ヤング・クロウリー ~始まりの物語~ 第5話「招かれざる者」 城で、姫の誕生を祝うパーティが開かれる。
その知らせは人間の国中を駆け巡り、隣国にまで伝わった。
国中の選ばれた客へと招待状が送られ、隣国の王家にも使節が走った。宴は国を上げての盛大なものになると、お触れが出され、城の使用人たちは準備でてんてこ舞いになった。
そして姫の誕生パーティの当日。
城の大広間は大勢の招待客であふれかえっていた。
客たちを見下ろす段の上には王と王妃の玉座が設けられ、その隣には隣国からの使者の席も用意された。
主催である王が宴の始まりを宣言し、隣国の使者が長ったらしいお祝いを述べ、次に国内の有力者がお追従をたらたらと垂れ流し……。お祝いの乾杯の前の長い「儀式」に皆がうんざりした頃に、広間に文字通り飛び込んできた者があった。
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