊に足を進めれば、警官でできた垣根の向こう側。こちらに背を向け、道の角からさらに奥の道をにらみつけるようにして見つめているよく知る横顔を見つけた。
    「あ」
     思わず上げた声に、背を向けていた警官たちの視線が一斉にロディに集まった。先に飛んで行ったピノは、警官たちの間をすり抜けロディの視線の先で姿を塀で隠しているんだろう見知った顔の元へ。
     警官たちが呆気にとられたようにロディを見ている。ピノが申し訳ねえな、と思いつつ、ほっとしたのは事実だった。ピノを回収させてもらうという名目で警官たちに頭を一度下げ「スミマセン、スグツレモドシマス」と日本語で言いながらロディはいまにももじゃもじゃ頭に着地しそうになっているピノを後ろから鷲掴んだ。むぎゅ、と手の中でつぶれた声がする。
    「よっ、ヒーローさん。こんなとこでなにしてんだ?」
     今度は口になじむ英語でしゃがみながら向こうをにらみつける背中に話かければ、緑色の背中がこちらを振り向かないまま真剣な声色で答えを返してくれる。
    「今から被害者を救けに行くんだ」
    「被害者って?」
    「僕の友人なんです。僕との待ち合わせ前に誘拐されたらしくて……」
    「名前は? 知ってるやつかもしんねえ」
    「ロディって言うんですけど」
    「ほー、俺を救けに。ありがたいねえ」
     テレビでよく見かけるヒーローの視線の先を追うと、そこには間違いなくロディがついさっきまでいた建物があった。集中していると周りが見えなくなる友人は、どうやらこうやって話しているのも思考の外側の出来事故か脳でいまだに処理されていないらしい。ロディの背中でざわざわと警官たちが騒ぎ出す。英語で何を話しているか理解したらしい警官が「被害者本人では」と話したようだ。そう、本人なんだよ。本人がここにいるっていうのに、ロディの前にしゃがむプロヒーローを職とする友人――緑谷出久ことデクは――こちらに気づくことなく、ロディがすでにいない廃ビルをにらみ続けている。ああ、確かにさっき俺が脱出したルートはこっちからじゃ見えねえな、と肩をすくめ吐き出す息と一緒に笑う。
    「怪我や怖い思いをしてなかったらいいんだけど」
    「安心しろ、どっちもしてねえよ」
    「でもまだロディを直接見なきゃ」
    「見りゃいいじゃねえか」
    「見たいんですけど連絡もつかないし、だから今から救けに、」
    「そりゃスマホとコートと鞄持っていかれたからな」
    「スマホは駅のゴミ箱に捨てられてたんですよ」
    「げ、そのスマホ無事? きたねえのは勘弁だなあ……」
     だんだん面白くなってきて腰に手を当てながらいまだこちらを見ない出久にしゃべりかけ続ける。ロディの手を抜け出たピノは声を出さないままお腹を抱えて笑っていて、ああ、うん、俺も早く笑いたいとピノにうなずく。
    「スマホの機能は普通に大丈夫だったから、衛生的に中身を新品に移行したほうがいいかもねロディ」
    「そうだな、デク」
     そろそろいいかなと名前を呼んでみれば、出久をまとっていた緊張の色がするりとほどけたのがわかった。動きがぴたりととまり、油をさし忘れたブリキ人形のような動きでギギギとこちらを振り返った。元々大きな瞳がロディの姿を捉えたと同時、みるみる見開かれていく。
    「ロロロロ、ロッ、ロ、ロディ!?」
     先ほどまでのぎこちない動きはどこへやら。瞬時に立ち上がった出久が、ロディの肩を勢いよくつかんだ。
    「どっ、どうして!? あそこに捕まってたんじゃあ……!!」
     ひっくりかえった出久の声に、我慢する必要がなくなったため、ロディはこらえていた笑いを盛大にはじけさせる。ピノもピピピピとご機嫌に鳴き始めた。
    「ふふ、はは、自分で抜け出してきたんだよ」
     自身の震える声と肩を落ち着けながらロディはストレートに言ってやる。出久はというとロディの全身をぽんぽんと叩きながら体中を髪の毛の先から靴の先まで確かめていく。
    「どどどうやって!?」
    「え、まあ……」
     出久がロディをロディと認めてから、ロディと出久の背後が騒がしくなっている。ちらりと背後を見やってから、その面々をロディは確認する。ストレートにピッキングだなんて言ったら、警官服に身を包んだ人間たちに別の事情聴取をされる可能性が発生する。視線がロディに集まっているのを自覚すれば、先ほど爆笑していたロディだが、へらりとごまかすように出久に笑いかけるしかない。
    「まあ……色々? 昔取った杵柄っつーか? そのあたりは後でな」
     出久はというと、ロディの発言とその表情でしっかりと察したらしい。きょとんと言葉を聞いていたかと思えば、がっくり肩を落とした。やり辛えなと頬を搔いているロディを見上げるように見つめてから、くすりと口元を緩めた。そのまま一歩ふたりの間にある距離を縮め、白いグローブに包まれた手を広げた。たくましい腕に引き寄せられ、ロディはされるがまま抱きしめられた。ぎゅっと腕に込められる力に、軽く笑ってからロディも出久の背中に手を回す。
    「本当に怪我はない?」
    「拉致られるときに一発頭殴られて気をうしなったけど、それ以外はぜーぜん大丈夫だぜ。腹にも風穴なんて開いてねえ」
    「頭は怖いからちゃんと検査しようね。他に怪我がないのは何よりだけど……ピノも無事でよかった」
    「ピィ!」
     出久の肩口に飛び乗ったピノに笑いかけ、出久はロディの瞳を見る。色の違う視線が絡み合って、一緒にくすくすと笑いあった。
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