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    hanepiyoenstar

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    hanepiyoenstar

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    幸せな紅千書こうと思って、我が家のオメガバ紅千の続き書いてます。まだ途中なので、ちょっとだけ抜粋

     さて。なんと言って守沢を誘おうか。
     寮の自室に戻ってから、鬼龍は羽風にもらったチケットを目の前にして悩んでいた。調べてみると、そんなに格式張ってはいないけれどもちょっと上等な、創作和食をメインにしたレストランらしい。ホームページの写真も、朔間の言う通り記念日には相応しい雰囲気の店だ。蓮巳の実家の近くだから、地理的にも知らない場所でもない。しかしまあ、まずはとにかく守沢本人に予定を聞かなければならない。ホールハンズの画面を開いて守沢にメッセージを投げる。
    『どっかで話せるか?』
     そんなに時間が経たないうちに既読が付いて、返信が来る。
    『今日はもうあと寮に帰るだけだから、あと30分くらいしたら電話する!』
     元気そうな声が聴こえてきそうな文面に顔をほころばして、鬼龍は『了解』と返事を打った。裁縫でもして待っているかとやりかけの布を手に取って作業していれば、あっという間に時間は過ぎる。着信を知らせる音に、鬼龍はすぐさま飛びついた。
    「もしもし」
    『もしもし鬼龍! 待たせて申し訳なかったな!』
     愛する番の声に、知らずに笑みが浮かぶ。
    「いや、俺もいろいろ作業してたから待ってねえよ。お前こそお疲れさん。今どこだ?」
     端末を肩に挟み、手の中の裁縫道具と布を手早く片付ける。
    『ちょうど星奏館に着いたところだ! どうする、共有ルームでいいか?』
    「嫌じゃなきゃりゃこっちの部屋来いよ。斎宮も瀬名も日本にいねえし、衣更は生徒会で遅くなるって聞いてる」
    『そうか、じゃあお邪魔しよう! ちょっと待っててくれ』
    「おう……待ってるぜ」
     わざと、低く甘く囁くと、電話の向こうから「ひっ」と息を呑む音が聴こえた。
    『ず、ずるいぞ……』
    「なんのことだかわかんねえな」
     笑って通話を切ると、鬼龍はすぐに来るだろう番のために甘いココアを用意することにした。


    「失礼する!」
     ほどなくして、鬼龍たちの部屋の扉が叩かれた。「おう」と返事をしながらドアを開くと、守沢が元気よく入ってきた。
    「ただいま、鬼龍!」
    「おう、お帰り」
     まっすぐに自分の腕の中に飛び込んでくる守沢の身体を受け止める度、鬼龍はあたたかくて幸せな満足感にみたされる。想いが通じ合うことが、こんなに幸せだとは思わなかった。むしろ、そんなことは諦めていたからより一層そう感じるのか。わからないが自分も守沢も幸せならばなんでもいい。
    「ココア淹れといたぜ。飲むだろ?」
    「それは嬉しいな! あ、でも先に洗面所を借りていいか?」
    「おー、準備しとくからさっさとしてこい」
    「心得た!」
     うがい手洗いは大事である。というわけで、守沢が戻ってくる頃にはココアと珈琲のマグが準備万端に並べられていた。
    「……おいしいなあ」
     二人でソファに腰かけて、それぞれの飲み物を口に運ぶ。ふと、ぽすりと守沢が鬼龍に寄りかかってきた。
    「ふふ、こんな幸せでいいんだろうか。罰が当たりそうで怖いな」
     そんな台詞を、本当に幸せが零れ落ちそうな柔らかい笑みで言うものだから。
     鬼龍は無言でまず自分のマグをテーブルに置き、続いて守沢のマグを取り上げて自分のものの横に置いた。そして。「ど、どうしたどうした」と騒ぐ守沢を懐深く抱きしめた。
     自分の番が、食っちまいたくなるほどに可愛い。可愛い。いとおしい。
     罰が当たりそうで怖いのは鬼龍の方だ。本当に、こんな幸せが許されていいのか自問自答してしまう。
     しばらくもぞもぞとしていた守沢だったが、やがてその腕が鬼龍の背中に回り、遠慮がちに服をぎゅっと掴んでくる。
     本当に、いとしさで人は死んでしまえるのかもしれない。死ぬつもりはないが。

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    hanepiyoenstar

    MEMO書きかけの紅千Aに入れるかBに入れるか悩んでる一幕。
    けめすとりのWing of Wordsが頭の中をずっとぐるぐると・・・
     もう、我慢がならなかった。
     作り笑いをする守沢の後頭部に手を回して、ぐいと胸元に引き寄せる。
    「き、鬼龍? どうしたんだ?」
    「泣け、守沢。こうすりゃ誰も見ねえ……俺も見えねえ」
     守沢がもぞもぞ動くのを、さらに強い力で押さえつける。「苦しい」とか文句を言うのも無視だ。
    「いいから泣け。――泣いていいんだ、てめえだって」
     ぴたりと、守沢が動きを止めた。
    「しかし……大丈夫なんだ。俺はつらくなんてない。俺が弱いだけなんだ」
    「だから!」
     言い募る守沢に、さらに苛立ちが増す。いや、守沢に対する苛立ちではないのだ、これは。守沢の周りに、守沢が進んで背負おうとする重荷に。そんなの、お前ひとりのせいじゃないって、どんなに言っても守沢は聞かないのだ。自分が強くあれば解決することなんだと、進んで苦しい方へ苦しい方へ向かっていってしまう。
     そんなの、守沢が壊れてしまう。
     浮かんだ考えにぞっとして、もう片方の手も守沢の背中に回して抱きしめる。
     こんな荒んだ学院生活の中でも、守沢はいつも明るく希望をうたう太陽のような男だと思っていた。弱気なくせに押しが強くて、何事にもまっすぐで。だけど、そう 774