暑苦しいから他所でやって 瞼に突き刺すような真っ白な日差しに、じりじりと身を焦がされる。何重にも鳴り響く蝉の鳴き声がこの暑さを助長して、首筋から汗がじわりと滲み出た。
体力に自信があるとはいえ、ここまで暑いと、あっという間に底をついてしまう。先ほどまで動き回っていたステージにごろりと寝転んで、ゆっくりと胸を上下させる。触れ合ったところからひんやりとした感触が染みて心地が良く、体内に篭る熱を吐き出すように、そっと息をついた。
夏。炎天下の中、ワンダーステージでの練習は、当然ながらとても暑い。屋外にあるワンダーステージには、フェニックスステージのような空調設備なんてものは存在しておらず、夏は暑いし冬は寒い。仕方がないことではあるが、なかなかに体に堪える。ショーをしている司たちも相当暑いが、客席も相当暑いだろう。なんとかして快適に見てもらいたいから、これはどうにかせねばなと考えていると、ふっと頭上に影が差した。
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