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    neko

    @neko22suki
    ポイピク始めました。
    ジャンル垣根なしの雑多垢です。
    好きなものを好きなだけ。ネタバレありです。
    自衛は各自でお願いします。

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    neko

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    アイとマヒとロ。
    主さんも暇さえあれば懸垂してましたし、アイさんだって暇さえあればどこでも筋トレしてそうだなって…思いまして。
    でも一体どこでしてるんだろう…これ。

    ##アイマヒ

    悪戯の代償 きっかけは思いつきで始めたかわいい悪戯だった。
     偶然その場を通りかけて、珍しくこちらの気配に気づかなかったから。
     そういえば近くの倉庫に誰かの忘れ物だか、おふざけグッズだかがあったな…と思い出しながら足音を忍ばせてマヒアは倉庫に赴く。お目当てのものは段ボールの中にひっそりと仕舞われていた。
    (かわいそうに…。今、日の目を見せてやるからな)
    と、ワクワクしながら元来た道を戻っていく。
     攻守範囲内に足を踏み入れても注意の声も警告の声もがかからなかった。だが、いくらなんでも近づいているのは気づいているだろう。それでも黙々と続けているのは興味がないからなのか、自分が害を加えないと信じているからか。
    (後者だったら嬉しいねぇ)
     そう思いつつ抱えた段ボールから本日のゲストを取り出して、その背に乗せ始めた。
    「…一応訊いてやるが、何している?」
    「腕立て伏せをしているいかつい仲間にお友達を乗せている」
     体幹の全くブレないアイヴスの背にはふわふわの真っ白なウサちゃんのぬいぐるみが動きに合わせて上下に揺れている。次に乗車する客は頭の大きなクマさんだった。頭部の重心が不安定なせいで中々腰を据えてくれない。
    「…おい」
    「まって。話しかけないで。クマさん乗せるのちょっと難しい」
     真剣味を帯びたマヒアの制止にアイヴスは言われるがまま黙る。ただ、腕の運動だけは止めなかった。ようやくクマさんの落ち着く位置が定まったので更なる乗客であるキラキラした生地のユニコーンに手を伸ばす。
    「四つ足だから難易度が跳ね上がるなぁ。アイヴス、ちょっとスピード落として」
    「断る」
     汗みずくになりながらもアイヴスが答える。そんなことを言いつつもちゃんと付き合ってくれる律儀な男だ。現にやろうと思えば振り落とせるはずなのに愛らしいフレンズを落とさないよう身体の平行を保ってくれている。
     人の良さに感心しながらマヒアはユニコーンを乗せることに成功した。
     それから、水色のカエル・ハロウィン向けのキュートなドクロ・ピンクのイルカ・ビックなフクロウなど大きさも形も色もてんでバラバラなぬいぐるみが次々アイヴスの背を彩っていく。マヒアは隣り合う色合いも気にしてコーディネート半分、バランスゲーム半分の気持ちで続けていった。
     背中も徐々に席が埋まっている。一匹も脱落していないことに気をよくして更に増やしてやろうと箱に手を突っ込み掻き回してみるが何も掴めず空振るばかり。横目で中を見ればお客様はもう一人も居なくなっていた。
    「ありゃ、もうなくなっちゃった」
     残念。と呟けば作業中、一言も喋らなかったアイヴスから「おい」と低音が響く。
    (流石に怒るかな)
     素直に怒られ待ちの体勢を整えていると目だけがこちらを向く。その顔は呆れていても怒ってはいなかった。
    「気が済んだか?なら今度は俺に付き合え」
    「ん?」
     そして、まさかの事態が発生した。

    「………」
    「ロハン。言いたいことがあるなら目じゃなくて口で言って」
     冒頭のマヒア同様通りすがったロハンが二人の有様を遠巻きに眺めている。その顔には”関わりたくない”という文字がデカデカと書かれていた。
    「関わりたくないから言いたくない」
    「本心が口から出ちゃってるよ」
     ポロッと漏れ出た言葉にマヒアは堪らずツッコミを入れた。
    「…なにしてるんだ、とも、なんでそうなった、とも面倒すぎて訊きたくない」
    「敢えて訊くのも優しさだと思うよ」
     マヒアは微妙な空気に耐えきれず軽口を叩く。その間、アイヴスは一言も口を挟まなかった。
    「……」
    「訊かないなら勝手に言うけど、現在俺は筋トレの負荷になっています」
     アイヴスの背に重なるようしがみつきながらマヒアは弱った声でそうのたまった。
    「ぬいぐるみじゃ全然重りにならないから乗れって‼︎言うから‼︎」
    「………」
    「同僚に向けていい類いの目じゃないよ‼︎それ‼︎」
     半眼になって見下ろしているロハンにマヒアは悲壮な声を上げた。どんなに大声を張ったところで、アイヴスにしっかりとしがみついている姿では滑稽としか言いようがない。
    「マヒア。頼むから耳元で叫ぶな」
     ひたすら腕を動かしていたアイヴスが荒い息で静かに言えば重りはグッと口を噤まざるを得ない。
    (てか、筋肉の動きめっちゃ分かる‼︎筋肉だけじゃない‼︎息遣いとか‼︎体温とか‼︎いやいや、意識すんな‼︎意識したら負けだコレ‼︎どうでもいいけど成人男性乗っけて普通に腕立て出来るの凄いな⁉︎ゴリラか⁉︎)
     これだけ密着することなんて滅多にない。滅多にないどころか初めてのことだ。ありえない至近距離に居たたまれなさ全開である。
     そんなマヒアの内なる動揺を余所にロハンの方から『パシャリ』という不吉な機械音が聞こえた。
    「え?写真?今、写真撮った⁉︎」
    「じゃぁ、まぁ、頑張れ」
    「ちょっとロハンさん⁉︎なんで写真撮った⁉︎」
    「マヒア、動くな」
    「あ、ごめん。いや、じゃなくて。ロハン‼︎コラ‼︎戻ってこい‼︎この野郎‼︎」
     騒いだところで後の祭り。重りの役目を下りることも出来ずロハンを追うことも叶わずアイヴスの上でうずくまるしかない。
     悪戯の代償とは斯くも重いものだと深く痛感したマヒアであった。
    【END】
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