結局は似た者同士だねと、笑われた。街灯も何もない、坂を登っていく。
手に持った袋は、足の動きに合わせてがさがさと音を立てる。
去年は、わいわいと皆で話しながら登っていたんだがな。
否、今年は誘ってもいないんだから、いないのは当然か。
苦笑しながら、目の前を見る。
坂の頂上は、もうすぐだった。
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オレが類と別れたのは、進路を本格的に考えなければいけない、高3の秋のことだった。
そう考えると1年も経っていなかったが。それでも、とても幸せだった。
お互い、初恋で。告白も、理想とするような、かっこいい形になんて、できなくて。
それでも、手探りで、愛を伝えて、愛を伝えられて。
キス止まりではあったけれど。それでも、幸せだったんだ。
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