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    a_akai_chan

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    祓本解散一年後から始まる夏五②

    #夏五
    GeGo

    メイクアップアーティスト・Sの証言、繁華街の居酒屋にて

    珍しーじゃん、アンタが私のこと飲みに誘うなんて。てかアンタ普通にこんなトコいて大丈夫なの?まあこんな時間じゃあ、みんなベロベロの酔っ払いだから、こんなトコに「五条悟」がいても幻覚だって思うかもしれないけどさ。あ、大将、とりあえずビールひとつ、アンタは?メロンフロートってあります?…あ、じゃあメロンソーダとバニラアイスで、何よその顔、ないんだから諦めなさいよ、あとたこわさひとつ、もやしナムルひとつ、だし巻き卵ひとつ、あ、明太チーズの方で、あと牛ハツ刺し、刺身盛り合わせで。で、最近どうなのよ?寝る間もなく仕事三昧みたいだけど。しかもアンタ今度のドラマの主演やるんだって?いっぱしの芸人が、よくもそこまで成り上がったもんね。え?ヒロイン役のアイドル?…あー、そうね、いい噂は聞かないわよ。あの子共演者とかにはいい顔するけどスタッフには当たり強いし性格悪いって。スキャンダル狙われないようにアンタも気をつけたほうがいいわよ。私?私は変わらないわよ。最近は双子モデルについてる。アレよ、禪院の。最近人気出てきた双子。双子なのに性格は真逆だし、妹のほうがいつもお姉ちゃんに突っかかってるし、姉は姉で気が強いし、なんだかあの騒々しさ、昔のアンタたちを見てるみたいで懐かしいわ。
    あ、はーい、ホラ、アンタの分。じゃ、乾杯でもする?はは、そうね。そういう感じでもないか。
    じゃ、とりあえず、さっさと本題に入りなよ。
    アンタ、そんな無駄話がしたくてわざわざ時間縫って私の事呼んだ訳じゃないでしょ?
    どうせ、夏油のことだろうけど、さ。
    …先に言っとくけど、私はアイツの居処なんて知らないよ。連絡も取ってない。ただ、数ヶ月前に一回、写真だけしか送られて来ない謎の迷惑メールが来たことがあるけどね。だからまあ、どっかで無事に生きてるとは思うよ。え?場所までは分かんなかったけど、なんか雪降ってるだけの写真。アンタから見せてもらったアイツの意味わかんない手紙、ヒマラヤとか書いてあったけど、アイツ、マジでアルピニストになってエベレスト登頂する気?だったらウケる。そんなに山が好きそうだとは思わなかったけどね。でもアイツ変なとこ凝り性だから、お笑いの頂点の次は山の頂点でも目指す気かもね。
    何、あの日の夏油の様子?…さあ。別に普通だったと思うよ。メイク室で見た時は、メチャクチャ緊張してたけどね。それで、優勝が決まった後は、トロフィー見つめてキショいくらいニヤニヤしてた。普通に喜んでたと思うけど。だからさ、アイツがあんなバカやるなんて、私も思ってなかった。…話はしてない。控室への戻り際に「おめでと」って言ったら「ありがとう」って言ってた、それくらい。私別件の仕事あったから、その日の打ち上げにも行けてないし。
    ていうか、夏油の様子だったら、私よりアンタのほうが分かってるはずでしょ。アンタたち同じ家に住んでんだから。
    それに夏油がああいう意味分からないことするのって、だいたいアンタ絡みでしょ。
    優勝の日の夜、アンタ等の間に何かあったんじゃないの?またアンタが何か余計なこと言ったとか。
    ………何その顔。心当たりありそうじゃない。ま、言いたくないなら良いけど。でも、間違いなく原因はアンタよ。それだけは火を見るよりも明らかだもの。まあ、アンタも一年経って、どうしてまたアイツのこと探し出したのかは知んないけど、ま、やるからには精々頑張りなよ。あんなバカやらかした奴を早く引きずってもう一度舞台に蹴り出してやんな。そしてまた私をアンタらの専属にして、そんで給料も弾みなさいよ。それに、秘密だったけど、私もアンタたちの漫才のファンだったんだから。アンタたち、コンビ組んだ頃は喧嘩ばっかりだし常にピリついてて最悪だったけど、今じゃアンタ達以上の漫才師って居ないって思ってる。悔しいけど。あの日のアンタたちの舞台、最高だった。多分、みんな同じことを思った。あれで、世間の心を鷲掴みにしたまま、逃げおおせるなんて、ちょっと卑怯だよね。
    あ、大将、黒霧島をロックで。あと…



    五条悟の記憶の断片①

    俺達は最強だ。
    「ありがとうございましたー!」
    相方の声が響くと同時に、爆音のような拍手喝采が耳に届いた。多分、優勝だ。マイクの前で頭を下げながら、俺にはそういう予感があった。観客の笑い声や審査員の顔を見て分かった。
    柄にもなく興奮しているのがわかった。あれ、こんなに漫才って楽しいもんだったっけ?俺こんなに漫才好きだったっけ?覚えてない。それとも隣にいるのがコイツだから?コイツとやる漫才だから。多分そうだ。コイツだからだよ。この奇跡はコイツとしか生み出せないんだ。
    傑と一生漫才をしていたい。
    その時走馬灯のように脳内を駆け巡る記憶があった。コイツとコンビを組んだ時のことだ。
    あれは確か冬だった。地方に営業に行って、出番終わりに寒さを凌ぐために寄ったカレー屋で、俺が急に台本無視してアドリブばっか入れ出したことにネタ担当の傑がキレたんだった。んで、俺も俺で、事務所の方向性で無理矢理コンビ組まされたことが本当に癪だったから、その日のネタ滅茶苦茶にしたのは自分のくせに、「あの位のアドリブ対応できないお前のツッコミの力量の無さが悪いんだろ」と堂々と言い放った。今更ながらあれは理不尽な文句だったと思う。今じゃこんなに最高の相方は居ないっていうのに。その時の傑の顔。今でも覚えてる。言い返す言葉がなかったのか、悔しそうに口を引き結んで。でもこっちを見る眼差しはただただ強くて、そこにはとてつもなく固い意思があった。
    「……君のことは本当にムカついている、気に食わない、けどね、コンビを組んだからには、絶対に君と頂点を取る」
    そんなにも何がコイツを突き動かしているのか、俺は不思議でならなかった。ただ、今までのどんな奴よりしぶとくて、どんな奴より面白そうだな、と思った。俺は黙ってスプーンで掬った白米とルーを口に入れた。その店のカレーは美味しかった。
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    a_akai_chan

    MEMO男モブファン視点祓本夏五
    エロはまだない
    『ーーーじゃあ、今週はこの辺で。また来週お会いしましょう』
    『じゃあなーお前ら。放送見てくれてサンキューな』
    画面に映る二人の男が、締めの言葉を口にしながら手を振っている。
    「ふぅ…今日のじゅじゅちゅーぶ放送で投げたスパチャはざっと50万くらいか…記念放送だし、今日はいつもより多めに投げてみたけど、さとぴ、喜んでくれたかな…?」
    俺はパソコンの画面を確認し、ふー、と息を吐き出しながらデスクチェアの背もたれに深く背中を預けた。今をときめく超売れっ子芸人コンビ、祓ったれ本舗、通称祓本。
    そのコンビの結成一周年記念のネット生配信が本日行われたのだった。俺は結成時から祓本を追っていたファンのひとりと言うこともあり、いつもよりサービスの多い記念放送は、俺にとっても有意義なものだった。
    「それにしても、今日のさとぴも可愛かったなァ…」
    俺は今日の放送でのさとぴの天使のように可愛い顔を思い出し、胸いっぱいに沸き上がる幸福感を噛み締めた。
    祓ったれ本舗。名もないルーキーから瞬く間にのし上がり、現在は人気絶頂の漫才コンビ。俺はそのコンビの片割れ、五条悟(なお、ガチファンの間での呼称は『さとぴ』である)と 6629

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    初春おもち

    MEMO灰七転生ifと言っていいかもわからない、強引な転生if。メモ。お焚き上げ。
    僕らは何度だって恋をする(草案)灰原が死んで、あまりの辛さに七海が一時的に入院してる時に、看護師を目指す為に病院に見学に来ていた灰原と同姓同名の瓜二つの灰原雄と出会う。話すも、七海の事は覚えていない。けれど、高専がかつて、希望者に降霊術で反魂を行う事があるという事を知っていたので、家族に問い合わせると、家族が呪術高専に頼んで降霊術によって特別な仮死状態の身体に灰原の魂を移して、灰原は第二の人生を呪術とは無縁の世界で生きているのだという。それをれ知った七海は心を掻き乱される。灰原は七海の記憶を失っている。けれど、七海の事を思い出して欲しいとも思う。けれど、呪術時代の頃は思い出す事が不可な縛りによって降霊術が成功していると家族から聞かされ、それは不可能。もう七海とは関わりたくない。離れて欲しいと家族には言われるけれど、七海は呪術師である事を隠して、灰原に近づき、少しでも一緒にいたくて友達になり、距離が近過ぎて戸惑う灰原に思わずキスしたりして、灰原を戸惑わせ、けれど、離れられず、そんな七海に灰原も惹かれるようになり、また2人は恋に落ちる。恋人として過ごすも、渋谷事変以降、灰原は七海が突然いなくなって動揺する。七海が死んだ後、家族がまた呪術高専の降霊術によって魂をまた特別に呪術高専が用意した仮死状態の身体に受肉させ、魂の形に引っ張られて姿形は同じ七海になる。けれど、その時はもう灰原とは会えないし、灰原の事は忘れている。だから、渋谷事変の前に万が一を考えて、灰原に自分の事を好きにさせておいて、突然いなくなる事を許して欲しいとだけ手紙に書いて、灰原が訪ねてきたら、渡して欲しいと母親にことづける。それは呪術の事を知らない、思い出してはいけない灰原にくわしくは話せないから簡素。仕方がないが、その手紙で納得する灰原ではない。七海を探す灰原。家族に聞いて、居場所を教えて貰って、パン屋で働く七海に出会い、初めましてだね。と、何度でも僕らは恋に落ちるみたいな少し切なくも強引な話。転生if?  2人とも呪術時代の頃は死んで降霊させられた後は忘れているので、出会うたび初対面だけど、惹かれるという設定。
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