棺いっぱいの彩りを ──
奇妙なサブスタンスを回収した。
一目で他とは違うと判断できるそのサブスタンスは、おそらく新種と思われるもので、特に怪我もなく回収を終えてラボにそのコアを届けたところ、ヴィクターがそれはそれはうれしそうにしていたのを覚えている。
まるでイルミネーションのように全身の色を次々と移り変わらせていくその奇妙なサブスタンスは、他の低レベルなサブスタンスとは違い、それなりに回収が難しくはあったものの、どうにか無力化をさせ、コアを取り出すことには成功した。
ただ、コアを取り出すその瞬間。
サブスタンスが発した、極彩色の奇妙な光を、直に。
イーストセクターのルーキーである、グレイが、その身に浴びてしまった。
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