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    わかめごはん

    @wakame_wjoy

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    わかめごはん

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    待ちエビ3にてエアスケブのお題を頂いていたのですが、全然書けずにおりまして💦
    ハタさんお待たせしてすみませんでした!

    お題:
    ダニーが作ったもしくは買ってきた〇〇(なんでも)を初めて食べたスティーブなお話

    #H50
    #マクダノ
    mcdano.
    #ステダノ
    stedano
    #待ちエビ

    桜湯「エディブルフラワー?」
    スティーヴが陶器の器の中を覗き込むと、ふわりと漂う湯気に乗って甘酸っぱい香りが拡がった。
    「花を食べるんじゃない。この香りを楽しむドリンクなんだってさ。グレイスがクラスの子から貰ってきた」
    ダニーはキッチンカウンターにもたれながら、つまみのないカップのふちを中指と親指で持ち上げた。
    「この桜の塩漬けは、日本だとわりとポピュラーらしい。こうして飲んだり、お菓子にいれたり……」
    おそるおそる口を付けたスティーヴが目を丸くする。
    「塩気がある! 香りだけのハーブティーみたいなものかと思ったら、意外と旨いんだな」
    「だろ? グレイスの友達のおばあちゃんが日本にいて、毎年送ってくれるんだと」
    「甘い菓子に合いそうだ」
    ダニーが手を伸ばし、キャニスターに入ったジンジャークッキーをカウンターに置くと、スティーヴは3枚ほどまとめて取って齧った。ダニーはそれを見て苦笑しながら、自分も一枚取って、小さな前歯で齧る。
    「チャーリーでもそんな食い方しないぞ」
    「そういえば今日、子供たちは?」
    面白くなさそうにダニーは鼻を鳴らした。
    「グレイスはこの桜をくれた子の家に行ってる。チャーリーも友達と遊ぶって、その子の親が迎えにきて預けたよ」
    「それでお前は一人寂しく休日の家でアメフトの録画見てたってわけか。……そんなしけた顔するなよ」
    「別に。子供なんていずれ巣立っていくもんだし。俺のおまけの人生の中で、あの子達の存在は特別ボーナスだから。今まで一緒に過ごしてくれただけで御の字なんだよ」
    「ダニー」
    スティーヴは温くなった桜湯をぐいっと煽ると、唇で桜を器用につまんだ。
    「おい、それは食べなくていいんだって……」
    下唇に花弁を載せたまま、スティーヴはダニーのうなじに手を掛けた。そのまま引き寄せれば、二人の唇に潰されて桜から露が滴り落ちた。
    「ん……う、なんだよいきなり」
    ダニーが離れ、顎を伝った雫を手の甲でぐいと拭う。スティーヴは唇の端に花弁を残したまま口角を上げた。
    「子供が自立するってのは、寂しいだろうけどいいこともある」
    「なに?」
    「昼間からこういうことができるだろ」
    スティーヴがもう一度口付けると、ダニーはスティーヴを押し退けようとその胸板に手を掛けた。そんなダニーの手の甲に、二人の唇から追い出された花びらがぽとりと落ちると、指からは力が抜け、代わりに桜色の吐息が響き始めた。



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    わかめごはん

    MOURNINGお題は「いいか、よく聞け」
    なんともしっくり来てないけど投げちゃう
    地下の取調室で、スティーヴ、ダニー、そしてルーの三人が喋らない容疑者を前にして立っていた。しかしルー以外の二人は、入室するなり出入口の両脇に腕組みをして立ち、一言も口を開いてはいない。その異様な威圧感に、容疑者の男も額に汗を浮かべ始めていた。
    「おい、仲間の居場所をしゃべる気はないのか」
    「……」
    無言を貫く男に、ルーが顔を近づけた。
    「いいか、よく聞け。お前さんだってハワイの犯罪者の端くれなら、FIVE-0のスティーヴ・マクギャレットとダニー・ウィリアムズの話くらい聞いたことがあるだろう。あいつらがその二人だ」
    男の視線がルーの背後を行き来する。スティーヴとダニーは微動だにせず、冷たい視線で見下ろすばかりだ。
    「しかもあんた、最高にツイてない。今日はあいつら最高に機嫌が悪いんだ。こんなのはあれ以来かな……スティーヴが参考人の腕を折った時か、ダニーが犯人に喋らせるまでボコボコに殴り続けたときか。あんたがこのまま喋らなかったら、俺も二人を止められるかどうかわからんぞ」
    声を潜めてルーが囁けば、男の喉仏が上下した。
    刑務所へ行った者や同業者たちから、FIVE-0の噂は聞いていた。てっきり尾 1186