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    primulayn

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    primulayn

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    りゅうくろ

    ふっと目が覚めたとき、目に入ったのは彼の顔だった。今夜も抱き合って互いの熱を求めて深く深く繋がって、いいところばかりを攻められていつものように意識を飛ばしてしまった。毎度のことと解りながらもやはり悔しさが残る。もぞもぞと動くと首の後ろに彼の腕が通っていて、これは腕枕をしてくれているのだなということがわかった。行為の後、こうして木村さんの腕の中で優しく抱きとめられていたのだろう。彼も目を伏せて静かな寝息を立てている。起こさないようにと思いながら、ずり落ちていた掛け布団を引き上げた。

    「ん……」

    彼のくぐもった声が落ちてくる。起こしてしまっただろうか。

    「……きよすみ」

    瞼がゆっくりと開き、夕焼けの色が灯る。少し掠れた声が耳に心地よく響いた。

    「起こしてしまいましたか?」
    「ん……そんなことないよ。清澄は大丈夫?」
    「ええ、大丈夫です」

    行為のあと、木村さんは必ず体調を気遣ってくれる。私も少しずつ慣れてきたのか、繋がっていたところが重く鈍い感覚を残すだけで身体にかかる負担はだいぶ軽減されてきたように感じる。私の返事に安心したのか、木村さんの太い指が私の髪に触れた。ゆっくりと上下に撫でられ、思わず目を細める。髪を撫でられるのは心地が良い。そのまま頬に滑り落ちてきた大きな手のひらにそっと頭を寄せると、そのままくいと引かれて甘い口づけが落とされた。

    「んっ……」

    触れるだけの優しいキス。のはずが、離れ際に乾いた唇をぺろりと舐められて、思わず赤面した。

    「きっ、きむらさんっ」
    「へへ」

    悪戯っぽく笑う彼に対抗するように胸のあたりをぺちぺちと叩く。よく鍛えられた肉体はどこもかしこもしゅっと引き締まっていて無駄がない。自分のような貧相な身体とは大違いだ。温かなその身体にぎゅっと密着すると、肌と肌が触れ合ってそこから体温が混じり合うような感覚に陥った。そっと回されていた右腕で抱き締められる。とくん、とくんと鼓動が聞こえてきて、私は再び目を閉じた。私の音も伝わってしまっているのだろうか、そう思いながらゆっくりと眠りに落ちていった。

    2022/5/21
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