伏見弓弦が1人で自分の気持ちと過去について振り返るだけ(弓茨前提)伏見弓弦は過去について思い馳せていた
まだ14歳にもならない頃
軍事施設で過ごした日々
決してしあわせではなかった
安心安全とは程遠い環境
自分の気持ちは関係なく、不服ながらもいたその場所
自分と大して歳が違わない主人、あの子どもを側で守る力を身につけるために
両親の命。代々伏見家の定めのようなもの。
そこに自分の感情、両親に対する思いは力及ばず入る余地などない。
両親に自分の今抱いている思ったままの感情を伝えられたなら。
自分で、己自身でこの先の行く末を『選択』できたなら…それがどんな結末が待っていても…自由に心躍らせる瞬間が訪れるのではないか
そう、考えていた
そこで、茨。
七種茨という少年に出会い
そして別れるまでは。
間違いなく茨との出会いが
過ごした日々が、彼の言葉が
やがて伏見弓弦自身の行く末を、自らの『選択』で決める助けになった。
軍事施設での訓練が終了し、家に戻ると
涙を流し、己に縋り付いた主人の姿を見て。
『寂しかった』
主人の口からでたその言葉をきいて。
伏見弓弦は気づいた
今の主人の姿、そして伝わってくる感情は、自分が軍事施設にいたときに感じていたそれと同じだと。
そして伏見弓弦は決心し、誓った。
己のことを愛し、己の身を案じて涙を流す者がいる。その主人、姫宮桃李を守ると。ずっとそばでお守りすると。
まさしく己の『選択』によって、そう決めた。