本音ある暑い夏の日、蝉が元気よくジジジ……と鳴いている。俺はそんな光景を窓から見ている。
炎天下の日にはいつも「あの日」のことをどうしても思い出してしまう。
そんなことを考えていると、後ろから元気に俺の名前を呼ぶ声が聞こえる。ミツだ。俺たちは付き合っている。もう1人やかましいヤツもいるんだけれど。
三月「大和さ〜ん!!こんなところで黄昏てどうしたんだよ?」
大和「お前さんはいつも元気でいいよな、ミツ」
三月「いや、オレよりもナギのほうが元気だろ?」
そう。おれのもう1人の恋人とは六弥ナギのことである。ひょんなことから俺たちは3人で付き合うことになった。
三月「おーい、大和さん聞いてる?」
大和「ああ、聞いてるよ」
三月「なんだよ、なんかあったのかよ?」
大和「なんにもないよ、心配かけてごめんな、ミツ」
三月「まあ、話したくないならいいけどさ。オレたち付き合ってるんだし、もっと頼ってくれていいんだからな?晩酌付き合うよ」
大和「ありがとう」
夜になり、みんなが自分の部屋に戻ったあと、ここにいるのは俺たちピタゴラ3人だけだ。
ナギは明日オフだから、ということで俺とミツの晩酌に付き合ってくれることになった。
三月「んで、大和さんが昼間に話せなかったやつ、あれはなんだよ?」
ナギ「私も気になります。ヤマト、please」
大和「どうせ、お前らにはわからないよ……」
大和「(あああぁぁぁ……酒の勢いで言ってしまった。2人はなにも悪くないのに)」
三月「言わなきゃわかんねえだろ?」
ナギ「なにを恐れているのですヤマト」
大和「……たい……して」
ナギ「oh......ヤマト、もう少しボリュームアップできます?」
大和「俺だって……甘えたいし甘やかしてほしい……。けど俺、甘えるの下手だし……なにより…………恥ずかしい……。」
三月・ナギ「(驚いたあと笑う)」
三月「なんだよ!そんなことかよ!いいんだよ大和さん。オレたち恋人なんだからさ!いつだって充電していいんだよ。大和さん、いつもオレたちのために頑張ってくれてんだからさ」
ナギ「そうですよヤマト!ワタシたちは逃げたり隠れたりしません。ヤマトが望むことなら叶えてあげますよ。ヤマトがヤマトでいる限りずっとそばにいますよ。」
大和「お前ら…………」
ナギ「ミツキ、ヤマト!ハグしましょう!!」
大和「ちょ、ナギ苦しいって(笑)
でも……ははっ、こんなすぐ願いが叶うなんて……もっとはやく言えばよかったな」
ナギ「そうですよ!ヤマトは甘えることに臆病すぎます!もっと傲慢になっていいんですよ」
三月「オレも大和さんの気持ち、わからなくはないけどさ。でもオレは、2人になら甘えられるなって。安心して頼っていいんだなって思えるよ。だから、大和さんもオレたちに対してそうであってほしい。ほどほどの関係なんて思わなくていいんだよ」
大和「ああ……ありがとう2人とも。ありがとうミツ、ありがとうナギ。お前らと一緒にいれて嬉しいよ。本当にありがとう」
ナギ「ヤマト、聞かなくても分かりますが。Are you happy」
大和「YESに決まってんだろ!!!!(笑)」
このあと調子に乗って酒を飲み散らかした成人組2人は、次の日の朝二日酔いになり、一織に怒られたとか…………