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    学校でキスをする司類

    お題「真実の策略」
    15分トレーニング 14

    1620文字(所要時間約4分)

    ##司類
    #司類
    TsukasaRui

    触れ合う唇が熱を帯びてきて、ほんのりと身体が暖かくなってくる。
     彼がいつまでも離れてくれないせいで、荒く上がってきた息が二人の間にこもってしまう。
     一度、離れたと思ったらまた唇の真ん中を食まれてしまい、思わず声が漏れていく。

    「あ、」

     しかも、そこで思わず唇を開いてしまった一瞬の隙を目ざとく見つけられてしまい、彼の柔らかな舌が類の口内に割り込んでくる。
     ぬるぬると、けれど類の舌を味わうように、彼はキスという愛撫を続けていく。
     彼の舌に翻弄されたまま、けれどそれを続けてほしくなってしまった類は、その場所から一切動けなくなってしまうのだった。

    「――司くん、キス、上手くなったよね」

     長いキスを終えた後、ようやく開放された類が呟くように言う。
     ここは学校である。これ以上、二人唇を合わせていたらとても大変な事になってしまう。
     類は自身の感情とは逆に理性をもって、何とか彼を引き剥がして開放されたところだった。

    「……ああ! 色々と、研究したからな!」

     一方の司は、類と同じように息を上げながら、しかしどこか爽やかにそう言うのだ。
     もとより、全てに対して一直線で素直すぎる彼の本質は、運動系と文系で区分けると前者になった。その逆で内向的な類にはあまり予想だにしないところなのではあるが、何だか彼は、こういう時に、たまにスポーツをしているかのような、謎の爽やかさを醸し出すことがあるのだった。

    「そうかい、随分と、熱心なことだねぇ」

     熱く火照った身体を開放すべく、彼を向き合ったまま、類はゆるく着崩していたYシャツをパタパタと動かした。司は、何故かこちらから目を離してはくれない。

     緩やかな昼過ぎ、人々の喧騒がはるか遠くに聞こえている。
     一階、階段下の薄暗がり。
     元々は避難経路として用意された場所で、学校としては裏口よろしく小さな扉のような物が一つだけある空間だ。けれど、学生が悪事を働かないように封鎖されたその扉を使う者は誰一人としておらず、結果として、この場所自体が密かに学生がたむろして、秘密の何かをする場所としてひっそりと認知されているのだった。
     類も、その事はもちろん知っている。それどころか、仲良ろしく睦み合う男女を、何度ともなしに見てしまった事だってあるのだった。

    「だが、類が、ここへ誘ったんだろう?」
    「……まぁ、そうだけどねぇ」

     緩やかに視線を外したまま類は静かにそう返す。
     司と類。同じ学年・隣同士の教室で接点を作ろうとすれば作れるけれど、あまりにも人が多すぎるこの学校という場所は、意外にも『二人だけ』の時間を作り出すことができなかった。
     パフォーマンスという悪事を働こうとすればそれができるのに、なぜだろう、そういう意味で彼と二人きりになろうとすると、類はなかなか上手く彼を誘い出すことができなかったのだった。

    「類、これで最後だぞ」
    「ん、」

     少し性急な動作で司は三度唇を合わせてきた。これまでの、熱を持つようなキスとは違う、柔らかで、類を慰めるようなキス。一瞬、ふるふると体中に暖かな熱が走ったかと思うと、すぐに唇が離されて、熱がやわらかく開放されてしまった。
     けれど、それでなんともなしに満足してしまう。
     体中の熱という熱が一度ぐるりと一周し、ほかほかとやわらかな優しさに包まれたようで、気持ちが緩やかに高い場所へと上がっていく。

     昼休みの残り時刻はあと五分。
     そろそろ教室に戻らなければ、次の授業が始まってしまう時となっていた。
     司は「もう、行くぞ」と類の手を取り階段裏からの脱出を果たそうとする。

     一見、冷静な彼だがそこを出てもなかなかつないだ手のひらを離してくれることはなかった。
     それが、少し嬉しかった。



    [20210412]
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    TRAINING司の作るカリカリベーコン

    お題「嘘の夜風」
    15分トレーニング 20

    1372文字(所要時間約3分)
    妙に気だるい朝だった。目を開き、辺りを見渡すが照準が合わない。もぞもぞと動いてみるが、肩と腰が妙にぎくしゃくと軋んでいる。
     類は、元より低血圧である。だから起きがけの気分は大抵最悪なのではあるが、今日のそれはいつもの最悪ともまた違う、変な運動をした後のような気だるさがあるのだった。

    「類、起きたのか?」

     まだ起ききっていない頭の片隅を、くぐもった通る声が聞こえてくる。司の声。どこから声をかけてきているのか。それに、妙な雑音が彼の言葉に混じって聞こえ、よくよくその場所を判別できなくなった。

    「……起きてるよ、たぶんね」

     重い体を何とか起こしてみる。体に巻き付いているシーツがいつもと違う。自室にあるソファに投げ捨てられているシーツでも、家の中にあるベッドとも違う、少し手触りの良い物だ。それに、類は今、何も身につけていなかった。
     布団を通り抜け、ひやりとした風が入り込んでくる。少し回復してき思考が回り始めてからようやく、昨日、司の家に泊まったのだと思い出すのだった。

     司は、大学に入ってから一人暮らしを始めた。類はそんな彼の現状を甘んじて受け止めて、よくよく彼の家に泊まるよ 1422

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    たまぞう

    DONE先にポイピクに載せます。
    日曜になったら支部に載せます。
    将参のお話。この間のとはセカイは別になります。
    ちょっと痛いシーンがありますがそこまで酷くないです。
    寧々ちゃんが森の民として出ますが友情出演です。
    最初と最後に出ます。
    何でもいい人向けです。
    将校は参謀と同じ痛みを感じて(物理的)生きたいというよく分からないお話ですね。
    誤字脱字は見逃してください。それではどうぞ。
    将参(友情出演寧々)「ねぇ、その首の傷痕どうしたの?」
    「っ、っっ!?」

    仕事の休憩中に紅茶を飲んでいた時のこと。
    正面の窓から現れた少女に私は驚き、口に含んでいた紅茶を吹き出しそうになった。

    「っ、ごほ…っ、げほっ、ぅ………。来ていたのですか…?」
    「うん。将校に用事があって……というか呼ばれて」
    「将校殿に?」

    森の民である緑髪の少女ーーー寧々は眉を顰めながら、私の首をじっと見つめている。そこには何かに噛み千切られたような痕があった。

    あの日のことを話そうか、少し迷っている自分がいて。
    どうしようかと目線を泳がせていると、寧々が強い力で机を叩く。

    「ほら!話して!」
    「………わっ…!わかり、ました」








    あまりの気迫に押された私はぽつりと語り始めた。
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