外伝:ウィリアムとユリアンウィリアム「君は少し…私の友人に似ているよ。
ユリアン「へぇ~友達いたんすね?」
ウィリアム「あぁ、物好きで陽気な奴だった。
みんなから愛されていたよ。
それなのに、早くに亡くなってしまった。
彼の葬式では、彼の死を悼んでみんな泣いていたよ。
特に彼の孫…。
彼に似て陽気で元気な子だったんだが、あの日ばかりは泣き叫んでいたよ。
あれにはさすがに胸を締め付けられた。」
ユリアン「そりゃ、きっついわ…」
ウィリアム「……私は死神なのかもしれないな。」
ユリアン「…はい?」
ウィリアム「私は人間の屑だ。
それなのに、友人も、妻も娘も、娘婿も善人ばかり…。
そしてみんな私よりも先に死んだ。
みんな…私のせいなんじゃないか…?
私のような人間が、身の丈にあわない人々を求めたから…。
神が私を罰しているんじゃないか…?」
ユリアン「考えすぎですって、ウィリアムさん!」
ウィリアム「怖いんだ…!
次は孫なんじゃないか…?
あの子はとても優しい子だ…。
あの子は誰よりも幸せに生きる資格がある、それなのに…!」
ユリアン「ウィリアム!」
ウィリアム「!」
ユリアン「あんたは屑じゃない。
そりゃあ…最初は俺もあんたをクソジジィって思ったけど…。
でも、今は違うって断言できる。
あんたも、あんたの大切な人達と同じくらい善良だよ。
あんたの大切な人達があんたから離れていかなかったのが何よりの証拠だろ。
あんたは死神なんかじゃない。」
ウィリアム「取り乱してすまない…。」
ユリアン「いいえ。
…俺もあんたと同じ境遇なら取り乱すさ。
それでもあんたはちゃんと孫を支えてる、立派だよ。」
ウィリアムズ「ありがとう…ユリアン。
次のお迎えは君かもな?」
ユリアン「だからそれやめろって!!!!!」