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    🍊みかん好きのオルカ

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    クリスマスの良い子へ


    荘園の良い子がプレゼントを貰う話。


    最大のネタバレ↓

    ハピエン!

    クリスマスカフェのジャックさん、エッチすぎません?完全にタイプ。胡散臭くて最高……という気持ちを込めた小説だよ!!!

    #リ傭
    mercenary

    クリスマスの良い子へ「メリークリスマス!」

     そう言ってプレゼントを配る荘園の仲間たちの中にアイツもいた。普段の暗めな衣装と対照的な白い服を纏い、顕になった口元でニコニコとしている。

    「ナワーブさん、プレゼントなの!メリークリスマス!」
    「メリークリスマス。ありがとな」

     受け取って礼を言えばエマは嬉しそうに笑ってレオの背に抱きつきに戻った。ロビーが袋を開けて美智子に見せている。中身は菓子らしい。
     荘園のクリスマスは豪華だ。ターキーを丸焼きにして、最後には大きな大きなクリスマスケーキ。仲間達と騒いだ後は大人の時間。この日の為に取っておいたいい酒を開ける。デミに毛布を掛けられて1日を終える奴も少なくないだろう。
     俺はその集団から1人抜け出した。アイツが振り向く気配がする。それに構わず廊下を歩く。後ろからは余裕のある靴音が付いて来た。

    「ナワーブ」
    「……寝る」
    「そんなこと言わずに」

     隣に歩み寄ったジャックに顔を逸らせば腕を掴まれ部屋へと連れ込まれた。

    「如何です?まだこの服の感想を聞いていないのですが」

     視線を上げていく。靴、スラックス、シャツ。
     口元が見えて、また視線を逸らす。

    「似合ってるよ」
    「今日は視線を合わせてくれないんですね」

     少し悲しそうな声だが、きっと彼はその理由を知っている。

    「ナワーブ、寂しいな」

     グッと顔を覗き込まれた。顔にぶわ、と熱が集まるのが分かる。

    「ち、ちかいぞ」

     直視できる訳がない。
     色気が、あり過ぎる。
     コイツが人らしい姿をしているのは珍しい。いつもと違うそれで既に緊張があるのに、その格好はなんだ。
     この衣装を用意したのは荘園の主人か?白の長いコートを肩に掛けて、その裏地の赤がラインの良い腰を際立たせる。
     そんな服装で口角を上げてみろ。
     とんでもなく胡散臭いのにその余裕らしさが恐ろしい程に魅惑的。視線を合わせられるはずがない。
     今日のお前は、いっそ暴力的だ。

    「俺は、帰るからな」

     もう爆発してしまいそうなくらいに心臓が鳴っている。幾らコイツと恋人とは言え、クリスマスだからと騒ぐ年齢でもない。いつだって同じ場所で過ごしているのだから。
     足早に部屋を出ようとする。

    「ねえ。今日はクリスマスですよね?」

     耳元でした声にぞわ、と腰が疼いた。
     優しく腕を回されている。それなのに逃さないというかの如く深く絡みついていた。

    「良い子にはプレゼントをあげよう」
    「…い、いらない」

     甘い吐息が耳に掛かる。声が弱々しくなってしまう。ジャックの腕を解こうとした手は腕を掴んだまま動けない。

    「じゃあ、私が貰おうか」

     低い声。掴んでいた腕を掴み返されて胸に引き寄せられた。じゅう、と首筋を吸われる。

    「私は『良い子』ですから。プレゼント、くれますよね?」

     ばさり、とコートの落ちる音がした。



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    🍊みかん好きのオルカ

    DONE調子のよいベッド


    体調不良を隠す傭兵君と、休日を過ごす恋人のリッパーさんの話。


    最大のネタバレ↓

    ハピエン!

    体調不良ってベタなのにネタは尽きない…いいジャンルだ…!!!
    今まで人に頼らず生きてきた傭兵君は不調時に傍に人が居てくれる感覚に慣れていないといいな…とう妄想。
    慣れていないから良い事は無いと決め付けて遠避けてしまう。
    そうやって誰も守ってくれない自分を守っている。
    調子のよいベッド 心音で身体が揺れる。
     草を踏む音が煩い。
     暗号機から手を離して両手を着く。
     ぴぴ、がが、かんかんかん。
     余韻が頭から離れない。
     地面を蹴る音が近くなる。焦るような短いものとゆったりとした音の幅。心臓が跳ねていく。
     暗号機から手を離して振り返る。飛び込んできた仲間を視界に認めてすぐ、立て掛けてあった板を倒した。
     呻き声を上げる姿を目の前に据えて、口の端を無理矢理上げる。

    「はは、いい気味」

     そのたった一言で、狩人の視線を一身に浴びる。身体を翻し挑発して踊るように駆ける。後ろで板を踏み抜く苛立たしい音がする。何も変わらない、仕事の始まり。


    「おつかれ!」
    「トレイシー。ナイチェ」
    「ナワーブのお陰だよ!いつもありがと」 
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