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    あけみ

    @cocoapoko
    短いssをポイポイしていきます。後日に書き起こしてピクブラにupするかも。

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    あけみ

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    S11キャシファー→ディーン。
    ディーンに興味津々のルシファーに中のカスティエルは苛ついてたらいい。

    #SPN
    #キャシファー
    cassifer.
    #キャスディン
    kasdin
    #C/D
    ##SPN

    待てど待ち焦がれる ディーン・ウィンチェスターが何故これほどまでに多種を惹きつけるのかルシファーには理解できなかった。カスティエルの器を媒体にしてから感じ取られる視界は、確かにルシファーが見ていたものとは違うかもしれない。目を細めながらディーンに視線を向ける。人差し指で自身の唇をなぞりながらルシファーはディーンを注意深く観察した。
     バンカーのキッチンでディーンはこちらに背を向けて料理している。彼は時たま、こうして自身が食べるものや家族に手料理を振る舞うことがある。これは、カスティエルの記憶から知れた。鼻で笑うルシファーは、ディーンの背から腰、ヒップへとじっくりなぞるような視線を向ける。器の評価は高い。それもそのはず。ディーンは元々ミカエルの器だ。体の作りはルシファーも唸るほどの美しさだ。
     ディーンが振り向いて皿にハンバーガーを乗せる。容姿をじっくり観察したルシファーは彼が人類ともに認める美形であることも認めた。
    「おい、さっきから何だ?」
     ディーンが顔を上げ、こちらを睨んだ。しかし、その視線には怒気はなく、どちらかというと羞恥に色が濃い。ルシファーは眉を顰める。ディーンの表情は、アマラに対して絆を感じていると告げた時と同じようなものがあったからだ。カウンターに体を傾けたルシファーは、わざとディーンのパーソナルスペースに入る。
    「キャス……」
     ディーンはジッとしてこちらを魅入るように呆けたままだ。ルシファーは一瞬、目を丸めるも薄く笑む。腕を伸ばしディーンの頬に触れた。親指で膨らんだ唇をなぞる。目の前のディーンが抵抗しないのを良いことに味見しようかと思った矢先、カスティエルの低く唸る声が響いた。
    『彼に触れるな』
     ルシファーは笑んだ。しっかり独占欲を見せるじゃないか。誰もが惹かれる体だ。少しくらい味わえばその魅力を理解できると思った。だが、ディーンの唇を撫でただけで、その先に進めない。体が動かないことにルシファーは唸ったが同時に可笑しく思えた。
    「キャス?」
     呪縛が解けたようにディーンは相手と距離を取る。怪訝に眉を寄せた彼はカスティエルに違和感を覚えたのか警戒心が覆う。ルシファーはディーンから一歩引いた。
    「すまない。唇に……ついていた」
     料理する途中でディーンが味見した食べ残しだ。ルシファーはカスティエルを真似て申し訳なさげに指を舐めあげる。ディーンはすぐに頬を赤らめ唇を自身の手の甲で拭った。
     その仕草は初心な少年のように映りルシファーは喉を鳴らす。

     ああ、勿体ないじゃないか。カスティエル。
     さっさと彼をいただけばいいものを。
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    あけみ

    PAST2014キャスディン。S4キャスがいる世界に2014ディーンが迷いこんで……??
    ピクブラ投稿作品ですが、お気に入りの話なので、こっちにも投下しました。
    少しでも楽しんでいただければ幸いです。スケベなことはしてないけど、デキてる2014キャスディンです。
    →web拍手http://clap.webclap.com/clap.php?id=cocoapoko
    【SPN】君がいる世界が僕の全て【C/D】 キャンプ・チタクワを拠点にしてから一年が経った頃、コルトの捜索を始め情報を得た矢先ボビーが死んだ事、カスティエルがディーンを庇うように悪魔の襲撃を受け右足を負傷し一カ月動けなくなった事。どちらもディーンを守ろうとしたことで引き起こした出来事だった。
     痛みで気絶したカスティエルを基地まで連れて帰り、目を覚まさない彼にひと時も離れず枕元で佇んでいたディーンは居もしない神に何度も悪態をつく。サムがルシファーに器を明け渡してからドミノ倒しのように悪化する状況に、抵抗も空しくディーンの大切な人たちを次々と奪っていく。
     カスティエルの固定された右足には包帯が何重にも巻かれていた。今回は骨折で免れたが、恩寵が無くなった彼は人間と同じように怪我をすれば動けなくなるし、急所を刺されれば死ぬ。ディーンの傍に居る限り死神に刃を突き付けられているようなものだ。ディーンの傍にいる者は早死にする。そんな話も囁かれていた。
    27373

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    あけみ

    MOURNINGS12後のS13で戻ってきたカスティエルの話。
    再会したディーンの様子が少しおかしいことに気付くも、カスティエルは自身の気持ちを伏せてディーンと接する。
    愛していると言えたらいいのに 自身の姿に化けた虚無に告げられた言葉はカスティエルの真意を鋭く貫くものだった。
    「戻っても何も得られない。辛いだけだ」
     最も愛するもの、最も欲しているものを知っている、と虚無は笑った。カスティエルの全てを知っていると装う態度は気に入らなかったが、言い得ていた。カスティエルが唯一愛しているもの。ディーン・ウィンチェスターに抱く感情が「愛」だと気付いたのはいつからだったのか分からない。いや、地獄でその魂を掴んだその時からだったことは定めのようなものだ。そして、決して手に入れることはできないもの。カスティエルはそれで良いと思っていた。「愛している」と伝えなくてもディーンの傍にいることは至福な時だと。
     それがいつの頃か傍にいるたびに、その美しい瞳が自身に向けられるたびに、胸が締め付けられるほどの苦しさを味わうようになった。ディーンが向ける情は決してカスティエルと同じものではない。家族で兄弟。それは、ディーンにとって最上級の愛情の形だということは知っている。充分に知っているからこそ、カスティエルは自身の情を伏せることにした。
    1981

    あけみ

    PAST2014キャスディン。S4キャスがいる世界に2014ディーンが迷いこんで……??
    ピクブラ投稿作品ですが、お気に入りの話なので、こっちにも投下しました。
    少しでも楽しんでいただければ幸いです。スケベなことはしてないけど、デキてる2014キャスディンです。
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     痛みで気絶したカスティエルを基地まで連れて帰り、目を覚まさない彼にひと時も離れず枕元で佇んでいたディーンは居もしない神に何度も悪態をつく。サムがルシファーに器を明け渡してからドミノ倒しのように悪化する状況に、抵抗も空しくディーンの大切な人たちを次々と奪っていく。
     カスティエルの固定された右足には包帯が何重にも巻かれていた。今回は骨折で免れたが、恩寵が無くなった彼は人間と同じように怪我をすれば動けなくなるし、急所を刺されれば死ぬ。ディーンの傍に居る限り死神に刃を突き付けられているようなものだ。ディーンの傍にいる者は早死にする。そんな話も囁かれていた。
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    「戻っても何も得られない。辛いだけだ」
     最も愛するもの、最も欲しているものを知っている、と虚無は笑った。カスティエルの全てを知っていると装う態度は気に入らなかったが、言い得ていた。カスティエルが唯一愛しているもの。ディーン・ウィンチェスターに抱く感情が「愛」だと気付いたのはいつからだったのか分からない。いや、地獄でその魂を掴んだその時からだったことは定めのようなものだ。そして、決して手に入れることはできないもの。カスティエルはそれで良いと思っていた。「愛している」と伝えなくてもディーンの傍にいることは至福な時だと。
     それがいつの頃か傍にいるたびに、その美しい瞳が自身に向けられるたびに、胸が締め付けられるほどの苦しさを味わうようになった。ディーンが向ける情は決してカスティエルと同じものではない。家族で兄弟。それは、ディーンにとって最上級の愛情の形だということは知っている。充分に知っているからこそ、カスティエルは自身の情を伏せることにした。
    1981