連絡を受けたレッカがアンドロイドを目にも止まらぬ速さで殲滅して向かった先には、真っ赤に染ったカイがいた。
「レッ、カ…か?」
「カイ……!」
隊員が必死で手当をしているものの、それよりも早いスピードで出血が進んでいく。血の量から見て、もう助かる見込みはほぼないと言っていいだろう。
「なんっ、で来たんだよ…」
「来るに決まってんだろうが!オレ様のいないところで勝手に死にやがるなんて許さねぇからな!」
「お前、うるせぇよ…」
「つーかテメェ喋んじゃねえよ、傷ふさがらねぇだろうが」
「どうせ、もう塞がらねぇよ。お前だって…見れば、わかるだろ」
「うっせぇ!喋んなって言ってんだろ!!」
いつもなんだかんだ冷静なレッカが動揺しているのは珍しい。カイは自分の事がレッカをそうさせてるのだと思うと少し嬉しくて笑ってしまった。
「チッ…なに笑ってんだよ」
「別に。なぁ、レッカ」
「んだよ。喋んなって…」
「いい、から…聞けよ」
「……」
大人しくなったレッカを見てカイは言葉を零していく。出血多量により体内の酸素循環が上手くいかず少しずつになりながらも、カイはレッカに言葉を、想いを告げていく。
「最後に……見るのがレッカで、よかった」
「オレ様を勝手に置いてくんじゃねぇよ…」
「俺の、ぶんまで、いきろよ、…レッカ」