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    masu_en

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    masu_en

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    第58回ワンライお題「クリスマス」でたぶん2hくらい…
    セトウシミが好きなのでそういうかんじの燐ひめの駄弁りが見たくて書きましたメリクリ(遅刻)🎅🎁🎄🎉

    ##燐ひめ

    酒は来ませり! クリスマスは好きではない。
     キリスト教由来のこの行事はどうしても嫌いな男の顔がよぎるし、街ゆく人々がどことなく浮かれた空気を纏っているのも、なんだか落ち着かなくて身の置き所に困るというか。
    「よ〜お、メリクリイブ〜」
    「……どうも」
    「あなただけですか」
    「お〜、そう。燐音くんだけ。ひとり寂しく飲んでたァ」
    「もう出来上がってるじゃないですか」
    「だァってメルメル遅せェんだもん〜」
    「椎名と桜河は」
    「あ〜、ニキは正月の料理番組の収録。こはくちゃんはドラマのロケで今日から小樽」
    「そう、でしたか……」
     最初の年に天城の召集により始まったこの集まりは毎年だらだらと続き、今や恒例行事となりつつある(別段集まって何をするでもなく、仕事の愚痴や世のカップル達への呪詛を吐き散らかすだけの会ではあるが)。もしかしたら久しぶりにメンバー全員が揃うかも、とすこしだけ期待したのだが、空振りだったらしい。椎名も桜河も忙しくしているようで何よりだ。
    「残念です」
    「だなァ」
     イブの夜になんの予定も入っていないうだつの上がらないアイドルがふたり。とはいえHiMERUはつい先程某クイズ番組の大型特番の収録を終えてきたところだし、天城だって今日はCM撮影が三本あるとか言っていたはずだ。自分たちも決して暇なわけではない。たまたま夜が空いていただけで。
    「──桜河、お土産買ってきてくれるでしょうか」
    「小樽のォ? 何がいいの」
    「蟹」
    「蟹かァ〜〜いいなァ〜〜」
    「皆で行けたら、とも思いますが……プライベートでは難しいですね」
     グラスを手に取っておもむろに横を見れば──天城がにまにまと嫌〜なかんじで笑っていた。
    「……なんですか」
    「いやァ? メルメルも随分素直になったなァって」
    「うるさいですよ、はい乾杯」
    「カンパァ〜イ♪」
     『Crazy:B』結成したてはコーラだった乾杯ドリンクは、数年が経ちコークハイになった。ようやく全員がアルコールを嗜める年齢になったものの、最近はユニット単位ではない個人の仕事も増えており、四人揃って飲む機会は未だ得られずじまいだ。
    「クリスマスのさァ」
     天城がつまみのナッツを俺のぶんまで口に放り込みながら話しだした。
    「『シューワッキーマッセーリー』ってあるじゃん。なんの呪文だよって思わなかった?」
    「はい?」
     “思わなかった?”って……俺は現在進行形で思っているが。
     わからんという顔をした俺に、天城はその呪文を歌って聞かせた。シューワッキーマッセーリー、シューワッキーマッセーリー、シューワーシュワーアキマーセーリー。
    「知ってる。けどなんでしたっけそれ」
    「そう言われるとォ……なんだっけ?」
    「ええと……曲名が……出そうで……」
    「マジ? メルメルがんばれ」
    「今このへんまで……胃の辺りまで来てます」
    「ぎゃはは! ふざけンなまだまだじゃねェか!」
    「なんか気持ち悪いのですが、思い出せなくて」
    「わかる」
     試しに頭から歌ってみることにした。いつの間にかコークハイのグラスは空になっている。
    「ふんふーふふ〜ふふーふーふ〜」
    「あァ〜そうそれそれ! んえ〜っと……シュワ〜……」
    「シュ……ふふふ……」
    「ンン〜ダメだわ。シュワシュワのビールもう一杯いったら出そうなんだけどなァ」
    「んっふふ、それ絶対嘘」
    「嘘じゃねェって。おかわりおかわり〜っと……おまえも同じのでいい?」
    「ああ、はい」
     一緒に酒を飲むようになって気がついたことがある。こんな時でも天城は周りをよく見ていて、気の利く男なのだ。副所長がお偉いさんの接待に何かとこいつを呼びたがるのも、そういう理由なのだろう。
     新しいジョッキの中身を三口ほど飲んだところで、天城が「あ」と声を上げた。
    「もーろーびとー……?」
    「……ああ」
    「これじゃね? もーろーびとーこぞーりーてー」
    「それです。でかした天城」
    「わは、これで眠れねェ夜を過ごさなくて良くなったっしょ。俺っちに感謝しやがれ」
    「はいはい、天城に乾杯」
    「カンパァ〜イ」
     本日二度目の盃を交わし、なんてことない俺達の聖夜は更けてゆく。疑問が解消してすっきりしたことだし、今宵は枕を高くして眠れそうだ。
    「……お、日付変わってンぜ」
    「本当ですか」
    「うん。メリクリ〜」
    「メリクリ……じゃなくて。メリークリスマス、なのです。……ちょっと天城、引っ張られたじゃないですか」
    「いいンじゃね? ほら、『ラフに話すHiMERUくん新鮮♡』だってよ。コメントありがとなァ」
    「──というわけで、ゲリラ配信にもかかわらずたくさんのご視聴ありがとうございました。皆さんと聖夜を過ごせて楽しかったのですよ」
    「おう。おめェら早く寝ろよ〜? いい子にしてねェとサンタさん来ねェっしょ! お相手は『Crazy:B』の天城燐音と」
    「同じく『Crazy:B』のHiMERUでした。よいクリスマスを」



     天城の思いつきで始めた配信はなかなかに盛況だった。夜中まで付き合ってくれたファンへのプレゼントになったなら、まあやった甲斐があったのではないかと思う。こいつにしては悪くないアイディアだったと言えよう。
    「はいお疲れさん。お仕事は終わり〜。こっからは恋人達の時間〜ってことでェ」
     腰に回された腕に力が籠り、ぐいと引き寄せられる。ソファに座ったままで身体がぴたりと密着した。
    「……酒臭い」
    「おめェもな」
     くくっと喉を鳴らして笑った天城の、白い肌にほんのり赤みがさした顔が迫る。この瞬間からは俺が、この男を独占できるのだ。
     クリスマスに特別な愛着のない俺でも、今ふたりきりで同じ時間を過ごせることは、なんとなく嬉しい。ああ俺もそれなりに浮かれていたのだな、と思い知る。こんな言い方は好かないけれど、たまたま二人揃ってイブの夜が空いていたのは、『シュワキマセリ』と讃えられている存在の思し召し……とかなのだろうか。
    「──ちゃんと、思い出に残る夜にしてくださいね?」
     唇が触れる直前にこっそりと呟けば、彼は「喜んで」と碧い目を細めた。

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    masu_en

    MOURNING2022年3月発行『キヲスクアーカイブ2』のBOOST御礼ペーパーだったものです。これもHiMERU(兄)の名を要だと思って書いています。『スカウト!白虎舞』の燐音×『スカウト!ロマンチック?デイト』のHiMERUの謎パロ。すこし大人向けの表現があります。
    BOOSTしてくださった方、改めましてありがとうございました。
    【再録】セクシービューティな隣国の王子さまは俺っちのことが嫌いらしい【白虎×ロマデ】 その男は、北国出身の俺が見ても驚くほどの透き通った肌をしていた。



    「──不法入国者というのはあなたですか」
    「ええまァあんたらが話聞いてくんねェからそういうことになってますけどォ」
     大理石の床に跪かされた俺は、首だけを動かして階段の上の玉座──またそこに超然と座す男──を見上げた。
     彼のためだけに誂られた豪奢な衣装には色とりどりの宝石が散りばめられており、細かな刺繍が施された深紅のサッシュに至っては派手すぎて目がチカチカしてくるほど。しかし何よりも俺の目を奪うのは、煌びやかな装飾に包まれてもなお内側から発光するかのように存在感を放つ、彼自身の持つ美しさだった。
     唇を舐める。左右から押さえつけてくる屈強な兵士たちが睨みを利かせている。ろくに身動きが取れない。
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    tsukumoans

    TRAINING小話。ただ書きたかっただけ。801☆(今の時代でも伝わるのか?)

    ※以下言い訳(読まなくていい)
    書きかけが現時点で2本あり、燐ひめなんか書きたいんよ……ってnote開いたら\書きかけあるよ!/って主張されるから全然他が手付かない状況なう。燐ひめなんか書きたいちょっと健全なやつ。ドのつくエチしか書いてない。進まない。終わらない。ぴえん。
    ※ナチュラルに同棲
    (リビングのソファとかかなぁ)(ざっくり)


    「なァ、メルメル〜」
    「なんですか?」
    「今日一緒に寝よ?」
    「…嫌ですけど」
    「なんで?」
    「なんでとは?」
    「別にエッチしよって言ってるわけじゃねぇし、いいじゃん?」
    「ばっ!…黙るか死ぬかしてくれません?」
    「メルメルそればっかり!酷い!」
    「はぁ…」
    「なァ〜、たまには頑張ってる燐音くん甘やかしてくンね〜?」

    上目遣いでねだってくる。俺がこの顔に弱い事を知っていてやってくるからタチが悪い。

    「……。」
    「ダメ?」
    「……添い寝ですからね?」
    「やったー!メルメル愛してる!」
    「…安いセリフだな」

    ガバッと抱きつかれ、頬を少し赤らめながら言うセリフでは無い。それでも恋人を甘やかしている自分を誤魔化したくて、自分もしたいと思ってるなんて思われたくなくて、つい口に出してしまった言葉は戻らない。
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