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    本日の司は稽古を休む。

    お題「戦争とギャグ」
    15分トレーニング 2

    787文字(所要時間約1分)

    ##司と類

    「今日は良いプリンを買っていかなければならないからな!」

     と、天馬司は高らかに言い放つ。
     高校の終礼後、急に類の教室へ来たかと思ったら、彼は今日の舞台練習を休むと宣言し、ついでにそんな理由を告げてきたのだった。

    「プリン?」

     いつものようにのんびりと帰り支度をしてた類は、あっけに取られたまま彼の大げさな身振りを見つめながらそう返す。
     彼は少しばかり切羽詰まっている。
     まぁ、彼が練習を休むという時の理由は一つしかなかったので、だいたいの予測はついているのだが。

    「そうだ、プリンだ! 済まないが、今日の進行は類に頼んだぞ」
    「わかったよ。任せて。……ただ、」
    「ただ?」
    「今日からシブヤデパートでは、世界プリン博覧会があるそうだよ。そこになら、彼女が満足できるプリンがあるんじゃないかな?」

     類が一つのアイディアを与えてやると、司は「そうか!」と素直に聞き直り、挨拶もなしに部屋を駆け出していく。
     類はそんな彼の後ろ姿を見つめている。

     昨日、彼と連絡を取っていてよかった。
     次の舞台のアイディア出しをしながら電話をしているその最中、彼は血糖値を欲して『甘いものが食べたい』と言って、『ちょうど』冷蔵庫にあったプリンを食べながら話していたのだった。

     彼は意外にも何かしらに没頭すると、それしか見えなくなるタチだ。
     類もよくそうなるのでその気持は想像できる。
     昨日、電話を切った後の夜の連絡が途切れたのもその証拠として挙げられるのだろう。

     彼が食べたのは恐らく、愛すべき妹の『非常食』。
     あの後あったであろう戦争の様子を想像し、類は少しだけふふ、と笑う。

     そしてその後に彼のため、近場の菓子売り場で最適な店を見繕っておいて本当に良かったなと思う。
     明日は、彼らの端末をなんともなしに聞いてみようと思う。
     まぁ、あの天馬司の事であるので類が聞かずとも、勝手に一人で話し始めるのだろうが。
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    TRAINING司の作るカリカリベーコン

    お題「嘘の夜風」
    15分トレーニング 20

    1372文字(所要時間約3分)
    妙に気だるい朝だった。目を開き、辺りを見渡すが照準が合わない。もぞもぞと動いてみるが、肩と腰が妙にぎくしゃくと軋んでいる。
     類は、元より低血圧である。だから起きがけの気分は大抵最悪なのではあるが、今日のそれはいつもの最悪ともまた違う、変な運動をした後のような気だるさがあるのだった。

    「類、起きたのか?」

     まだ起ききっていない頭の片隅を、くぐもった通る声が聞こえてくる。司の声。どこから声をかけてきているのか。それに、妙な雑音が彼の言葉に混じって聞こえ、よくよくその場所を判別できなくなった。

    「……起きてるよ、たぶんね」

     重い体を何とか起こしてみる。体に巻き付いているシーツがいつもと違う。自室にあるソファに投げ捨てられているシーツでも、家の中にあるベッドとも違う、少し手触りの良い物だ。それに、類は今、何も身につけていなかった。
     布団を通り抜け、ひやりとした風が入り込んでくる。少し回復してき思考が回り始めてからようやく、昨日、司の家に泊まったのだと思い出すのだった。

     司は、大学に入ってから一人暮らしを始めた。類はそんな彼の現状を甘んじて受け止めて、よくよく彼の家に泊まるよ 1422

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    TRAINING学校でキスをする司類

    お題「真実の策略」
    15分トレーニング 14

    1620文字(所要時間約4分)
    触れ合う唇が熱を帯びてきて、ほんのりと身体が暖かくなってくる。
     彼がいつまでも離れてくれないせいで、荒く上がってきた息が二人の間にこもってしまう。
     一度、離れたと思ったらまた唇の真ん中を食まれてしまい、思わず声が漏れていく。

    「あ、」

     しかも、そこで思わず唇を開いてしまった一瞬の隙を目ざとく見つけられてしまい、彼の柔らかな舌が類の口内に割り込んでくる。
     ぬるぬると、けれど類の舌を味わうように、彼はキスという愛撫を続けていく。
     彼の舌に翻弄されたまま、けれどそれを続けてほしくなってしまった類は、その場所から一切動けなくなってしまうのだった。

    「――司くん、キス、上手くなったよね」

     長いキスを終えた後、ようやく開放された類が呟くように言う。
     ここは学校である。これ以上、二人唇を合わせていたらとても大変な事になってしまう。
     類は自身の感情とは逆に理性をもって、何とか彼を引き剥がして開放されたところだった。

    「……ああ! 色々と、研究したからな!」

     一方の司は、類と同じように息を上げながら、しかしどこか爽やかにそう言うのだ。
     もとより、全てに対して一直線で素直す 1577