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    yoi__oskt

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    供養や練習、エロを載せる予定です

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    yoi__oskt

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    北さんは治と恋をすることで、それまで知らなかった(理解できなかった)感情の多くに触れるのかなと思ったら……
    北さんが大事なことを見誤りそうになった時はアランくんが正して(導いて?)くれるといいなと……

    いつか書くかもしれないのでメモしておきます。

    #治北
    theNorthOfTheCountry

    いつか終わってしまうなら、せめて自分から終わりにしたいって思って、一度だけ治に別れを告げようとする北さんも居るのかもしれない。

    大好きだから、大切だから、でもそれだけじゃ乗り越えられないこともある。けれど自分から切り出す勇気は持てない。ならいっそ嫌われてしまおうと色々考えるんだけど傍にある幸せを壊すことも、手放すことも簡単じゃない。治が自分の傍から居なくなってしまうことが怖い。そう思うと中々行動には移せない。
    当たり前ってなんやねん、好きになった相手が男だっただけで、なんでこない苦しめられなあかんねん。やり場のない思いがぐるぐる回る。
    結局どれだけ考えても治を手放すことは出来なくて、でもずっとこの思いを抱え続けるのは辛くて。
    誰かに話したい、そう思った時に真っ先に浮かんだのはアランの顔だった。だからシーズンオフの時に都合を付けてもらって会って、抱えている思いを全部吐き出して。
    「それは治のためやないやろ。お前が楽になりたいからなんちゃうか」
    そう言われて、はっとする。
    「そもそも、治がそないなこと言うたんか」
    「言うてへんけど…」
    「お前は一人で何でも背負いすぎやねん。男同士やから色々考えなあかんこともあるんやろうけど、それは俺には分からんことかもしれんけど、治の気持ち無視して突っ走ってええ理由にはならんやろ」
    「……」
    「それに、別れて北が楽になれるとは思えへんけど。別れてからもずっとしんどいままちゃうか」
    「せやけど、俺があいつんこと縛り付けてええ理由やって、ないやんか」
    「好き合うてんのに縛り付けるもなんもないやろ。一方的ちゃうんやから」
    「けど、ええ嫁さん貰うて子供作って、あの店もっと立派にして、そういう当たり前の幸せを築いてって欲しい思うねん。好きやから、大事やから幸せになって欲しいねん」
    「なあ北、それはお前の勝手な妄想やろ?治の思う幸せをお前が勝手に決めたんなや。あいつお前のことむっちゃ好きやねんで?お前かてよう分かっとるやろ。ちゃんと話せえよ。なんで勝手に決めてまうねん」
    「……」
    「ほんまは別れたいなんて思ってへんのやろ、別れたい言う割に死にそうな顔してんで」
    「……俺やって」
    「うん?」
    「俺やって、ほんまは別れたないよ。けど、いつかあいつの負担になってまうんやないか思うと怖いねん。店も軌道に乗ってきて、立派にやっとるあいつんこと放っとくやつなんか、そうそう居らんやんか」
    「そうかもしれんけど、治はお前んこと選んどるわけやし——」
    「それだけならええねん。けどな、常連のおばちゃんらにもええ人居らんの?とか紹介したるとか言われとることも増えてきてん。それ聞く度に苦しなんねん」
    「……」
    「はよ所帯持って親御さん安心させたりとか、治ちゃんの子供はきっとかわええやろなあとか。……どっちも俺には出来へんことや。おばちゃんらが悪い人らやないのは分かっとる。そんだけ気に入られてんのは治の努力が功を成しとる証拠や。喜ばしいことや。けど」
    「けど?」
    「俺じゃあ、周りの言う当たり前の幸せっちゅうやつあげられへんって、嫌でも思い知らされてまうやんか」
    「けどな、きた……」
    「男同士は結婚も出来へんし子供も産めへん。俺と一緒に居ることは、あいつの可能性を殺すことと一緒や。それやったら、あいつの手ぇ離して自由にさした方ええんかなって」
    そこまで言って諦めたように笑うと、アランがはっきりと怒りを顕にした声で言う。
    「当たり前の幸せってなんやねん。周りが言うことより、お前らにとっての幸せが大事なんちゃうんか」
    「……それで片付く簡単な話なら良かったんやけどな」
    「なんでや、お前も治も好き合うてて一緒に居りたいっちゅうのが答えなんやろ。何年も一緒に居ったのに、第三者の一言で揺らぐもんなんか」
    「……」
    「さっきも言うたけど、お前さっきっからずっと死にそうな顔してんねん。真っ青な顔して別れたいて、説得力なんもないねんけど。別れたないなら別れんでええやん」
    「けど、俺が居ることで、治の——」
    「やから!それは治に直接確認したんかって!お前それ、あいつに対してむっちゃ失礼なことしてんで。あいつが一回でもお前にそないな話したことあったんか?」
    「……ない」
    「ほなお前は周りに何言われても治んこと信じたったらええやないか。あいつやって同性同士で付き合うってのがどういうことなんか分かっててお前と付き合うてんねやろ」
    「……おん」
    「好きは好きでええねん、お前なんも悪ないやんか」
    好きは好きでいい。言われて、初めてユニフォームを貰った日の帰りを思い出す。あの時も色々と言葉を並べる俺に我慢できんくなって、嬉しいは嬉しいでええねんって言うてきたんやったな。
    でも、やっぱり好きだけじゃ解決出来ないことは沢山ある。自分たちはどんなに愛し合っていても結婚は出来ないし、愛する人の子供が欲しい、そう思って身体を重ねて胎内に子種を撒いても、子供が出来ることは無い。
    それでも治は、北さんが居れば幸せですって、本当に幸せそうな顔して笑ってくれる。自分のことばかりで見えていなかったけれど、治は所帯でも子供でもなくて、「俺」を欲してくれていた。
    観察力には長けているつもりだったのに、自分の大事なものは見失っていた。危うく全てを壊すところだったと気がついて、そうならなかったことに安堵する。
    張り詰めていた空気が僅かに和らいで、北が口を開こうとした時、北のスマホの着信が鳴った。液晶の向こうからは焦りに塗れた不安気な声が聞こえて、申し訳なさが込み上げる。
    そろそろ帰る、心配かけてすまん、そう言って電話を切ると、会話を聞いていたアランが呆れたように言った。
    「お前、治になんも言わんでここ来たん?」
    「や、言うてきたけど…こない遅なるっては言うてへんかった」
    「はあ〜……お前なあ……俺が治に怒られんねんで、あいつ俺には容赦ないねんから」
    「すまん、治には俺から言うとくから」
    「いやええけど。それよりも話さなあかんことしっかり話しいや」
    「……分かっとる」
    「自分の気持ち伝えて、治の気持ちもちゃんと聞くんやで」
    「うん」
    「ええか北、好きは好きでええねん。周りが何言うたってお前らの気持ちが一番大事なんやからな」
    「せやな、ありがとう」
    アランと別れて家に帰ると、玄関先で待っていた治にぎゅうっと抱き締められる。
    「なかなか帰ってこんしメッセージも既読つかんから心配しました」
    「すまん、ちょっと話し込んどって」
    「いえ、無事に帰ってきてくれて良かったです。楽しかった?」
    北も治の身体をぎゅう、と強く抱き返す。
    「楽しかったよ。背中も押してもろて、今ならなんも怖ないわ」
    「?」
    きょとんとする治をますます強く抱き締めて、首元に顔を埋める。
    「後で、俺の話聞いてくれるか」

    その夜、それまで隠していた思いの丈を打ち明けた北さんは当然治に怒られるんだけど、治が紡いだ言葉は全部北さんが欲しかった言葉だった。
    その晩は治とたくさん話をして、蟠りを優しく解いてもらって、自信を付けてもらった。
    好きは好きでいい、アランくんに言われたことを治に伝えると、「これは今度サービスせなあきませんね。あらんくんかっこええわ」そう言って微笑んだ。その目には少し涙が滲んでいた。

    それから少しして、二人は常連さんや農協関係等、仕事に関わる人達に向けて自分たちの関係性を公表する。(家族や元チームメイトはすでに知っているものとする)



    って話も読みたい…………けど何も考えずにひたすら甘い時間も過ごして欲しい………
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