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    holic_comic

    @holic_comic

    くりんばとにゃんちょぎ文章を書きます。
    ヘッダーのクマ帽子はまうさん(@Yamauba53)。
    編み伽羅さんはすずさん(@55setouti55)。
    アイコンはうさぎ帝国。
    くりんばが好き。特にDKが好き。
    にゃんちょぎとみつくりとおてたぬとくにちょぎも好きです。
    雑食。成人済腐

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    holic_comic

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    社会人パロの伯仲です。ふたりは仲良しです。
    互いに竜と猫に由来のある恋人がそれぞれいます。

    長義くんはこっそり甘党という設定です。

    右手の味、左手の興味「長義、おやつもらった。食うよな」
     食べるとも食べないとも言わないうちに、国広が机の端に透明の小さな袋を置いた。ちらりと見上げると国広の手にも似たような袋がある。
     施しを受けるつもりはないが(施しって何なんだ、と、国広の呆れ声は無視する)、半分こなら願ったりだ。ーーが。
    「どうして俺に選択肢はないのかな? 国広が持ってるの、何味?」
    「あんた……ときどきびっくりするくらい図々しいな」
    「もし俺が両手にからあげくんを持っていて、問答無用に右手のからあげくんをお前に渡したら『左手のからあげくんも見せろ』ってならないか?」
    「なります」
     よし。
     素直に差し出した国広の手から菓子をつまむ。何かと思えば金平糖らしい。ああ、あの、有名なやつ。でも、食べたことない。
     どこでもらってきたの? 国広と菓子があまり結びつかないなと疑問に感じつつ手元をひっくり返して、小さく書かれたフレーバーを読む。
    「塩……。塩!? 塩味の金平糖!? 不可っ」
    「だろう……。だから、あんたにそっちを渡したんだ……」
     先に国広がくれたほうをひっくり返す。
    「和三盆……。優だよ……」
    「……」
     国広は薄べったい目で見ているけれど、気にしない。 
    「砂糖と塩でここまで差が……」
    「砂糖じゃないよ!? 和三盆だよ!? 和! 三! 盆!」
    「はいはい」
     ため息交じりに国広は袋を開ける。一般的な金平糖より大きな欠片をひとつ口に入れて、
    「ふーん……」
    と、呟く。そういえば塩味の金平糖ってどんなんだろう。食べたことない。甘いのだろうか。それとも、塩辛い?
    「……長義……。そんなに見られると食いにくいんだが……」
    「だって」
     気になるだろ。
     長義は机の隅にあるペーパータオルを一枚引き抜いた。そしてそこに、和三盆の金平糖をざらざらと広げる。定時まであと二時間ほどだけれど、今日は残業決定なので、糖分補給にちょうどいい。
     欠片をひとつつまんで、長義も口に入れる。
    「んー、甘い。おいしい。これは、いいな」
    「へえ……。人が食ってると、気になるな」
    「だろう。シェアしようよ、シェア」
    「ん」
     国広があっさりうなずいたので、長義はもう一枚ペーパータオルを取り出そうと手を伸ば……すより一瞬だけ早く、国広は和三盆の金平糖の上に自身の手にある金平糖をざらざらと加えた。
    「あーっ! ばか! 国広、何してんのっ」
    「え? シェアするんだろ」
    「ちがっ、おま、和三盆に塩味混ぜるなっ!」
    「えー……。食えば味が違うのわかるし、いいんじゃないのか……」
    「よくないだろ、味が混ざる! 砂糖と、塩だぞ!?」
    「あんたさっき砂糖じゃないって言……」
    「そういう問題じゃない!」

    end

    (2022.02.20)
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    holic_comic

    MOURNING社会人パロです。長義くんと国広くんはメーカーのシステム部に所属しています。

    長義くん…本社から出向している社員
    国広くん…支社採用の社員
    清麿さん…本社での長義くんの同僚

    長義くんは国広くんより二年先輩やけど、システム部に配属されたのは同時なので「同僚」のような関係で仲良しなのです。

    ここまで書いて、「前もやったな」と、思ったのでお蔵入り。
    国広は長義の何なんだ(南泉談)
    長義の同僚「――えっ。清麿が来てるのか」
    「何。誰」
     もうすぐ終業というタイミングで、長義が自身のスマホを見て珍しく声をあげた。そしてお約束の「寝そべる姿勢」から身を起こして、スマホの画面に向かって親指を動かす。
     誰って? きよまろ? 知り合い?
    「うん。同期なんだけど、出張でこっちに来てるから寄るって、……もう、いつも急なんだから……」
    「へえ……。長義の同期……。なんでわざわざ連絡を?」
    「だから、出張でこっちに来たんだって」
    「飯食いに行くのか?」
    「そうだねえ……。せっかくだし、行けたらいいかな……」
    「なんで? そいつ、長義に何の話があるんだ?」
    「さあ……? 行けばわかるんじゃない?」
    「おかしいだろそんな急にあんたに話があるとか!」
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    holic_comic

    DONEバレンタインのにゃんちょぎを彷彿とさせる伯仲です。

    社会人パロです。

    ・長義くんと国広くんは同僚
    ・南泉くんは定期的に集荷にやってくる宅配業者
    ・国広くんには中距離恋愛中の彼氏がいます
    ・国広くんはちゃんとチョコレートを用意しているのかは謎。してなさそうこの子

    会話しているだけのバレンタインですが、よろしければお付き合いください!
    chocolate? 南泉が集荷に来る曜日と時間帯ははいつも決まっていて、けれど集荷エリアでチェックをしたら、よほどのことがない限りこちらには来ない。たとえすぐそこに、愛しい恋人氏が寝そべるみたいな妙な姿勢でパソコンを睨みつけていても、だ。
     業務中だから当たり前といえば当たり前なんだけど、どうしてここからやんごとない関係に発展できたのかは、国広は謎で仕方がない。
     そんな月曜の午後、珍しく南泉がふらりと国広の座る島までやってきた。――残念ながら長義は経理部との打ち合わせに行って、いない。
    「よお。長義、いねえよな」
    「――ああ」国広は壁の時計をちらりと見上げて答えた。「あと三十分くらいはかかると思うぞ」
    「ふうん」
     南泉はどうでもいいみたいに返事をして、それから、ことりと長義のデスクに缶入りの飲み物を置いた。スリムなタイプの缶は、こげ茶色のフォルムをしている。
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