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    わかめごはん

    @wakame_wjoy

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    わかめごはん

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    マクダノワンドロとワンライから、過去のお題をお借りしました。

    #H50
    #マクダノ
    mcdano.
    #ステダノ
    stedano
    #マクダノワンドロとワンライ
    mcdanowandroAndWanlai

    波打ち際 寄せては返す波の音が響いている。
     薄曇りの空はのっぺりとして、それ自体がぼんやりと発光しているようだった。眩しい曇り空の下、アッシュブルーの海から繰り出されるレースのような白い波が、トラウザーズを捲り上げた足首にまとわりついている。
     砂浜に投げ捨てられたエナメルの靴も、砂にまみれてしまってその艶を失っていた。
    「いつまでそうしてるんだ」
     砂浜に置いた椅子に座るスティーヴは、そう声をかけてビールの最後の一口を飲み干した。隣の椅子に置いたもう一本は、結露をたっぷり纏わせてすっかりぬるくなっている。
    「ダニー」
    「聞こえてるよ」
     ちゃぷ、と軽く波を蹴ってからダニーは砂浜を歩くと、スティーヴの隣へ座った。眉間の皺はまだ深く刻まれている。
    「そろそろ機嫌直せよ」
    「はぁ……」
     深く深ぁくため息をついた相棒を見て、スティーヴは下唇を出して眉を上げながら思った。まずい、これは地雷を踏んだようだ。
    「この俺にそんなことが言えるなんて、さすがお前だよ。本当にいつもいつも。グレイスと会える日に限って厄介に事件をこじらせて」
    「……俺が?」
    「俺が、だって? 今日は取り調べがあと二時間早く終わってれば、今頃あの子とカフェ・カイラでパンケーキ食ってたんだ。容疑者が弁護士来るまで黙秘するなんて言い出さなきゃな! お前が奴を殴らなきゃ、あんなにこじれなかったんだよ!」
    「だって喋らなかっただろ。俺だって焦ってたんだ」
    「なんで」
    「お前がグレイスに会えるように、早く切り上げようとして」
    「へぇ、それで殴ったの。俺のために? そりゃあどうも! そんなに優しい奴だなんて知らなかったほんと有り難くて涙が出そう」
    「ダニー……悪かった」
     スティーヴがダニーの肩に手を置いて謝ると、ダニーはスティーヴの目をじっと見つめた。眉尻を極限まで下げたスティーヴの顔を見て、ダニーの青い目に宿っていたきつい光がふと緩む。
    「まぁ、いいよ」
     ぬるくなったビールを飲み下すと、ダニーはまた立ち上がって少し歩き、波打ち際へと立った。
    「細かい砂がさらさらして気持ちいいし。海は冷たくて穏やかだし。五歳児はちゃんと謝れたし。そこまで悪い日じゃない」
    「ダノ」
     スティーヴの声に喜びが混じる。ダニーは足元の水を蹴って、スティーヴにかけた。
    「おい! なにするんだよ」
    「五歳児は水遊びが好きだろ? 謝れたご褒美に遊んでやるよ」
    「言ったな」
     スティーヴは素早く立ち上がると重心を低く落としてダニーにタックルした。ダニーは水の中へ盛大に尻もちをつく。たまらずダニーが叫んだ。
    「お前! なんなんだよ突然! 今のはこいつぅ〜ってパシャパシャやる流れだろ!」
    「そんなんじゃ物足りない。全力で相手してくれないと満足しないぞ。五歳児ってそういうもんだろ」
    「……言ったな」
     ダニーが跳ね起きてスティーヴの肩を押すと、スティーヴは浅瀬へ仰向けに倒れた。負けじとスティーヴも起き上がってダニーに飛びかかる。
     太陽を覆っていたはずの雲はいつの間にか薄くなり、強くなり始めた日差しが二人の振りまく水しぶきをきらきらと輝かせていた。





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    わかめごはん

    DONEお題「お前に言ってなかったことがある」
    中の人のイメージから、勝手に歌が上手なダニーさんのお話。
    金曜の夜、二人の酔いも深まったマクギャレット邸で、なんとなく見ていた退屈なアクション映画は、エンドテロップが流れるばかりになっていた。カウチに沈んだダニーは、自分の隣に陣取るスティーヴを見る。その腕はカウチの背もたれの上に伸ばされていて、ダニーの肩には落ちてきていない。
    「なぁ」
    「ん? そろそろ寝るか? 泊まるだろ」
    カウチに寝るダニーのためにブランケットを取ろうと、立ち上がったスティーヴの手をダニーが掴んだ。
    「ギター」
    「なに?」
    「俺がやったギター。持ってこいよ。演奏会しよう」
    「え……今から?」
    「あぁ。嫌とは言わせないぞ、俺がやったんだからな。弾いてるか? あれ」
    「あ、いや……うん。実は、たまに」
    「一人で?」
    「だって、聞かせるやつもいないし」
    「ここにいるだろ。早く持ってこい」
    スティーヴはわずかに逡巡しながらも、二階の自室からギターケースを持って降りてきた。
    テーブルに置いて、観念したように勢いよく蓋を開ける。手にすると、わずかなチューニングで良い音が鳴った。まめに弾いているようだ。
    「何が弾ける?」
    「メジャーな曲なら。コード鳴らすだけでよければ」
    「そうだな。… 1168