熱中症対策 ぱち、と目が覚める。時計を見やるとまだ時間はあって、あと一眠りできそうな程度だった。
熱中症対策で付けたままになった冷房は、静かに仕事をしていた。山形を湯タンポにして寝ていたために、特に体が冷えて寝付けない、と言うことはない。またすぐ眠気がやってきて、山形の胸元に体を寄せる。暑くもなく、寒くもない。快適すぎるこの温度に、朝が来ることをうらめしく思ってしまった。
朝目が覚めると、東海道が腕の中で気持ち良さそうに寝息をたてていた。
部屋は適温より少し寒いくらいで、東海道も寒かったのか、と少し案じてしまう。確認のために足や手に触れて確認するが、特に冷えていると言うことは無さそうで安堵した。
「やまがたぁ、おはよう。」
「おはようさま。起こしちまったか?」
起床時間にはまだ少しだけ時間がある。少しだけ眠そうな恋人の顔にキスを落とした。
「や。もう起きるところだったから、問題ない。」
東海道はそう言いながら、すりより、脚を絡ませてくる。
「お前は温かいな。」
「めんごい。猫みだぇだな。」
あと少しでやってくる起床時間まで、東海道に体温を分けることにした。
互いに体温が上がりすぎて、時間が押したのはまた別の話である。