はじめましてこんにちは「はあ……」
応接室の前でドクターは密やかに溜め息を吐く。戦友である他のドクターを招いて行われた情報共有会は和やかに恙なく終わったが、目当ての手がかりは収集出来ずドクターは少し肩を落とした。
「あとは手がかり5だけどなかなか手に入らないなぁ……まあ、こればっかりは時の運だよねぇ」
今回の情報共有会でも収穫が無く、さてこれからどうしたものかと思案するドクターの足元をなにか黒いものがさっと視界を掠めていく。
「なんか今居たような……?」
見間違いか、と結論づけて応接室の扉を閉めたドクターの足元から可愛らしい声が聞こえた。
「みん!」
「ん?」
ふと足元を見るとふわふわの毛玉……もとい、ふわふわな毛並みの猫がお行儀よくお座りをしてドクターを見つめていた。
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