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    urushiuru

    小説に成らなかったもの's

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    urushiuru

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    お久しぶりに書いたキバナ夢小説。リクエスト頂いた、キバナと幼馴染の女の子の話。最後はどことなくヤンデレ風味……。

    #ポケモン
    Pokémon
    #キバナ
    Raihan
    #夢小説
    dreamNovel

    キバナ×夢主(notユウリ) 🌸にとってキバナは、幼い時から目に痛い存在だった。明るく前向きで、社交的で皆の憧れ。彼が「ポケモンチャンピオンになる!」と言った時は、誰もがそれを応援した。そして「キバナのライバルはオレだ!」とばかりに、こぞって腕を競い合う。そう言った周りの環境が、🌸には苦痛で仕方なかった。

    「🌸ちゃんの、将来の夢は?」
    「……ポケモン専門の、ケーキ屋さん」
    「えぇ? ポケモンリーグに出ないの!?」
    「でも🌸ちゃん、ポケモン連れてるよね? それで良いの?」

     子供と言うのは残酷だ。仲の良い女友達との何気ない会話で、🌸の心はズタズタに引き裂かれた。まるで、ポケモンリーグに出ないのが間違っているかのような言い方。まるでそれでは、手持ちのポケモンが可哀想な言い方。
     やがれ🌸は、友達と会うのを避けるようになった。家に籠もって、お菓子づくりの勉強。そうやって過ごす時間は、🌸には居心地が良かった。

    「よっ! 🌸!」
    「……キバナ!? なんでここに……?」
    「甘い匂いに釣られてな。なぁ、なんか食べるものないか?」
    「そう言われても……。ポケモン用のクッキーならあるよ」
    「人間が食べても平気か?」
    「ダメに決まってるでしょ、ちょっと待ってて」

     自宅での料理中。窓からひょっこり顔を出したのは避けていたはずのキバナだった。彼は脇に相棒のナックラーを抱えて、「お腹が空いた」とへらりと微笑む。🌸は試作のポケモンクッキーを彼の相棒に。そして部屋のお菓子ボックスから、キバナへと別のお菓子をプレゼントする。

    「上がって良いよ」
    「やった! へへ、お邪魔します!」

     嬉しそうにキバナは笑い、🌸と一緒にお茶に時間を楽しんだ。
     それから二人は週に一度、🌸の家で、一緒にお茶の時間を過ごすように。キバナの語る夢や冒険は、🌸をとてもときめかせた。周りの目がないからだろうか。キバナの話を🌸は素直に賞賛し、褒め称えて「すごい!」と手を叩いた。

     そう言った生活が、どれだけ続いたことだろう。ある日🌸は、同じ年頃の女の子に呼び出される。内容はわかりやすく、「キバナに近づかないで」だった。キバナと向かい合える様に、自分は必死にポケモンと戦っているのだと。それを横から、かすめ取るような真似はやめてくれと。その言葉を聞いて、🌸は心が重くなった。「目的は違えと、私だって頑張ってるよ」と言う気持ち。「キバナへの恋心のために、あなたは頑張ってるの?」と言う気持ち。そして何より、まるで自分を下に見た発言。だけどそれに対して、🌸はなにも言えなかった。自分の気持ちを、上手く伝えることができなかったのだ。
     結局その後、🌸は親の転勤により他のタウンへと移る事に。いつもの様に、🌸の家へと訪ねてきたキバナ。そんな彼に「もう会えない」と伝えると、「メールだってあるんだし、大丈夫だ! また落ち着いたら、一緒に会おうぜ」と言われる。”もう会いたくない”と、🌸は言えなかった。キバナが嫌いな訳ではない。だけど彼は、どうしたって人に好かれやすく、人を引きつけるそんな存在だ。そんな彼の存在は、🌸には気が重い。

     そうして幼少期の二人は分かれた。キバナから届いたメールは、一度も返事を返さずアドレスを変えてしまった。




     そして数年後。🌸は自分の夢を叶えて、小さなポケモン喫茶で働いていた。スイーツばかりを作るわけではない。ポケモンの食事ばかりを作る訳ではない。しかしポケモンの同伴OKのその店は、巷では有名な喫茶店だった。

    「……🌸?」
    「……!」

     店で働き出して、ようやく仕事に慣れた頃。店に偶然、試合終わりのキバナがやってきた。一目でお互いを、幼なじみの存在だと気づく。立派な男性になったキバナにときめくと同時に、一緒の空間に居る事に恐怖を覚える🌸。しかしキバナは気にしない。久しぶりの再会に喜びの声を上げる。

    「久しぶりだな! 元気だったか?」
    「うん、キバナも元気そうだね。……なんだかいつもテレビで見てるから、実際に見ると雰囲気が違うね」
    「そうか? オレ様はオレ様だぜ。なぁ🌸、キバナ様のサインいるか?」
    「じゃあ是非、貰おうかな」

     内心はドキドキ、びくびくしていた🌸。しかし滞りなく会話は続き、キバナはサインを書いた後、お持ち帰り用のケーキを買って帰って行った。

     彼はもう、あの幼なじみのキバナではない。トップジムリーダーキバナだ。そう認識し、🌸は少しの寂しさと安堵を覚えた。

     しかしその日から、キバナは🌸の喫茶店へとよく現れるようになる。キバナの特集などでも、「いま一番気に入ってる喫茶店」として紹介された。天井知らずの忙しさに、思わず🌸も目が回る。
     そのなある日、キバナはいつものように喫茶店へと現れる。忙しい忙しいと大変そうな🌸を見て、目を細めて微笑んだ。

    「忙しいうちは、どこかへ逃げる余力もないだろ?」

     ずっと昔に、自分の手から放れてしまった幼なじみ。周りに流されず確固たる夢をもって、貶されてもバカにされても、決してそれを手放さなかった。誰よりも気弱で、誰よりも臆病であるくせに。そんな🌸の真摯な姿勢が、キバナはずっと好きだった。

     だからこそ、今回。
     自分の人気と知名度を使い、🌸の外堀を埋めていくキバナ。🌸が気がつくその時には、彼女の逃げ場はどこにもないのだった。
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    urushiuru

    TRAINING初書きのカリ監。
    気遣いが空回りするカリムと、優しさと知りながら段々とそれにストレスを感じる監督生の話。

    短時間クオリティなので、加筆修正はしてません!!
    カリム×監督生♀ ようやく異世界環境と言うものに慣れてきた監督生は、モストロ・ラウンジでのアルバイトを検討し始める。しかしそれを知ったカリムは、「何が欲しいんだ? これで足りるか?」といっぱいマドルを差し出す。それに監督生タジタジ。

    「えっと……カリム先輩。お気持ちは嬉しいんですけど、このお金は受け取れません」
    「えっ……!? 🌸、オレの事が嫌いなのか!?」
    「いえ、そう言う訳ではなく……!」

     ショック!と分かりやすく顔に出るカリム。それを見て必死に、監督生は誤解を解いた。

    「カリム先輩の事は、お友達だと思ってます。だからこそ、お金を借りたくないんです……」
    「返さなくて良いんだぞ?」
    「余計にダメです!」

     監督生は必死に、「そのお金は受け取れない」と説得する。そんな監督生の姿に、カリムも「🌸がそこまで嫌がるなら……」といっぱいマドルを仕舞い込む。説得が通じたことに監督生感動。その場はこれで収まったが、カリムのアジームムーブはこんなもんじゃなかった。
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