D:酒やら雰囲気やらに飲まれると碌なことにならない。うっわ、本当に飲み過ぎだよ?!ちょっと、その辺で吐かないでよね!!??吐くならトイレで…
ん?落ち着いた?うん、吐くのは体力使うからね、吐かなくて済むならそれで良いよ。
まだ、その辺りの区別がつくうちに切り上げよう?
ほら、水分摂って。オシッコ出るならそっち出し切っておいで。トイレいく?行きたいなら付き合うから…
大丈夫?うん、力尽きないようにね。
…だいぶん時間かかってたみたいだけど、ほんと、大丈夫?もう帰ろう?今ならまだ君も歩けるみたいだし、ギリギリ肩貸してあげられるよ?
うん、マスターもその方がいいってさ、楽しいのはわかるけど、流石に、ね。ジョンも家で待ってるし、帰ろうね。
皆さん、お見苦しくてすまなかった。ほら、バイバイして。もう飲まないよ!
君のいい顔を見てるのは楽しいけど、でも、やっぱりそんな、ふわふわ、ふにゃふにゃしちゃってるのはどうかと思うよ。ましてやあんなに人がいるところでは尚更。
そういうのは、ウチだけでやってもらえる?人に迷惑って言うのもそうだけど、何より、こんな可愛い状態を、他人の目に触れさせたくないじゃない?
いい加減君は自分のポテンシャルを針の先くらいは分かってくれても…いや、針一本分でも全くもって足りないんだけど…まぁ、つまり、自覚と、危機管理をもっとすべきだと言う話なんだよ。わかる?じゃないと、私、君をどうにかしてしまうかもしれないよ?
…あー、適当な返事したって、どーせ明日には忘れてるんだから。分かってるって。だからこんなこと言っちゃってるんじゃない。
ホントに、憎たらしいくらいに可愛くて、綺麗で、ピュアっピュアなんだから。今も君に肩を貸してるの、吸血鬼だって分かってるのか。そしてこの私だぞ。膝下が砂になり掛かってるのわざわざ我慢してまでこうやって運んでやってるんだぞ。そこまでやる意味はきっと分かってないんだろうな。まぁ、今は分からなくても、そのうちに嫌と言うほど分からせてやるつもりだけどね?
何がって、そりゃ、私の想いと、それに伴う執着の話さ。つまりは、私の心がまだ許しているうちに君はきちんと自覚をしないと、この空の下も歩けなくなるかもしれないということだね。そんなことはさせてほしくないし、したくないからそれまでに君の心ごと手に入れるつもりだけど。
…酔っ払いには難しい話だったかな?って今殺すなよ!?そしたら諸共地面に倒れるぞ!?!?今は助けられてる側だと言うことを忘れるなよ!?!?
はぁ、全く…そうだね。助けられる側になると言うことももっと慣れるべきだな。それも教えてやらねば。
だぁから今は揶揄ってる訳じゃないって。酔っ払いの癖にそういうところは元気だな。
ほらほら、もう家に着くぞ若造。後一踏ん張りしてくれ。
……何を今更しおらしく礼なんぞ。言うならもっと早い段階で言うべきだろうが。まぁ、その口から可愛い礼の言葉が聞けることなんてレアな事だし。酔っ払いだとしても、それだけでも良しとしようか。
そんな酔っ払いの脳内には残らないだろうし、可愛らしい今の君にこそ言っておくが、200年生きてきて、ここまで人間に執着したのは君が初めてだ。だからこそ、吸血鬼としての本能で、今の酩酊状態のまま、閉じ込めてしまうこともできる。それを私にさせないよう、君は早く自覚を持つことだ。
私が、ロナルド君を、好きで、愛おしく思っているって言うことを、早く理解してくれよ?
※※※以下蛇足※※※
「おはようロナルド君昨日はよく眠れたかな?随分楽しそうでぐでんぐでんな茹でゴリラだったけど二日酔いゴリラが生成されている頃ではないかな??」
「うるっせークソ砂喋るな頭に響く…」
「ピョー!二日酔い酷すぎて手も出てこないこれはレアルド君ではないかREC」
「ウルセェっつってんじゃねえか…クソが……
……てか、さ、昨日、だいぶん迷惑かけたっぽかったな。」
「おおっと二日酔いは精神にも響くのか?しおらしルド君まで出てきたぞ」
「殆ど記憶ねえのに家に帰ってきてるし、着替えもしてりゃ流石にわかるわ。」
「ギルドからのヘルプに応えて、茹でゴリラをこの華奢な体で連れて帰って、あまつさえオネンネの用意までしてあげたドラドラちゃん畏怖ーい!と存分に褒め称えたまえフフーン」
「あとな」
「話変えんな」
「家の前くらいで、なんか、その、す、好き?とか、言ってなかった…?」
「あぇ」
「なんで砂ってかやっぱあれおま」
「何でそこだけ覚えてんだチキショー酔っ払いがあああ!!!」
「ウルッセェ頭割れる!!!!」
「そのまま脳髄と一緒に記憶を流せ!!!!!」
「流すかドアホ!!!!!!」
「…え、それはどうしてなのかなロナルド君…どういうことかなロナルド君???」
「ぴぇ」
「逃さんぞコラ逃げるなロナルド君!!!!!!!」