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    ankounabeuktk

    @ankounabeuktk

    あんこうです。オル相を投げて行く場所

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    なすさんのオールマイトの「消太」呼びについてよ妄想に爆萌えした結果のえろい方。
    でも挿入はない。

    イーブン【オル相】 しょうた、と名前を呼ばれて俺ははっと意識を戻した。
     まだ薄暗がりの部屋の中、尻が痛い。
     見慣れない風景に一瞬自分がどこにいるのかわからなくなり、身と息を潜めたまま本能的に周囲の気配を窺う。
     徹夜からの夜警当番だった。オールマイトがうちに帰って来てよ、と甘えて言ったのを何時に終わるかわかりませんからとはぐらかした。終わった時には疲れと眠気はピークを超えているだろうし恋人としての義務を果たせる自信がなくて。そうかあ、と残念そうに言ったオールマイトはそれ以上食い下がることはなく、俺はすみませんと週末に一緒に過ごせない申し訳なさに頭を下げて寮を出たのだ。
     そして明け方に平和に終わった帰り道、眠気に任せてぼんやり移動していたらオールマイトのマンションの前に立っていた。あんなことを言ったくせにここに帰るんだと刷り込まれていた意識が猛烈に恥ずかしかった。こんな時間にチャイムを鳴らして部屋に入るのは非常識だ。オールマイトは窓から来る俺のために寝室のベランダの窓の鍵をいつも開けている。今日も有難くそこから入ろうと捕縛布を使って真上に駆け上がった。カーテンはレースのものだけが閉じていたが、暗さで中を窺い知ることはできない。窓に手を掛けたら案の定からからと開いた。
     セキュリティが不安になるが、オールマイト曰く部屋全体に生体認証が効いているから本人と俺以外が入った途端発報される仕組みになっているらしい。
     靴を脱いで窓の影に揃え、寝室にそっと忍び込んだ俺はベッドに誰も寝ていないのを確認した。ベッドには人が眠っていた形跡もなければ、シーツは冷え切っている。廊下に出ても家中が暗い。夜だから当たり前といえばそうだが、トイレに行ったというわけでもなさそうだ。とうとう玄関に辿り着いたら靴がなかった。
     つまり、オールマイトはこの家にいないということになる。
     まあ、誘いを断ったのは俺だしな。
     一緒に眠れるかと抱いていた淡い期待がみるみるうちに萎んで行く。しかしもうここから寮に帰るのは億劫だった。
     そうだ。もしオールマイトが帰って来たら驚かせてやろう。
     なんでそんなことを考えたのかわからない。睡眠不足で思考回路が変に繋がっていたに違いない。そう、だから俺はベッドの影に──寝室のドアから死角になる方の──床に寝転んでそのまま秒で寝たんだ。
     状況は把握できた。
     部屋の中は俺が入った時よりは明るかったが、まだしっかりと日が昇っているわけではない。
    「……ああ、消太」
     ぎし、とベッドが軋んでオールマイトの声がした。
     血の気が引く。
     これは、俺を呼ぶヤツじゃない。
     詰めた息が短く不規則に吐き出され、狙っていない官能的な吐息が酸素を求めて吸われる音。その最中に幾度と無く繰り返される俺の名。
     オールマイトが、ベッドの中ですら殆ど呼ばない俺の下の名前だ。
     何をしているのかなんて覗き見しなくてもわかる。
     そして、非常にまずい。
     何故って?俺は寝起きだ。
     何もしなくとも勃ってる。
     いやそもそも聞いちゃいけないものを聞いてしまっている罪悪感がある。それと同時に、この人俺で抜くんだなというある意味の感慨と興奮。
     オールマイトはどこかへ出かけていたんだろう。そしてきっと今し方帰って来て、帰って来た途端抜いてんのか?元気過ぎないか?
     それより俺はいつ出ていけばいいんだ?
     自分で仕掛けたまだ発動しない悪戯に、余りある返り討ちを喰らって俺はベッドの影で頭を抱えた。プライバシーの侵害だからと耳を塞ぐ選択肢だってあるのに俺は必死に息を殺してオールマイトの痴態を耳で味わうことに全神経を集中するのをやめられない。
    「消太……、しょう、た……っ」
     オールマイトの雄の声。俺を抱く時にもそこまで強く発現しないオールマイトの色気が耳から俺を犯す。手を上下する速さやそこに混じる水音は多分先端から滲んだ透明な露の塗り広げられる音。
     想像がつく光景。俺を意地悪く苛んで泣かせて懇願させる、卑怯で狡くて拒めない俺の心を離さない人。
     勝手に元気になっている体の一部が生理現象から本当の欲に変わる。変わらざるを得ない。
     でもオールマイトを真似て自慰に走れば、空気は乱れてきっとここにいることがバレる。そうしたら?
     別に悪いことをしたわけじゃない。俺はいつでもこの部屋に入っていいと家主から許可を得ていて、たまたま尋ねた時に家主が不在で、たまたま家主から見えづらい位置で帰りを待っていたら眠ってしまって、そうして。
     苦しい言い訳を何重にも重ねて、俺は我慢できずにヒーロースーツの上から膨らんだ股間を握った。
     状況が理性を追い込んで腰ががくがく震えるほど気持ちいい。
    「気持ちいいよ、消太」
     オールマイトの頭の中の俺はどんな風にあの人を追い込んでいるのだろう。本物の俺とは似ても似つかぬ痴態を晒しているのだろうか。それはそれでなんだか悔しい。
     それを現実に持ち込まないオールマイトも、求めても拒否しそうな自分も。
    「はぁ、あ、いく、いくよ消太、中に出すよ……ッ!」
     声だけで快感が身体中を走り抜けた。
     何十回とオールマイトに抱かれ、囁かれ刻み込まれた言葉に俺の体は俺の意識より条件反射する。中に出される喜びと、何の準備も整っていないから今飛び出しても挿入の叶わない体が現実の温度差で風邪を引きそうだ。
    「──ッ、く、ぅっ!!」
     緊張と沈黙、そして緩和。
     シンクロする体。ピンと張った足。衝撃と快感を再生しようとする全身。
     止まっていた息がふぁっと吐き出された。
     多分、オールマイトがイった。
     俺はと言えば、直接触ることもできず疼く後ろをいじるわけにもいかず、ただ猛った自身を握りしめて先端を虚しく爪で掻くだけ。じっとりとそこだけ布が湿って、きっと下着の中は涎の大洪水だ。
     いきたくていけなくて、つらい。
     オールマイトの乱れた呼吸が落ち着いて行く。
     そして、気配がふと完全に消えた。
     異常事態に緊張が走る。
     気付かれた?と思う間も無くベッドの上からオールマイトがぬっと顔を突き出して俺を見下ろしていた。
    「…………」
    「なんでそんなところにいるの」
    「……帰って来て、あんたがいなかったので」
    「散歩に行ってたけど。私がいなかったので?」
    「……隠れて、驚かそうとしてるうちに寝ちまって」
    「寝ちまって?」
    「今起きました」
    「報告は正確に」
     綺麗な笑顔の裏の感情に行き着きたくない。
    「……さっき、起きました」
    「つまり?」
    「……おあいこです」
    「何が?」
     俺は体を起こしてさっさとヒーロースーツを脱いだ。
     オールマイトは手出しをせずにベッドの上から俺のストリップショーを眺めている。
    「ケツ洗って来ます」
    「もう一回勃てろって?!」
    「別に勃てなくてもいいですよ。そん時は、あんたの名前呼びながらケツ掻き回してイくまでを見ててくださいね、俊典さん」
     ほぼ二徹の仮眠明け、起き抜けに喰らった弩級の珍事は俺の羞恥心を破壊した。
     完全に夜が終わる。
     何もかもが明るみに出る朝日の中で、オールマイトが俺を呼ぶ。
     こんなにも俺の官能を呼び覚ます四音を、俺は他に知らない。
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    DONEなすさんのオールマイトの「消太」呼びについてよ妄想に爆萌えした結果のえろい方。
    でも挿入はない。
    イーブン【オル相】 しょうた、と名前を呼ばれて俺ははっと意識を戻した。
     まだ薄暗がりの部屋の中、尻が痛い。
     見慣れない風景に一瞬自分がどこにいるのかわからなくなり、身と息を潜めたまま本能的に周囲の気配を窺う。
     徹夜からの夜警当番だった。オールマイトがうちに帰って来てよ、と甘えて言ったのを何時に終わるかわかりませんからとはぐらかした。終わった時には疲れと眠気はピークを超えているだろうし恋人としての義務を果たせる自信がなくて。そうかあ、と残念そうに言ったオールマイトはそれ以上食い下がることはなく、俺はすみませんと週末に一緒に過ごせない申し訳なさに頭を下げて寮を出たのだ。
     そして明け方に平和に終わった帰り道、眠気に任せてぼんやり移動していたらオールマイトのマンションの前に立っていた。あんなことを言ったくせにここに帰るんだと刷り込まれていた意識が猛烈に恥ずかしかった。こんな時間にチャイムを鳴らして部屋に入るのは非常識だ。オールマイトは窓から来る俺のために寝室のベランダの窓の鍵をいつも開けている。今日も有難くそこから入ろうと捕縛布を使って真上に駆け上がった。カーテンはレースのものだけが閉じていたが、暗さで中を窺い知ることはできない。窓に手を掛けたら案の定からからと開いた。
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