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    甘味。/konpeito

    800文字チャレンジだったりssを投げる場所

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    甘味。/konpeito

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    本日の800文字チャレンジ!ちっちゃくなったリ
    Ⅳエンディング後/幼さに残る面影

    「おいおい、なんでリィンがちっこくなってるんだよ」
     黄昏を終え、女神の至宝から思いがけない追加ステージを与えられたクロウ・アームブラストは、同じベッドのうえでシャツに埋もれ丸くなっているかたまりに頭を痛めていた。あどけない寝顔を晒す彼は、昨日トールズ士官学院リーヴス第Ⅱ分校へ帰ったはずのリィン・シュバルツァーだった。
     そう、リィンとはリーヴスで別れたはずだった。クロウは一度死亡していた存在であるためいまだ不用意に出歩けず、ローゼリアとともに魔女の里と呼ばれるここ、エリンの里に身を寄せていた。
    「なんじゃ、うるさいのう。シュバルツァーなら昨夜遅くにエマから連絡があってな。妾が連れてきた」
     階下にいたはずの魔女の長、ローゼリアがいまだ寝ているリィンの頬をつつく。いつのまに入室したのだろう。考えるより先にむずかるリィンの姿に慌てて魔女の手を掴んだ。
    「へえ、なるほど。いや、なんで俺のベッドに入れんだよ」
    「泣きやんだからじゃが。しかし改めて見てもちんまくなったのう。妾より小さくなっておる」
     かっかっかっ、と笑う彼女には現状がそう逼迫したものに感じないらしい。緊張感のない様に肩の力が抜けた。ローゼリアが言うように、リィンの外見はおよそ青年には見えず、おそらく十歳前後だろう。餅のようなまろい手に、顔つきも明らかに幼い。
    「なに心配要らぬ。イシュメルガと分離した影響で、こやつの身体は一時的に収縮しておるだけじゃ。ここで過ごせばじきに元のサイズへ戻るであろ」
     世話は頼んだぞ、と嵐のように去った魔女の長を見送ると下から視線を感じた。
    「まっかな、め…」
     まあるい瞳に見上げられてたじろぐ。サイズが合わず、肩から落ちかけているシャツをかき合わせて無垢な首元を隠した。
    「あの、ここはどこ……、なのでしょうか」
     不安げに眉尻を下げる幼い姿にリィンのそれが重なる。この子は確かにリィンなのだ。
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    さらさ

    MOURNING遅刻大魔王によるすったもんだクロリンがバレンタインデーにくっついて分校全体に知られるまで。ポイピク練習も兼ねてる舌先の魅惑


    「え、え~!?クロウくんにチョコレートあげてないの!?」

     トワの素っ頓狂な声が、第Ⅱ分校の食堂に響き渡った。七耀歴1208年、2月。もうすぐバレンタインデーだ、食堂やら寮のキッチンを貸し切っての菓子作りに女子生徒たちが浮足立っている。去年の同時期と言えばクロスベル解放作戦当日だ、直接参加した訳ではないとは言えど親しみある教官と生徒が参加するともなればムードもそれどころではなかった。実質、今年が初めてのトールズ第Ⅱ分校バレンタインデーである。男子生徒も一部落ち着かない様子ではあるが、それも今更と言ってしまえばそれまでなのだが。ともあれ、青春では割とお約束のイベントが差し迫ったことを踏まえ、生徒たちの押しに負けて食堂にやってきたリィンなのだが。

    「えっと、俺はクロウとは何もないですしチョコレートもあげてませんよ?」

    という言葉で冒頭に戻る。指し手であるミュゼでさえ予想外だったその回答に、誰もが頭を抱えた。この朴念仁め、は共通の認識であるが故に誰も口には出さないが。

    「で、でもでも!リィン教官はクロウさんのこととても好きですよね!?」

    ここでもユウナから容赦ない一 4406

    さらさ

    SPUR ME12月12日に出す予定の展示品を尻叩きとサンプルを兼ねて一章丸々アップ。こんな感じのクロリンの話が五感分連続していく感じです。シリアスが続きますがハピエン(にしてみせる!)

    ちなみにタイトルは全て「五感に関する部位のことわざ」を当てはめています。変わるかも。
    医者と味噌は古いほどよい リィンは《黒の工房》から救出されて以来、違和感に気付いた。《巨イナル黄昏》より前に感じ取れていた味が、分からなくなっていたのだ。一か月近く食事をしていなかったこともあり気付かなかったが、しばらく食べているうちにようやくその違和感に辿り着いた。原因は分からないが、相克に向かうこの状況で他の心配事を出来ればリィンは作りたくなかった。だから、黙っている事にした。――目に見えて減っている食事量を前に、既に全員が気が付いているだなんて思わないまま。

    「そういうワケでクロウ、よろしく」
    「いや待て、どうしてそうなる」

    セリーヌとデュバリィに足止めさせて始まる新旧Ⅶ組大会議。答えは出ているも同然だったが、それでも認識の擦り合わせが必要だと集まったのだが。驚く程分かりやすいリィンの事だ、擦り合わせる間でもなかったが。それが分かれば押し付ける先は一つしかない。フィーの直球な言葉にクロウは予想もしていなかった為狼狽えた。リィンは無自覚ではあるが彼に甘える。そしてクロウは彼が甘えてくる自覚はあれど甘えさせているという自覚はなかった。何も自分に持ってくることはないだろうに、それがクロウの言い分だがそれに呆れている様子もまた感じ取っている事もあって困っている。
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    さらさ

    DONEクロリンwebオンリーのエア小話より「内容指定無しの更紗が書いたクロリン」です。
    12月に不安定になっちゃうリィンが今年はしっかりしなきゃと思いながらクロウにメールすることから始まるシリアスクロリン。



    ランディが出てくるのは私の趣味です(書き分け難しかったけど楽しかった)
    慣れぬくらいならその腕に ――冬、か。リィンは仕事が一段落した寮のベッドで、バタリと倒れながらそう思う。《黄昏》が終結してから三度目になるその季節に、そろそろ拭えていい筈の不安がまだ心の奥底で突き刺さっていた。

    「流石に通信は女々しいかな」

    流石に三度目ともなれば慣れなくてはならないと、彼は思う。今は異国を巡りながら情報収集やら遊撃士協会の協力者やらで忙しい悪友を、年末には必ず帰ってくる優しい人を心配させない為に。開いたり、閉じたりしてどうも定まらない思考をなんとか纏めようとする。

    「今年は帰ってこなくても大丈夫だって、言おうかな……」

    移動距離だってそんなに短くないのだ、忙しい時間を自分に割かせるには余りにも勿体無さすぎる。そもそも、帰ってくるという表現さえ正しいのかは分からないが。導力メールで今年は帰ってこなくても大丈夫だという旨だけ書いて送信して、そのまま目を閉じる。通信を告げる着信音がやけに遠く感じながら、リィンはそのまま眠りについた。
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