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    そいそい

    @soi_07

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    そいそい

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    シマカゼくん誕生日おめでとうSS(シマヤマバージョン)
    シマカゼくん誕生日カウントダウンもくりで、シマヤマを浴びすぎて思いついたやつです。
    今回は横書きのほうが読みやすいかなと思いまして、こちらであっぷさせてもらいました。
    いつもの如く、ヤマカサくんが一人でドギマギしてます。

    けいどの違いそれを知ったのはたまたまだった。シンカリオンの戦闘に役立てばと、運転士たちの身長や体重、特技など、様々なデータを眺めているときにたまたま目に入ったのだ。
    シンたちのデータを一通り見終わって、最後はシマカゼのデータだった。僕と同い年の運転士。空手をやっていて、戦闘センスは抜群だ。周りもよく見えていて、作戦も立てられる。僕も一目置いていた。そんな彼の誕生日が何故だか目に留まったのだ。3月21日。早生まれなんだな。
    他の運転士たちのデータにも誕生日はあった。でも、気にもとめなかった。しかし、何故だかシマカゼの誕生日だけ目に入ってきたのだ。流石の僕も6人分のデータを見て、疲れてきたのかもしれない。今日はこれくらいにしようと、超進化研究所で借りていたパソコンの電源を切った。
    それから、手帳やカレンダーにメモをしたわけでもないのに、妙にシマカゼの誕生日が頭に残っていた。意識しすぎているからかもしれない。しかし、その3月21日は刻一刻と迫っていた。せっかくだから誕生日プレゼントでも準備するかと思ったが、他の運転士たちにすらあげたことがないのでやめることにした。せめて同い年のよしみで、一番最初におめでとうとメッセージを送ってやろうと思った。
    そして、迎えた誕生日前日。その日は妙にソワソワした。いつも寝るのは10時である。一番最初におめでとうと言うのならば、あと2時間は起きていなければならない。きっと本でも読んでいれば起きていられるだろう。
    しかし、そこからの時間は長かった。何をしていても落ち着かない。なんてメッセージを送ったらいいかわからなくて、何度も打っては消した。そもそも僕が一番にメッセージを送ってきたら変じゃないかと思うようになってきた。雑念を払拭すべく、スマートフォンの画面を下向きにして机に置いた。本でも読むかと読みかけの文庫本を開く。いつもの如く文字を追うが、全く頭に入ってこない。少し身体でも動かすかと腕立てでも始めてみる。しかし、こんな夜中にシマカゼを意識しすぎて筋トレをしているという事実に、腹が立ってきてやめた。いっそ勉強でもしようと、ランドセルから算数のドリルを取り出す。無理矢理違うことを考えていれば、きっと時間はすぐに過ぎるだろう。そして僕は黙々と数式を解き始めた。

    ♢♢♢

    ブーブーと何かが振動している。一定のリズムというわけではなく、不規則なそれに不快感が増していく。僕のスマートフォンのアラームはこんなものだっただろうか。いや、そもそも僕は目覚まし時計を使っている。ならば何故スマートフォンが鳴っているのか。働かない頭を必死に動かしてそこまで考えて、何か変だと気がついた。パッと起き上がると、机の上には算数のドリルが広がっている。そこにはミミズが貼ったような鉛筆の線が続いていた。おそらく問題を解きながら眠ってしまったようだ。
    「今、何時だ!」
    ハッとして、急いで部屋の時計に目を向ける。日付を越えてすでに2分が経っていた。スマートフォンを確認すれば、すでにチームシンカリオンのグループはシマカゼの誕生日で盛り上がっている。先ほどの不規則なバイブの音はメッセージの通知音だったのだ。
    「なんと言うことだ…」
    ガクリとそのまま机に突っ伏す。やはり慣れない夜ふかしはするものではない。シマカゼに一番最初におめでとうとメッセージを送ってやろうと、ソワソワしていた自分が馬鹿らしいし、恥ずかしい。穴があったら入りたいと机の上でグズグズしていると、ふと棚に置いてある地球儀が目に入った。日本を分断する縦に引かれた線が妙に目立って見える。そうだと、僕はスマートフォンでとあることを検索し、頭の中で計算する。まだなんとかなるかもしれない。
    時計の針を確認する。すでに日付を越えて5分も経っていた。あと20秒ほどで6分。あと10秒。5、4、3、2、1。
    『お誕生日おめでとう』
    0時6分ピッタリに、僕はシマカゼへ個人メッセージを送信した。するとすぐにありがとうと返事が返ってくる。チームシンカリオングループはまだ盛り上がっている。流石のシマカゼもまだ起きているのだ。ただそれだけのことなのに、直接話しているようでなんだか嬉しくなる。
    『僕のために起きててくれたんだね』
    続くシマカゼのメッセージに、そんなんじゃないと誰もいない部屋で叫んでいた。確かにシマカゼのために起きていた。しかも結構頑張って起きていた。それをシマカゼに見透かされているようで悔しい。だから、なぜそう思うんだと口を尖らせながら返信する。
    『だっていつも10時から6時の間はメッセージの反応ないでしょ。その間は寝てるんだよね?』
    相変わらずの推理力に、僕は感心せざるを得ない。
    『シマカゼの誕生日を一番最初に祝ってやろうと思っていたんだ』
    鋭い推理力に免じて、僕の魂胆を素直に白状してやった。そうすると、みんなに先越されちゃったねとシマカゼからフォローのメッセージが入ってきた。
    『そんなことないぞ』
    シマカゼには悪いが、そんなフォローは必要ない。なぜなら、正真正銘僕が一番最初にシマカゼの誕生日を祝ったから。
    『日本の標準時間の基準となる子午線は兵庫県明石市を通る東経135度線だ。でも、実際には経度が違えば時刻は違う。元々、太陽が真南を通る時刻を正午としていたからな。名古屋の経度は東経135度54分23秒。経度1度ごとに時間は4分進むから、名古屋は標準時間より約6分後に日付を越えることになる。つまり、僕がメッセージを送った時間、0時6分が名古屋で日付が変わる正確な時間なんだ。だから、僕が一番最初にシマカゼを祝ったことになる』
    我ながら完璧に失敗をリカバリーしたと思う。うんうんと頷いていると、ブーとシマカゼからメッセージが届く音がした。その内容を確認して、カッと僕の顔は熱くなる。
    『僕のために一生懸命になってくれて嬉しいよ』
    スマートフォンの向こうで、嬉しそうにしているシマカゼが浮かんでくる。
    「べ、別に一生懸命になんてなってないからなっ!」
    思わずベッドに向かってスマートフォンを投げつけた。日付を越えるまでのソワソワも、日付を越えてからの必死さも、全てシマカゼにお見通しだ。あぁ、実に面白くない。
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    そいそい

    DONEはっぴーリュウシマ真ん中バースデー🥳

    真ん中バースデーとはあまり関係ない話になってしまいました。あと、ひっちゃかめっちゃかしてます。すみません🙏

    ※注意
    かっこいいリュウジさんはいません。
    社会人リュウジさんと大学生シマカゼくんの話です。
    ヤマクラ前に考えた話だったので、シマカゼくんの進路は捏造しています。
    かっこいいリュウジさんはいません←ここ重要
    あの部屋 大学の最寄駅から地下鉄に乗って一駅。単身者向けのマンションの三階の一番奥の部屋。鍵を出そうとしたが、中に人の気配を感じてやめた。そのままドアノブをひねると、予想通りすんなりと回る。そして玄関の扉を開けば、小さなキッチンのある廊下の向こうで、メガネをかけて、デスクに向かっていたあの人がちらりとこちらに視線をくれた。
    「また来たのか」
     呆れながら言うあの人に、ここからの方が学校が近いのでといつも通りの答えを返す。そうすると、少しだけだろといつも通りにあしらわれた。
     ここは僕の下宿先というわけではない。超進化研究所名古屋支部に正式に入所したリュウジさんが一人暮らしをしているマンションだ。もう少し超進化研究所の近くに住めばいいのに、何故か程遠い名古屋の中心部に部屋を借りている。そのおかげで僕は大学帰りに寄ることができているのだ。
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    そいそい

    DONEフォロワーさんからいただいたリクを元にして書きました。あんまりリクに添えた話にならなくて、本当にすみません🙇‍♀️
    リクありがとうございました🙌
    安城家に子守り行くリュさんの話です。
    「こんなことまで面倒かけちゃってごめんなさいね。ほらうち、お父さんが仕事でいつも家空けてるし、おじいちゃんおばあちゃんも遠くに住んでるから、こういうときに困るのよ。だから、リュウジくんが来てくれることになって本当に助かるわ。お土産買ってくるからね。苦手なものとかない? あっ! あと……」
     リュウジさんが持つスマートフォンから母さんの声が漏れ出ている。母さんの声は大きく、よく喋る。それは電話だろうが変わらない。そんな母さんの大音量のマシンガントークをリュウジさんはたじたじとしながら聞いてくれていた。
     母さんは大学の友人の結婚式に出るため、東京にいる。しかし、帰りの新幹線が大雨で止まってしまったらしい。それで今日は帰れないかもしれないと超進化研究所で訓練中の僕に電話がかかってきたのだ。このまま超進化研究所の仮眠室を借りて一晩明かしてもよかったが、あいにくナガラはフルコンタクトの稽古で不在で、家には帰らなければならない。しかし、家に帰ったら帰ったで、僕たち子供しか家にいないことになる。それは母さん的には心配なようで、どうしようかと頭を悩ませていると、俺が面倒見ましょうかとリュウジさんが申し出てくれたのだ。それでいつ運転再開になるかわからないからと、母さんは東京で一泊してくることになった。
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