カルナさんがわし様に賠償金を支払う話「おまえがわし様に贈り物とは珍しいではないか」
ドゥリーヨダナの言葉にカルナは珍しく視線を落とした。
召喚されてまだ間もないというのにドゥリーヨダナの部屋は優美な家具で溢れている。
そのひとつのカウチソファに腰を下ろしているドゥリーヨダナにカルナは包みを差し出した。
「マスターに帯を贈ったと聞いた」
「ふむ」
カルナらしくない華やかな包装を開いたドゥリーヨダナは出てきた帯を広げて眉をしかめる。
「…カルナ。おまえ、これをどう注文した?」
「おまえに贈ると」
「それだけか?」
「他は必要ではあるまい」
「ばっかもーん!! 必要ありありだ!!」
急に立ち上がったドゥリーヨダナにカルナは視線を上げた。花のような瞳と目が合う。
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