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    LastQed

    @LastQed

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    ディスガイア▶︎フェンヴァル/ヴァルフェン
    コーヒートーク▶︎ガラハイ

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    LastQed

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    ガラハイ🐺🦇【play-biting】Xに上げたもの。記録用。最後ちょっとだけいかがわしい雰囲気。

    #ガラハイ
    #コーヒートーク
    coffeeTalk
    #Coffeetalk

    【play-biting】「〜♪」
     家主の名を呼ぶ上機嫌な声。それから、でたらめな鼻歌がリビングまで響いてくる。ガラは寛いでいたソファから立ち上がり、やれやれとため息を吐くと玄関へと足を向けた。
     壁掛け時計の針は丁度真上、シアトルの夜空を指している。ハイドがこのアパートに足を踏み入れる時、彼は大抵酒に酔った状態でやって来る。玄関まで迎えに行ってやらなければ酔いどれの吸血鬼は上等なジャケットを脱ぎもせずにソファやベッドに転がり込んであっという間に皺を作ってしまう。善良なるこの家の主はそれを見るに耐えかねて、千鳥足の来訪者の上着を都度引っ剥がすのだった。

     ハンガーを片手に見たこともない構造の衣服と格闘しているガラ。それを置き去りに、ハイドは我が物顔でリビングへと上がり込む。しばらくはファブリックソファに背を委ねていたが狼男が隣に腰掛けるや否や、今度は体重を掛ける先を恰幅の良い肩へと移した。
    「なあ、ガラ」
     ハイドがガラに向け、手のひらを差し出す。何のことだと困惑する大男を前に吸血鬼は無邪気に笑む。
    「Shake.(お手)」
    「……お前さん、相当酔ってるな?」
     期待の眼差しを一身に受け、ガラは頭を掻いた。アルコールに侵されたハイド氏のじゃれ合いには大人しく付き合っておくのが得策である。適当にあしらうと面倒臭さがじめじめと加速することを彼はこれまでの度重なる経験上知っていた。事実、部屋のスペアキーを渡して以降、こうした状況に陥る度に上手くいなそうとしては失敗し続けて来たのである。
    「はいはい、やればいいんだろ……」
     言われるがまま手を重ねれば、命令に従ったことに満足したようでハイドは良い子だと大きな仔犬の頭を反対の手でぐしゃぐしゃに撫でた。
     そう、いつもなら酔っ払いのお遊びはそれで終わるはずだった。
    「ん、?」
     終わったはずの「お手」は飼い主の意思ではなく仔犬自身によってまだ続けられている。ハイドよりも一回り大きく傷だらけの手が細い指の一本一本へ、その輪郭を確かめるように触れる。指を絡め、熱を持ってなぞる。
    「おい……」
     むず痒さに体をひねるが絆創膏だらけの乾いた指がハイドの指と指の間に強引に割り込み、捉えて離さない。密着する手と手の間は互いの体温で汗ばんだ。それはともすれば不快感に繋がるであろうものだったが、ガラに手を離す素振りはない。
    「ガラ、もういい。離せ……」
    「何言ってる? お前が言い出したことだろう」
     ハイドの指先が無駄なことと知りながら、それでも不安げにもがく。堅物なこの男をちょっとばかり揶揄ってやるつもりが、何やらまずいことになったと赤い目が宙を泳ぐ。仔犬はその視線を追いかけ逃さない。指を擦り合わせ、次の指示を仰ぐ。
    「次はどんな芸を見せたら良いんだ? ご主人様」
    「Down(伏せ)!」
     焦るような吸血鬼の声が次のコマンドを告げる。ガラはソファから腰を上げると長い脚の間を割ってハイドの面前、フローリングの床に膝をつく。そして彼の腰元へ手を伸ばすと──ブランドの革ベルトを引き抜いた。
    「おい! 言うことを聞け駄犬!」
    「飼い主の躾がなってないんじゃないか?」
    「……こ、の……」
     それ以上を言い淀み、ソファに沈むハイドを柔らかな力で押さえ付ける。吸血鬼という種族。彼が本気でこれを望まないのであれば、元軍人相手と言えど抵抗することは難しくないはずだった。が、今もなお彼の腕に力が込められる様子はない。

     利口な仔犬は仕方のない飼い主だと主のスラックス、そのファスナーを焦らすように、落とした。
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    LastQed

    DOODLEガラハイ🐺🦇【stand up!】
    お題「靴擦れ」で書きました。ハイドがストーカーに刺された過去を捏造しています(!?)のでご注意ください。

    ガラさんとハイドには、互いの痛みを和らげてくれる、一歩を踏み出すきっかけになってくれる…そんな関係にあってほしいです。
    【stand up】「ガラ、休憩だ」

     背後から名を呼ばれ、狼男は足を止めた。気配が背中まで迫って来るや否や、声の主はウンザリだとばかり、息を吐く。

    「休憩って……おれたち、さっきまでコーヒートークに居たんだよな?」

     両名は確かに五分前まで馴染みの喫茶店で寛いでいた。ガラハッドとゾボを頼み、バリスタ、それから偶然居合わせたジョルジと街の噂や騒動について会話を交わし別れたばかりだ。にも関わらず再び休憩を所望するこの友人をガラは訝しんだ。傾き始めた陽のせいかハイドの表情は翳り、どこか居心地が悪そうに見えた。

    「具合でも悪いのか?」
    「……ああ、もう一歩も歩けそうにない。助けてくれ」

     かつて、オークに集団で殴られようが、ストーカーに刺されようが、皮肉を吐いて飄々としていた男が今、明確に助けを求めている。数十年に及ぶ付き合いの中でも初めてのことで、ガラは咄嗟にスマートフォンに手を掛けた。「911」をコールしようとした時、その手を制止したのはあろうことかハイド自身だった。
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    LastQed

    DONEガラハイ🐺🦇【As you wish, Mr.Hyde.】
    バレンタインのお話🍫Xにてupしたもの。記録用にこちらにも載せておきます✍️
    【As you wish, Mr.Hyde.】 今にも底の抜けそうな紙袋が二つ、どさりとフローリングに下ろされる。溢れんばかりの荷物、そして良く見知った来訪者を交互に見比べて人狼が尋ねた。

    「なんだこれ」
    「かわい子ちゃんたちからの贈り物だ。毎年この時期事務所に届く。……無碍にも出来ないからな、いくつかはこうして持ち帰るんだ」
    「マジかよ……これ全部か……?」

     愕然とする人狼を横目に、ハイドは手が痺れたと笑うだけだった。今日は二月十四日、いわゆるバレンタインデー。氏に言わせれば、これでも送られてきた段ボールの大半を事務所に置いてきたのだという。

    「さすがは天下のハイド様だ……」
    「まあ、悪い気はしない」

     ソファに腰を下ろし、スリッパを蹴飛ばしてしまうと吸血鬼はくじ引きのように紙袋へと腕を突っ込んだ。無作為に取り出したファンレター。封を開き便箋を取り出すと、丁寧にしたためられた文字の列をなぞった。一通り目を通した後で再び腕が伸ばされる。次にハイドが掴み取ったのは厚みのある化粧箱だった。リボンを解けば、中には宝石にも見紛うチョコレートが敷き詰められていた。どれにしようかと迷う指先。気まぐれに選んだ一つを口の中に放り込んだ時、ガラがおもむろに通勤カバンを漁り始めた。
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    LastQed

    Deep Desire【悪魔に愛はあるのか】の後日談として書きました。当社比アダルティーかもしれません。煩悩まみれの内容で上げるかどうか悩むレベルの書き散らしですが、今なら除夜の鐘の音に搔き消えるかなと駆け込みで年末に上げました。お許しください…【後日談】


    「やめ……フェンリッヒ……!」

    閣下との「戯れ」はようやくキスからもう一歩踏み込んだ。

    「腰が揺れていますよ、閣下」
    「そんなことな……いっ」
    胸の頂きを優しく爪で弾いてやると、我慢するような悩ましげな吐息でシーツが握りしめられる。与えられる快感から逃れようと身を捩る姿はいじらしく、つい加虐心が湧き上がってしまう。

    主人と従者。ただそれだけであったはずの俺たちが、少しずつほつれ、結ばれる先を探して今、ベッドの上にいる。地獄に蜘蛛の糸が垂れる、そんな奇跡は起こり得るのだ。
    俺がどれだけこの時を待ち望んでいたことか。恐れながら、閣下、目の前に垂れたこの細糸、掴ませていただきます。

    「閣下は服の上から、がお好きですよね。着ている方がいけない感じがしますか?それとも擦れ方が良いのでしょうか」
    衣服の上から触れると肌と衣服の摩擦が響くらしい。これまで幾度か軽く触れ合ってきたが素肌に直接、よりも着衣のまま身体に触れる方が反応が良い。胸の杭だけはじかに指でなぞって触れて、恍惚に浸る。

    いつも気丈に振る舞うこの人が夜の帳に腰を揺らして快感を逃がそうとしている。その姿はあまりに 2129

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    DONEディスガイア4で悪魔一行が祈りに対して抵抗感を露わにしたのが好きでした。そんな彼らがもし次に祈るとしたら?を煮詰めた書き散らしです。【地獄の祈り子たち】



    人間界には祈る習慣があるという。どうしようもない時、どうすれば良いか分からぬ時。人は祈り、神に助けを乞うそうだ。実に愚かしいことだと思う。頭を垂れれば、手を伸ばせば、きっと苦しみから助け出してくれる、そんな甘い考えが人間共にはお似合いだ。
    此処は、魔界。魔神や邪神はいても救いの手を差し伸べる神はいない。そもそも祈る等という行為が悪魔には馴染まない。この暗く澱んだ場所で信じられるのは自分自身だけだと、長らくそう思ってきた。

    「お前には祈りと願いの違いが分かるか?」

    魔界全土でも最も過酷な環境を指す場所、地獄──罪を犯した人間たちがプリニーとして生まれ変わり、その罪を濯ぐために堕とされる地の底。魔の者すら好んで近付くことはないこのどん底で、吸血鬼は気まぐれに問うた。

    「お言葉ですが、閣下、突然いかがされましたか」

    また始まってしまった。そう思った。かすかに胃痛の予感がし、憂う。
    我が主人、ヴァルバトーゼ閣下は悪魔らしからぬ発言で事あるごとに俺を驚かせてきた。思えば、信頼、絆、仲間……悪魔の常識を逸した言葉の数々をこの人は進んで発してきたものだ。 5897

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    DOODLE【10/4】ヴァルバトーゼ閣下🦇お誕生日おめでとうございます!仲間たちが見たのはルージュの魔法か、それとも。
    104【104】



     人間の一生は短い。百回も歳を重ねれば、その生涯は終焉を迎える。そして魂は転生し、再び廻る。
     一方、悪魔の一生もそう長くはない。いや、人間と比較すれば寿命そのものは圧倒的に長いはずであるのだが、無秩序混沌を極める魔界においてはうっかり殺されたり、死んでしまうことは珍しくない。暗黒まんじゅうを喉に詰まらせ死んでしまうなんていうのが良い例だ。
     悪魔と言えど一年でも二年でも長く生存するというのはやはりめでたいことではある。それだけの強さを持っているか……魔界で生き残る上で最重要とも言える悪運を持っていることの証明に他ならないのだから。

     それ故に、小さい子どもよりむしろ、大人になってからこそ盛大に誕生日パーティーを開く悪魔が魔界には一定数いる。付き合いのある各界魔王たちを豪奢な誕生会にてもてなし、「祝いの品」を贈らせる。贈答品や態度が気に食わなければ首を刎ねるか刎ねられるかの決闘が繰り広げられ……言わば己が力の誇示のため、魔界の大人たちのお誕生会は絢爛豪華に催されるのだ。
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    DONER18 執事閣下🐺🦇「うっかり相手の名前を間違えてお仕置きプレイされる主従ください🐺🦇」という有難いご命令に恐れ多くもお応えしました。謹んでお詫び申し上げます。後日談はこちら→ https://poipiku.com/1651141/5571351.html
    呼んで、俺の名を【呼んで、俺の名を】



     抱き抱えた主人を起こさぬよう、寝床の棺へとそっと降ろしてやる。その身はやはり成人男性としては異常に軽く、精神的にこたえるものがある。
     深夜の地獄はしんと暗く、冷たい。人間共の思い描く地獄そのものを思わせるほど熱気に溢れ、皮膚が爛れてしまうような日中の灼熱とは打って変わって、夜は凍えるような寒さが襲う。悪魔であれ、地獄の夜は心細い。此処は一人寝には寒過ぎる。

     棺桶の中で寝息を立てるのは、我が主ヴァルバトーゼ様。俺が仕えるのは唯一、このお方だけ。それを心に決めた美しい満月の夜からつゆも変わらず、いつ何時も付き従った。
     あれから、早四百年が経とうとしている。その間、語り切れぬほどの出来事が俺たちには降り注いだが、こうして何とか魔界の片隅で生きながらえている。生きてさえいれば、幾らでも挽回の余地はある。俺と主は、その時を既に見据えていた。堕落し切った政腐を乗っ取ってやろうというのだ。
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