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    そいそい

    @soi_07

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    そいそい

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    リュウシマ真ん中バースデーおめでとう🎉
    Z本編時間軸の真ん中バースデーの話です🙌

    正夢「真ん中バースデー?」
    飲もうとしていたカフェオレの手を止め、リュウジさんが首を傾げると、そういうのがあるんですよとナガラは得意げに言う。
    「俺と兄貴の誕生日の真ん中の日の三月十九日が真ん中バースデーなんです!」
    「僕とナガラの誕生日が近いので、我が家では僕たちの誕生日の真ん中の日にまとめてお祝いしているんですよ」
    およそ説明になっていないようなナガラの説明にそう付け加えると、リュウジさんはなるほどと頷く。
    「だから、毎年ケーキも一つなんです!究極納得いかなくて!」
    毎年同じ不満をナガラはこぼしている。しかし、一緒に祝った方が嬉しさ二倍よという母さんの謎理論に押し切られているのだ。今年もきっとそうなるだろう。
    「楽しそうでいいじゃないか」
    母さんと同じようなことをリュウジさんは言う。そんなリュウジさんに、大丈夫ですとナガラがトンチンカンな答えを返す。
    「真ん中バースデーを計算してくれるサイトとかあって、簡単に真ん中バースデーがわかるんですよ!リュウジさんと俺の真ん中バースデーはっと……」
    そう言って、ナガラはスマホを操作し始める。
    おそらくナガラは、リュウジさんの言葉を真ん中バースデーが羨ましいと思っていると受け取ったらしい。それで真ん中バースデーを調べ出したのだ。
    言葉足らずなところがあるリュウジさんと思い込みの激しいナガラでは、ときたまこういうことがある。しかし、微妙に噛み合わなくても、いつもなんだかんだ上手くいく。だから、このままなりゆきを見守ることにする。
    「俺とリュウジさんの真ん中バースデーは二月二十七日です!」
    嬉しそうに画面を向けてくるナガラに、もうすぐだなとリュウジさんは顔を緩ませる。
    「兄貴とリュウジさんなら……」
    今度は僕とリュウジさんの真ん中バースデーを調べてくれるようで、ナガラはスマホに視線を落とす。僕とリュウジさんの真ん中バースデーは果たしていつなのだろうか。ナガラと僕の誕生日は六日違いだから、おそらくリュウジさんとナガラの真ん中バースデーの近くになるだろう。ナガラとの真ん中バースデーに対しては、誕生日をまとめられたなというくらいにしか思わないが、リュウジさんとの真ん中バースデーとなると少しドキドキしてしまう。リュウジさんと誕生日をまとめて、一緒に祝い合うのはいいかもしれない。お互いにプレゼントを渡し合ったり、ケーキを一緒に選んだり……。想像するだけでニヤけてしまいそうだ。そんなことを考えていると、すげぇとナガラが声を上げた。何がすごいんだと期待を込めて、僕はナガラに視線を向ける。
    「二月二十九日!四年に一度だ!」
    「えっ……」
    ナガラの一言に、僕は愕然とする。
    「今年は平年だったな」
    そうしていると、リュウジさんはそう口にする。聞き慣れぬ単語にクエッションマークを浮かべているナガラに、閏年じゃない、つまり二月二十九日がない年のことだとリュウジさんは説明してくれた。
    リュウジさんの言うとおり、今年は二月二十九日は存在しない。二月二十九日は四年に一度しかおとずれないのだ。つまり、僕とリュウジさんの真ん中バースデーも四年に一度ということになる。早速祝えたならと思っていたので、僕はガックリ肩を落とす。
    「さて、休憩はこれくらいにして、シミュレーションの続きをしようか」
    そんな僕をしりめに、リュウジさんは手を叩く。それで、手に持ったままになっていたスポーツドリンクを口に流しこんだ。今は超進化研究所での訓練の休憩中だった。もうすぐ誕生日なんだという話からこんな話になったのだ。休息は充分にとった。これから訓練の続きである。凹んだままではいられない。だから、気持ちを切り替えるように僕は両手で頬を叩いた。

    ♢♢♢

    真ん中バースデーとは、別に記念日というわけではない。ただの誕生日と誕生日の真ん中の日だ。気にすることなどない。そう言い聞かせれば言い聞かせるほどに、真ん中バースデーが気になってしまう。
    そんな自分にため息をつきながら、ベッドに入る。布団を頭まで被り、無理やり目をつぶるが、思い出すのは昨日のこと。リュウジさんはあのときのたわいのない会話を覚えていたらしい。ナガラとの真ん中バースデーである昨日は、お祝いだといってナガラにお菓子を渡していた。それを僕は羨ましげに見ていた。お菓子が欲しいというわけではない。リュウジさんと真ん中バースデーをああやってお祝いできるということが羨ましかったのだ。だって僕たちの真ん中バースデーは四年に一度。次の真ん中バースデーは二年後である。やっぱりそれが解せなくて、被った布団を抱き込み、顔を押さえつける。心に抱いたモヤモヤがこれ以上僕を侵してしまう前に、寝てしまいたかった。
    頑張って、頑張って、意識を遠くの方へと向けていく。早く寝てしまいたかった。そうしていると、布団越しに誰かに触れられた感触がした。そんなはずはないと少し身じろぎ、再び寝る努力を開始する。だが、今度は身体を揺らされる。ナガラのイタズラかと思ったところで、シマカゼと名を呼ばれた。その声に、僕は飛び起きた。
    「リュ、リュ、リュウジさんっ!」
    布団を押しのけ、起き上がった先には、やっぱりリュウジさんがいた。
    「なななな、なんで!」
    僕の部屋に、こんな夜更けに、なぜリュウジさんがいるのか。この状況が理解できなくてあわあわしていると、なんでってとリュウジさんは口を開く。
    「今日は俺たちの真ん中バースデーだろ?」
    「え?」
    そう言われ、慌てて枕元に置いたスマホを手に取る。ロック画面には、確かに二月二十九日と表示されていた。日付の上には時間も表示されていて、それは朝を示す時間だった。それで今度は窓へと視線を向ける。そうすれば、カーテンの隙間から朝日が差し込んでいた。もしかして昨日の夜はあのまま寝てしまったのだろうか。
    「寝ぼけているのか?」
    いまだに混乱している僕を見て、リュウジさんがクスリと笑う。そんなリュウジさんを見ていると、色々どうでもよくなった。
    「今日は一緒にケーキを買いに行くんだろ?」
    そんな約束をした覚えはない。でも、楽しそうにリュウジさんが言うから、そうでしたねと僕は頷く。
    「ほら、早く着替えろ。モーニングにでも行くぞ」
    「は、はい」
    リュウジさんに催促され、僕は急いで着替えた。それから一緒に部屋を出る。いつも母さんとナガラで賑やかな家が妙に静かだった。二人とも朝早くから出かけているのだろうかと少し考えて、考えるのをやめた。そんなことは、リュウジさんと二人でモーニングに行けるならどうでもいいことだったから。
    僕の家の近くの喫茶店で、モーニングをすることになった。リュウジさんはブラックコーヒーで、僕はミルクティーを注文する。そうすれば、トーストとサラダとゆでたまごがついてきた。それを食べながら、たわいのない話に花を咲かせる。こうやって、まったりした朝をリュウジさんと過ごせるなんて夢のようだ。しかし、心の隅で一つ気がかりなことがあった。これを抱えたままでは落ち着かない。だから、会話が途切れたタイミングであのと僕はその気がかりを口にする。
    「超進化研究所はいいんですか?」
    気がかりとは、このことだった。リュウジさんは超進化研究所の職員である。そんなリュウジさんが、僕と一緒に悠長にモーニングなんてしていていいのだろうか。
    「シマカゼが休みをとってくれって言ったんだろ?」
    リュウジさんの答えに、眉をひそめる。こんなお願いもした覚えはなかった。そもそもリュウジさんに対して、この僕がわがままを言えるはずがない。だが、まんざらでもなさそうなリュウジさんの顔を見ていると、そうだったような気もしてきた。
    少しでも長く一緒にいたくて、僕はゆっくりとトーストたちを食べていく。それがなくなってしまえば、今度はゆっくりミルクティーを飲む。とっくに冷めてしまったそれをチビチビ飲んでいると、先に食べ終えて本を読んでいたリュウジさんがこちらに顔を向けた。流石に遅いと思われているだろうかと不安になったが、目が合った瞬間にリュウジさんがふわりと顔を緩ませる。
    「せっかくだし、久しぶりにデートにでも行かないか?」
    「デデデデートですかっ!」
    リュウジさんからの提案に思わず叫んだ。そんな僕を見て、どうしたんだとリュウジさんは笑う。
    どうしたもこうしたもない。だって、リュウジさんとデートなんて信じられない。
    「最近、忙しくしていて、なかなか構ってやれなかったからな。埋め合わせをさせてくれ」
    確かに、最近リュウジさんは忙しくしていた。シミュレーション訓練のときくらいしか顔を合わせることができなかった。だが、その埋め合わせでデートをしてしまっていいのだろうか。埋め合わせというよりは、僕にとってご褒美になってしまう。
    「どこへ行きたい?」
    デートの誘いに対して僕は行くも行かないも返事をしていない。しかし、話題はデートの行き先へと変わる。もちろん断るつもりはなかったが、リュウジさんの中にも僕が断るという選択肢がないのが嬉しい。それはさておき、デートの行き先だ。
    「えーっと……」
    どこへ行きたいと訊かれても困ってしまう。リュウジさんとデートができるならどこでもよかったから。だって、リュウジさんと一緒ならどこで何をしたって楽しくて、嬉しいに決まっている。その確信があった。
    「一緒にいられるだけで……」
    僕の答えを受け、そうかとリュウジさんは考え込む。きっと行き先を考えてくれているのだろう。思いがけずリュウジさん任せになってしまったことを申し訳なく思っていると、じゃあとリュウジさんは口を開いた。
    「俺のうちにおいで」
    「へっ……」
    想定外の行き先に、僕は耳を疑った。リュウジさんの家に行ったことがなかった。つまり、デートと称して、リュウジさんの部屋に入れてもらえるということだ。まだ見ぬリュウジさんのプライベートを垣間見れてしまうということだ。リュウジさんとデートができるうえに、リュウジさんの家に行ける。その事実に僕の頭はパンク寸前だった。できたらいいなと思っていたことがどんどん叶っていく。今年の運を全て使い果たす勢いだ。
    それから、夢見心地な僕を連れて、リュウジさんは店を出る。こっちだと歩き出したリュウジさんに置いていかれないように横に並ぶ。この歩いた先にリュウジさんの家があると思うとドキドキが止まらない。道中、リュウジさんが色々話をしてくれていたけれど、僕の頭には全く入ってこなかった。
    「ここだ」
    そして、たどり着いたのはとあるマンション。しかし、そこは明らかにファミリー向けではなかった。単身者向けのマンションだ。間違えてしまったのかと様子を伺っていると、リュウジさんは迷うことなく入っていく。だから、僕はその背中を追いかけた。
    エレベーターに乗って三階まで上がり、廊下の突き当たりまで歩く。そこがリュウジさんの家だった。
    「一応片付けたんだが」
    そう一言断りを入れてから、リュウジさんは玄関を開けた。
    「おじゃまします……」
    リュウジさんに招き入れられ、恐る恐る部屋に入る。そうすれば、そこはやはり単身者向けの部屋だった。でも、そんなことはもはやどうでもいい。リュウジさんの部屋にいるという事実の方が、よっぽど重要だった。
    リュウジさんの部屋はものが少なく、よく整理されていた。壁には超進化研究所の制服がかけてある。いつもジャンバーだが、ちゃんと制服を着たらもっとかっこいいに違いない。棚には、N700AとN700S、それにドクターイエローの模型が飾ってあった。ドクターイエローが一番手前に飾ってあって、僕はニンマリする。それから……。
    「適当に座ってくれ」
    部屋を見回していると、お茶を持ったリュウジさんがキッチンからやってきた。あまりジロジロ見るのは失礼だろうと思い、僕は慌てて床に正座をする。
    「足を崩してもいいぞ」
    そんな僕を笑いながら、リュウジさんはお茶を机に置く。それから、僕の横に座った。それも肩が触れそうな距離で。単身者向けのマンションといえども、リュウジさんの部屋は特別狭いというわけではない。わざわざ僕の隣に、こんな近くに座る必要はないはずだ。
    リュウジさんの部屋で、少し動けば触れる距離にリュウジさんはいる。それも二人きりで……。それが僕をどうしようもなく熱くする。あまりのことにどうしていいかわからなくて、正座した足の上でぎゅっと拳を握りしめる。リュウジさんの顔さえ見れない。そうしていると、シマカゼとリュウジさんに名を呼ばれる。
    「ひゃ、ひゃいっ!」
    吐息が混ざったリュウジさんの声が僕の右耳を震わす。思わず顔を向ければ、鼻が触れそうな距離にリュウジさんがいた。
    「どうかしたか?」
    「い、いや、その、えーと……」
    あまりにもなんともないように訊ねられるから、僕のほうが変なんじゃないかと口篭ってしまう。
    「リュ、リュウジさんが、あの、その……、近すぎて……、恥ずかしい、というか……」
    それでも懸命にそう口にすれば、リュウジさんがキョトンとした。
    「一緒にいたいって、こういうことじゃないのか?」
    「こ、こいうことぉ?」
    リュウジさんは今にも僕に触れられる距離にいる。そんなリュウジさんが言う『こういうこと』がなんのことをいっているのか、流石の僕でも察しがついてしまう。でも、僕とリュウジさんは運転士と指導員という関係で、付き合っているとかそういうわけではなくて、でも凄く尊敬していて、いつか結ばれたらいいなと思っていて……。
    「てっきり、早く触れて欲しいのかと……」
    パニくる頭でそうグルグル考えていると、少し残念そうにしながらリュウジさんは離れていく。それがどうしても嫌だった。頭で考えて出た気持ちというよりは、直感でそう思った。だから、僕は咄嗟にリュウジさんの腕を掴む。そして、リュウジさんが離れた分だけ、僕は距離を詰めていた。
    「さ、触って、くださるんですか?」
    僕が必死にそう問い掛ければ、リュウジさんは吹き出す。
    「リュウジさん……?」
    なんで笑われているかわからなくて困惑していると、リュウジさんが僕に体重をかけてきた。片手を背中に入れられて、ゆっくり床へ押し倒されていく。優しいその手つきに、心臓の鼓動が早くなっていく。身体が完全に床についたところで見上げれば、満足げに僕を見下ろすリュウジさんがいた。それにゾクリと身体が反応するのがわかった。リュウジさんからどんな施しが与えられるのだろうか。期待に満ちた身体はどんどん熱を帯びていく。そうしていると、リュウジさんの手が僕の頬に触れた。
    「今日のシマカゼはなんだか変だな」
    リュウジさんの一言に、僕は固まる。
    確かに今日はおかしなことばかりだった。リュウジさんと会話が噛み合っていないことも多々あった。それで変だと思われたのだ。もしかしたら、僕が変でリュウジさんに不快な思いをさせていたかもしれない。それで嫌われてしまったのかもしれない。そう思うと、先ほどまで高まっていた熱が一気に引いていく。
    「昔を思い出す」
    だが、僕の頬を触れるリュウジさんの手は止まらない。最初こそなぞるだけだった指の動きが、どんどん意味のあるものになっていく。それに僕は身体を震わせる。
    「初々しくて、一生懸命で、可愛い」
    そう愛おしそうに笑いかけられたかと思うと、リュウジさんの顔が一気に迫ってきた。

    ♢♢♢

    「リュ、リュウジさん!」
    ガバッと起き上がれば、そこはいつもの部屋だった。窓へ顔を向けるが、カーテンの隙間は暗いまま。枕元のスマホを掴み取れば、まだギリギリ二月二十八日だった。
    さっきまでのことが夢だということはすぐにわかった。だって、あのリュウジさんとモーニングをして、お家デートをして、身体を重ねようとして……。そんなの現実であり得るはずがない。まだ心臓の鼓動は速い。身体も熱くて、特に下半身が疼いていて頭を抱えた。夢とは深層心理を反映するというが、自分の欲望がここまでとはと思うと浅ましい。
    熱ったままで寝れるはずもない。どうしたものかと途方に暮れていると、ブーブーとスマホが鳴っているのに気がついた。今はそれどころじゃない。でも、無視するわけにはいかない。早く要件を済ませて切ってやろうと、名前も確認せずに電話に出た。
    「夜遅くに、すまない」
    「リュ、リュ、リュ、リュウジさん!」
    それはリュウジさんだった。さっきまであんな夢を見ていたせいか、僕の声は裏返る。あまりにも挙動不審な僕に、どうしたと心配そうなリュウジさんの声が聞こえてくる。それに、なんでもないですと極力いつも通りに返す。
    「そ、それで、な、何かご用ですか?」
    いまだに落ち着かないが、なんとか会話を進める。リュウジさんが用もないのにこんな時間に電話してくるはずがない。おそらくシンカリオン関係のことに違いない。
    「それなんだが」
    予想通り、真面目なトーンでリュウジさんは話し始める。それでいっそ熱を持て余している僕が滑稽に思えてくる。
    「日本の民法では誕生日の前日が終わる時に年を取ることになっているんだ」
    だが、僕の予想と反してリュウジさんは日本の民法の話を始める。
    「でなければ、二月二十九日が誕生日の人が年をとれないだろ?」
    「それって……」
    拍子抜けして、思わず落としそうになっていたスマホを握り直す。
    「年をとるわけではないが、俺たちの真ん中バースデーを祝うならこのタイミングかと思ってな」
    壁に掛けてある時計に目をやれば、あと少しで日付を超えようとしているところだった。二月二十九日がないなりに、リュウジさんは僕たちの真ん中バースデーを祝おうとしてくれている。
    「真ん中バースデーおめでとう」
    「リュウジさんも、真ん中バースデーおめでとうございます」
    「なんだか変な感じだな」
    「そうですね」
    なんだかこしょばゆくて、二人で笑い合う。こうやって、二人でお祝いしたかったのだ。
    「俺との真ん中バースデーが四年に一度しかないことにショックを受けていたみたいだったから、喜んでもらえたようでよかったよ」
    そんなことで凹んでいるなんて子供っぽすぎて、バレないように平静を装っているつもりでいた。しかし、リュウジさんにはバレバレだったようだ。そのときの僕を思い出して、電話越しにクスクスとリュウジさんは笑っている。そんなリュウジさんに、あのっと僕は声をかける。
    「来年の二月二十八日の夜もリュウジさんと電話したいです。いいですか?」
    来年も平年で、二月二十九日はなかった。だが、リュウジさんの言う理論で、また僕とリュウジさんの真ん中バースデーをお祝いしたい。
    「いいぞ。また一緒にお祝いしよう」
    「はい!」
    リュウジさんのその一言が嬉しくて、僕は夜遅いことも忘れて元気にそう答えていた。
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    Replies from the creator

    そいそい

    DONEはっぴーリュウシマ真ん中バースデー🥳

    真ん中バースデーとはあまり関係ない話になってしまいました。あと、ひっちゃかめっちゃかしてます。すみません🙏

    ※注意
    かっこいいリュウジさんはいません。
    社会人リュウジさんと大学生シマカゼくんの話です。
    ヤマクラ前に考えた話だったので、シマカゼくんの進路は捏造しています。
    かっこいいリュウジさんはいません←ここ重要
    あの部屋 大学の最寄駅から地下鉄に乗って一駅。単身者向けのマンションの三階の一番奥の部屋。鍵を出そうとしたが、中に人の気配を感じてやめた。そのままドアノブをひねると、予想通りすんなりと回る。そして玄関の扉を開けば、小さなキッチンのある廊下の向こうで、メガネをかけて、デスクに向かっていたあの人がちらりとこちらに視線をくれた。
    「また来たのか」
     呆れながら言うあの人に、ここからの方が学校が近いのでといつも通りの答えを返す。そうすると、少しだけだろといつも通りにあしらわれた。
     ここは僕の下宿先というわけではない。超進化研究所名古屋支部に正式に入所したリュウジさんが一人暮らしをしているマンションだ。もう少し超進化研究所の近くに住めばいいのに、何故か程遠い名古屋の中心部に部屋を借りている。そのおかげで僕は大学帰りに寄ることができているのだ。
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    そいそい

    DONEフォロワーさんからいただいたリクを元にして書きました。あんまりリクに添えた話にならなくて、本当にすみません🙇‍♀️
    リクありがとうございました🙌
    安城家に子守り行くリュさんの話です。
    「こんなことまで面倒かけちゃってごめんなさいね。ほらうち、お父さんが仕事でいつも家空けてるし、おじいちゃんおばあちゃんも遠くに住んでるから、こういうときに困るのよ。だから、リュウジくんが来てくれることになって本当に助かるわ。お土産買ってくるからね。苦手なものとかない? あっ! あと……」
     リュウジさんが持つスマートフォンから母さんの声が漏れ出ている。母さんの声は大きく、よく喋る。それは電話だろうが変わらない。そんな母さんの大音量のマシンガントークをリュウジさんはたじたじとしながら聞いてくれていた。
     母さんは大学の友人の結婚式に出るため、東京にいる。しかし、帰りの新幹線が大雨で止まってしまったらしい。それで今日は帰れないかもしれないと超進化研究所で訓練中の僕に電話がかかってきたのだ。このまま超進化研究所の仮眠室を借りて一晩明かしてもよかったが、あいにくナガラはフルコンタクトの稽古で不在で、家には帰らなければならない。しかし、家に帰ったら帰ったで、僕たち子供しか家にいないことになる。それは母さん的には心配なようで、どうしようかと頭を悩ませていると、俺が面倒見ましょうかとリュウジさんが申し出てくれたのだ。それでいつ運転再開になるかわからないからと、母さんは東京で一泊してくることになった。
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