ライハルでdom/sub(collarの話)【この話の設定内での話】
・マヤとエリナはパートナー
・タツミ先輩はdom設定(現時点ではフリー)
・展開上タツミ先輩が少し貧乏くじ的ですが、タツミ先輩とハルマの関係は良好です
・"ハルマ君はお返しがしたい"の話が出てきます。《ハルマ→ライトへ、イヤーカフの贈り物をしている》ということだけわかっていれば問題ありませんです。
以上がわかっていればOKです🙆
ライトとハルマのこととか、パロ元のdom/subの話は長くなるので割愛✂️
✥✥✥✥✥✥✥✥✥
プツンと、それは急に起きた。
ちゃりんと音がして。
「…?」
ネックレスが、ない
まさかと思って足元を探す。
幸い目的のものはすぐ見つかった。無くさずにすんで良かった、が。ネックレスのチェーンが切れてしまったようだ。
新しいものに付け替えればすぐに直せそうではある。
何故か妙な不安を覚えた。
…どうして?
いつもしていたものが無くなったから?
でも。それだけだ。パートナーそのものが破綻したわけでもない。
ミカドやライトとやり取りしていた間は色々あったとはいえ、学園にいて他のdomに脅かされた事は特に無かった。だから本当に、大丈夫なはずなのに。
どんどん不安になる。
今、他のdomに会ってはいけないような。会ったらどうしよう、とか、会ったら自分はどうなるんだろうとか。
とにかく…一人はだめだ…。
部室に…マヤとエリナのところに行こう。
「マヤ、エリナ!」
今日は運悪く二人はまだいなかった。仕方なく戻ることにする。
(まだ教室棟にいるのか?)
足早に戻ったところで。
「…波瀬浦?」
「!」
声をかけられた。
この感じは…ド…
(あ…)
思わず座りこんでしまった。
見知らぬdomなんかじゃない。知っている奴だ。
声をかけてきたのは雷堂タツミという、一つ学年は上の先輩だ。別に毛嫌いする訳じゃないが…普段は何というか…圧が強いので、何となく苦手な奴だった。(とはいえ、何だかんだいい奴ではある。)
そういう意味ではライトに近い、といってもいい。こいつもまあ…俺なんかに構う、いわゆるどうかしてる奴の部類だ。
だけど。
「ど、どうした!? すまない、大丈夫か?」
「…や…っ」
手を貸そうとしてくれたが、思わず手を振り払ってしまった。
「あ……」
「…どうした?」
「……悪い…今はちょっとなんか……」
怖い、と思ってしまった。
タツミは気を遣ったのか、なるべく距離を保って話しかけてくれる。
「そ…そうか。スマン。マヤ君とエリナ君だったか、二人は一緒じゃないのか?」
「いや。ただ、部室にはいなくて…探してた…」
「なるほど。連絡はとれそうか?」
あ。慌てていたのですっかり忘れてしまっていた。
スマホ…は、持っている。
連絡はすぐにとれた。
───────
「ハルマ!何かあったの?!」
「大丈夫?」
「っ…!」
「…ハルマ?」
声をかけてきたエリナにすら、驚いてしまった。
…いつもは平気なのに。
「…ハルマ、ネックレスは?…ひょっとして無くした?」
「いや…ここにある」
「そっか、よかった。マヤ、ハルマをお願い。天竜君、呼んでくる。」
「任して。おいで~ハルマ」
「何しょそれ…」
「え~?そこはノって来てよ~」
俺は猫かなんかなのか?
まあマヤはsub同士だし…なにより、いつも一緒にいる仲だ。別に何ともない。
遠慮なく側に来てもらう。(というか腰が抜けてしまっているので立てない)
「雷堂、アンタは私と一緒に来て」
「う、うむ。わかった!」
・・・・・
ライトが来てからは微妙に大変だった。
血相変えて来ただけでなく、勢いよく抱きしめられて。背中をさすられたり頭撫でられたり…。嬉しいけど今はちょっと…。
とりあえず、落ち着くのにそう時間はかからず。
事情を説明したいし…とにかく落ち着いてもらおう。
「…もう大丈夫だから。落ち着いたっしょ。だからお前も落ち着けよ…」
「う…うむ」
原因はまあこれだろう。
でもcollarが外れただけであんなに不安になるものなのか?
というか、外す事だって日常生活では普通にしているし…。
でも実際、体験したんだから。
そうなんだろう。
「…ネックレスのチェーンが外れたみたいで…。その、悪かった」
「何で謝るんだ?……でも、話してくれてありがとう」
「ん…」
「早めに直しに行こう。でもそれまでは…」
「?」
「…これでどうだろうか」
そう言って自分の耳に添えた後、こちらに向けて着けてくれたのは。
「…!」
これは…。
以前俺がライトに渡した物か?
両耳に着けるタイプなのでその片方だ。
後から知った事だが、アクセサリーを誰かに渡す行為には意味が込められているらしく。意味を知った時は穴があったら入りたいというか…とにかく恥ずかしいことこの上なく。
このイヤリング…もとい、イヤーカフの意味は。
「…っ」
「何も着けていないよりは安心かと…思って…。ハルマ?」
「な……んでもねぇっしょ…」
こいつはひょっとして…アクセサリーの意味を知っていたり、するんだろうか。
知っていたとして、これを付けてくれたのなら。
…うん、嬉しい…かな。
ネックレスが元に戻ったらこれは返してしまうけど…それまでは。
(了)
───────タツミ先輩とハルマが仲よさげ?なので気になっているライト君に朗報です?
(タツミ先輩とハルマの関係、部長同士だしそれなりに仲がいいのを見たライト君は気になっている、という話)
→
「天竜」
「…はい?」
「余計な世話かもしれんが…」
(波瀬浦のあの顔は多分お前の前でだけだと思うぞ…)
「…!そっ…そうですか?」
「気付いていなかったのか?」
「えっ」
「えっ」
―――――――――
ライトの前でしか見せない表情をするハルマはいます。たまにライトがかわいいなと思っているまさにその瞬間がそれなのですが、ご本人は気づいていません。ハルマもいつもと違う顔をしているなんてこれっぽっちも思っていないです。
無自覚(ライト)と無意識(ハルマ)がお互い何となく感じ取っているだけなのです。とにかく周りが毎回砂を吐くハメになっています(笑)
あとがきcollarの不備で不安になるのは以前のトラウマも原因の一つです。
今回、イヤーカフは一時的に片方ハルマに付けますが、お互いに付けようとはしません。
ハルマも自分があげたものなのでライトの耳に付いてて欲しいと思っています。
ライトはハルマが付けたいって言ったらくれるけど、ハルマにはcollarを付けて貰っているので満足な模様。
というのも、お揃い付けよ!って風にはこのシリーズではしなかったので(笑)
後日、迷惑をかけたお詫びという名目でキャンディの詰め合わせをタツミ先輩に渡すハルマ君がいます(笑)
フィフスソードもそこそこ部員いたから全員分はさすがに買えないだろうけど(笑)
一時的にフィフスソードでも棒付きキャンディが流行るので、どうした?ってなるw
迷惑かけたからちょっと行ってくるってなって、なら何か持って行ったらいいんじゃないか?という話になり、
で、ハルマ君やっぱりキャンディ推しちゃいますし、ライトもゴーサイン出します。(ライトはキャンディ肯定派(笑))
否定されなかったハルマ君、ちょっと嬉しかったりする。