焼きマシュマロパーティーする五悠「燃えてる! やべー! 火事だ! 火事んなる!」
慌てて火の玉を、手の中でわたわたと持て余す。長い串を左右に振り回して、ようやく燃えていた塊が鎮火した。
串に刺さっていたマシュマロは、やや焦げて、どろりとスライムのように垂れていた。
串から零れ落ちる前に、急いで悠仁は、焦げ茶色のマシュマロを口に放り込んだ。
「あっつ!」
悠仁はぎゅうっと目をつむって、左手で口を抑える。涙が零れそうで、溢れることはなかった。
ほんと悠仁は見てて飽きないなぁ、と僕は笑い、後の祭りの忠告をした。
「火に近付け過ぎると燃えるよ」
「んむぅ……早く言ってよ~ごじょーせんせー……ベロ火傷したかも」
悠仁が、べっと真っ赤な舌を突き出した。
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