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    kyou99999

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    #勝手に伏五ワンドロワンライ に参加させていただきました。
    お題「チョコレート」

    #伏五
    volt5

    「おっっっそい!」
    「え~、4分しか遅れてないしまだ開店前じゃん~。僕にしては頑張った方だよ?」
    「確かに先週よりはマシだけど、これは戦争なのよ。開店前到着は当たり前でしょ」

    五条悟と釘崎野薔薇はデパートの入り口に居た。まだ開店前であるにも関わらず、既に何人もの人間が集まっている。多くは女性で、ただでさえ目立つ五条が飛び抜けて人目をひいていた。
    世はバレンタインデー直前。気になるあの人に、恋人に、パートナーに、と甘い思い出を求めてチョコレートを買い求める人はもちろん、友人に渡す友チョコ買いに来る人もいる。しかし近年ではますます自分用に高級チョコレートを買い求める若い女性の需要が増え、それに則した商品を売り出す企業も多く存在する。
    今日2人がこの場所を訪れた理由も、この数日間だけ数量限定で販売されるチョコレートを自分用に入手するためだった。
    五条と釘崎は1月末から休みが合った日は毎回必ず東京近郊のデパートに繰り出している。釘崎は熱心に調べ物をし、各店の特徴や販売個数、販売時期などを調べることは苦にならなかったし、五条は荷物持ちや混雑した通路を切り開くことに長けていた。利害の一致である。

    「そういやそろそろバレンタイン当日だけど、先生は本命用買ったの?」
    「ん~まだ買ってないんだよね。ていうかほら、あんまり甘いもの好きじゃないじゃん? あいつ」
    「確かに。でも良いの? 今日バレンタイン直前の週末よ? 家泊りに来るんでしょ、あいつ。何か用意する時間なんて無いんじゃない?」



    「という訳で今年のバレンタインのプレゼントは僕! ということにしてみました!」
    「……それ一昨年のバレンタインにも言ってましたよね」
    「そうだっけ?」
    「そうですよ。しかもそれで津美紀の作ったチョコ食っただけで終わったじゃないですか」
    「そうだっけ」
    「そうですよ」

    伏黒は側で棒立ちしている五条を尻目に、今日買われてきたばかりの山になっているチョコレートを常温と冷蔵に分類しショッパーを片付けていく。毎週のようにチョコレートに埋め尽くされているはずの冷蔵庫は、次のチョコレートが家に来た頃にはかなりのスペースを開けて待っている。

    「だって恵あんまり自分から甘いもの食べないしさ、僕が隣で食べてるときに口元に持っていけば食べるから別にチョコは今更だしいいかなって」
    「別に何か欲しいなんて思いませんけど、もうちょっと何かなかったんですか。五条さん以外の物で」

    全てのチョコレートを冷蔵庫と甘味専用の棚に仕舞った伏黒はパタンと冷蔵庫を閉じ五条を見遣る。

    「でも僕のこと欲しくない? ほら、一昨年なんて僕らセックスするような関係じゃなかったし。今ならどんなプレイでもおねだりできるチャンスだよ? ほらほら」

    五条は伏黒の首に腕を回すと首はあざとくかしげながらも、下半身はいやらしくくねらせながら密着させる。しかし伏黒は顔色ひとつ変えずそんな五条の腰を抱いた。

    「それこそ別にどうでもいいでしょ。五条さん、既に俺のモンなんですから。したいことあったらバレンタイン関係なく言ってます」
    「う……めぐみ、いつの間にこんなに男前に……抱いて……」
    「そのつもりで来てます。飯食って風呂入るまで我慢してください」
    「うん……」

    来年からもバレンタイン直前の週末は予定を空けておこうと心に決めた五条だった。
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    kyou99999

    DOODLE第3回 お題「半分こ」 伏五版ワンドロワンライ「恵さ、前僕にプロポーズした時僕の人生半分背負うって言ってたよね」
    「唐突に何なんですか」
    「なんかふと思い出して」
    「言ってませんね。記憶違いです。あとプロポーズはまだしてません」
    「え~言ったよ~」

    ごろごろとベッドの上を転がる五条の姿は、今から色事に及ぼうとしている人の様には全く見えない。
    伏黒が浴室から戻ってくると、五条は既に全裸にサングラスという傍から見れば異様な格好で布団もかけずにスマホを弄りながら転がっていた。
    その姿は伏黒の欲を煽るというよりも、だらしがないという印象しか与えなかった。

    「ほらあの時さ、人生がどうとか時間どうとかそういうの俺にくれみたいな事なんか言ってたじゃん」

    あの時、とは勢い余って五条に自身の想いを伝えてしまった時のことだろうか、と伏黒は当時の状況を思い返す。

    「まぁ似たような事は言いましたけど」

    伏黒は言葉を紡ぎながら五条が転がるベッドへと腰かけると五条の髪を指で梳く。やっぱりちゃんと乾かしていなかったんだな、と伏黒はひとりごちた。

    「人生半分背負うなんて言ってません。アンタの人生なんて半分にしたところで通常の1人分以上の重さあるんです 1190

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