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    3iiRo27

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    ritk版深夜の60分一発勝負
    第二十回 お題:「ピアノ」「禁止」
    類視点 両思い

    #類司
    Ruikasa
    #ワンドロ

    ある日の休日。
    フェニックスワンダーランドに工事が入ることとなり、「とある事情」も重なって今日の練習はなくなっていた。


    しかし、やはりというか。
    司くんもショーバカだし、僕もショーバカだ。

    僕は練習ができなくても演出に使う道具の作成は進めておきたかったし、司くんは司くんで脚本の作成と、必要な小道具の選定のために来ていた。

    費用の節約として、できる限り必要な小道具は使い回しをする。
    そのためには脚本の時点で小道具の選定をしておくのが一番いい、とは司くんの言葉だ。



    さて、そんな訳でワンダーステージに来た僕たちだけれど。








    「…これが、話に聞いたピアノか?」
    「そうみたいだね」



    その舞台の上には、どどんとグランドピアノが置かれていた。


    これが、練習ができなくなった「とある事情」だ。
    工事の際、どうしても土埃の届かない場所にピアノを移動したかったそうなのだが、運悪く他の場所もいっぱいになってしまい、場所がなくなってしまったそうだ。

    ワンダーステージは比較的離れている場所にあることから、野外ではあるがここならば土埃は届かないだろう、とのことで置かれている、という訳だ。



    「矢張りかなりスペースが取られるな」
    「そうだね。舞台の演出にピアノを弾くのもちょっと考えてはいたけれど、ここまでスペースが取られてしまうとなるとちょっと難しいね」
    「かといって、アップライトピアノだと流石に趣に欠けるしな」
    「アップ…?」

    首を傾げる僕に、司くんも首を傾げていたが、少しして気づいたようだ。


    「ああ。あんまり名前聞かないよな。すまない。アップライトピアノ。よく自宅とかにある小さめのピアノのことだ」
    「あ、あれそういう名前なんだね。確かにちょっと難しいかもね」
    「だよな。ま、それはさておき、早速始めるか!」
    「そうだね。時間も限られているし、早速始めようか。また後でね」
    「ああ、また後で」

    そう言って、小道具を閉まっている倉庫に向かう司くん。
    僕は演出を考えながら作っていくから、一旦舞台袖だ。

    さて、と気合を入れ、目の前の道具たちに向き直った。







    「……しまった。結構暗くなってきたな」

    ある程度一段落つき、道具作成の間に出てしまったゴミを捨てに少しステージから離れていた。
    離れているのも相まって、買いに行って戻る間に日がどんどん沈んでいき、暗くなっていく。

    早く戻って、司くんに声をかけないと。
    そう思い、早歩きでステージに向かう。

    その時だった。



    ~~~♪

    「……??」

    ピアノの音が、聞こえた。
    今日はどこもショーをやっていない。ゴミを出している間も、工事の音以外何も聞こえなかった。

    では、このピアノの音は?



    は、っと音の出処を思いつき、走ってその場所……ワンダーステージに向かう。

    近づくにつれ、ピアノの音が大きくなっていく。
    僕がついた時には、ちょうど曲が終わってしまったところだった。





    「…やっぱり」

    音の正体は、司くんだった。

    客席の一番上の中央にいる僕、舞台を照らす明かりも相まって、それはまるでピアノのコンサートのようだった。
    司くんの服装が、練習着であることを除けば。




    司くんは僕に気づかないまま、少し思案したあと、指を鍵盤に滑らせる。




    ~~♪

    彼の指から奏でられた曲は、僕も聞き覚えのあるそれだった。



    (………きらきら星?)

    少しだけアレンジが加えられているような指の動きをしているが、それはまさに「きらきら星」だった。
    何故、こんな簡単な曲を?と思ったのも束の間。



    ~~♪~~♪~~~♪
    「……っ!?」

    突如、メロディラインが変わった。

    弾いているのは、間違いなく「きらきら星」だとわかる。しかし、彼の動きはそれとはまた違うものだった。
    先ほどの簡単な動きとは一変、忙しなく動く彼の指。
    その指から。楽しそうな表情から。目が、離せなかった。




    ~~♪~…

    突然、音が鳴り止む。
    ハッとなって彼に目を向けると、彼もまた驚いた表情で此方を見ていた。
    どうやら演奏中に僕がいることに気づき、演奏を止めてしまったようだ。

    僕は小走りで彼の元に向かうと、彼もピアノの蓋を閉じ、ステージから降りてきた。


    「びっくりしたぞ、類!一体いつからそこにいたんだ!」
    「ちょっとゴミ出しをしていたんだ。それと、びっくりしたは僕のセリフだよ。まさか演奏してると思わなかった」

    僕の言葉に、司くんは苦笑しながら頬をかいた。

    「類がいないからどこかに行ったんだろうとは思っていたんだ。だがまあ待っているのも味気ないし、少しだけでも弾いてみたいなと思ってしまってな」

    なるほど、と思いながら先ほどの演奏を思い出す。




    「…司くん」
    「ん?なんだ?」
    「そのピアノの演奏。僕以外の人に聴かせるの禁止」
    「…は!?なんでだ!!?」
    「なんでって、そりゃあ…」




    楽しそうに身体を揺らしながら、でも指は忙しなく動いていた、あの演奏。
    その目は、慈しむように。でも楽しそうに感じた。

    ああ。なんて、愛しくて…そして。






    「あんなに綺麗にピアノを弾く姿、他の人に見せたくないからね」





    僕は案外、独占欲が強いようだ。
    そう思いながら言い、彼の指に一つキスを落とすと、司くんは真っ赤になりながら慌てていた。


    「なっ…なな、何を言ってるんだ!?」
    「ふふ。でも、本当のことだからね?…ああ、それと」
    「…………??」
    「今度は、僕だけのために弾いてほしいな?」



    にっこりと笑みを向けると、司くんは真っ赤なまま、ゆっくりと頷いた。
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    自分がいるのに玩具などを使おうとしていた🎈にふつふつと嫉妬した🌟は検証と称して………

    毎度の事ながら本編8割えろいことしてます。
    サンプル内含め🎈🌟共に汚喘ぎや🎈が🌟にお○ほで攻められるといった表現なども含まれますので、いつもより🌟優位🎈よわよわ要素が強めになっております。
    苦手な方はご注意を。

    本編中は淫語もたくさんなので相変わらず何でも許せる方向けです。

    正式なお知らせ・お取り置きについてはまた開催日近づきましたら行います。

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    18↑?
    yes/no

    余談
    今回体調不良もあり進捗が鈍かったのですが、無事にえちかわ🎈🌟を今回も仕上げました!!!
    色んな🌟の表情がかけてとても楽しかったです。

    大天才小粒まめさんとの合同誌、すごく恐れ多いのですがよろしくお願い致します!
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