おでん だんだん寒くなってきて、温かいものが恋しくなってくる。だから途端に恋しくなってしまったのだ。
「「うまっ・・・」」
そう、おでんである。
10月半ば頃から段々気温は下がっていって、11月にはもう上着が必要な程度には寒い。仕事が終わるころには体感温度はさらに下がって、温かいものが恋しい季節になってきた。
(別に地下だし執務室も寒くはないんだけどねぇ。仕事が終わったらコンビニでも行こうかな。)
便利な世の中になったものだ。自分で作らなくてもそこそこのおでんが手軽に食べられる。
(何食べようかなぁ。)
「おでん、おでん。」
仕事が終わって、昼から思いを馳せるおでんが口から洩れる。
「おい」
後ろから聞き覚えのある声に呼び止められて振り返る。そこには日光が立っていて、自分が呼び止められたことがわかる。
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