秘密の愛情茜色に染まる夕刻時、緋色の髪が風に揺れる。
「冬は日が暮れるのが早いでござるな…」両手いっぱいに夕飯の食材を全て無事に食材を買い忘れることもなく帰ってこれることができた。
しかし、いつもの日常とはまた違った。
左之助と薫殿の声が微かに聞こえる。
二人の関係はなんとなく察していた。
物音を立てず、その場を離れ
さて、どうしたもんかと時間潰しにフラフラと商店街を歩く。
拙者は、薫殿を好いていた。
それでも、自分が容易く幸せになっていいものか…
血にまみれてる自分に相応しくないんじゃないか…
深い血の沼に飲まれているうちに、
左之助と薫殿のはお互い好き深い恋仲関係になっていた。
居づらい は、嘘になる。
あの場にも居合わせるのも正直辛い。
ツキッと胸に針が突き刺さるような苦しくなるような
視線をどこに合わせたらいいか
揺れていたたまれなくなるほどに
いつもの顔でいられるか 自信がなかった。
そろそろ………流浪に戻ろうか……。
「おい、傘ぐらい差したらどうだ」
後ろから声が掛けられた。
いつの間にか雨が降っていたらしい。
全身雨に濡れていた。全く気づかなかった。
傘を差した斎藤は、呆れた顔で突っ立っている。
「いや、夕飯の食材で、買い忘れてっ」
「傘差さずにか」
嘘がバレる。口が震えて
上手く言葉が紡げない。
「さっきまで降っていなかったでござるよ…」
「阿呆」
何言っても斎藤には全部見透かされている気分だった。情けないなと自然と俯いてしまう。
タイミングが悪い。
今 お前には会いたくなかった。
しかし、斎藤にだけは本音でぶつけられる相手だからこそ、隠すのも馬鹿らしいと思えた。
「斎藤は……
…………
………
…
家に帰りたくないと思ったことは、あるでござるか…?」
「…………ある」
正直、その返答びっくりして斎藤の顔をあげた。
もう1本の傘をズイッと渡される。
「少し付き合え」
そう言うとさっさと歩いて行ってしまう。慌てて
斎藤の後ろをカルガモの親子のように大人しく
くっ付いて歩く。
20分ぐらい歩いただろうか。
1軒の家の門の前に辿り着く。
立派な門を潜ると
そこは すこし小さいが立派な御屋敷があった。整っている松、イヌツゲ、イヌマツゲ そして
鯉がいる池も完備済。
そんな趣味があったのか…
怪しい……
「入れ」
「……なんでござるか ここは…」
「隠れ家」
サラッと答える斎藤は、剣心に着物をぶん投げる。
「風邪ひくまえに風呂にはいれ」
「いや、でも薫殿に夕飯を…」
「俺が伝えてくる。お前は少しこの家で休め。」
そう告げると斎藤はまた雨の中 出掛けて行った。
🐦ポッポッ🐦ポッポ🐦ポッポッ🐦
\チーーーーーーーーーーーーン/
おろーーーーーーーーーっ
(デデデデ-ン♪デ-ンデレデレデンデデンデンデデ-ン♪)
斎藤の隠れ家で過ごすことになって、(CV葛城ミサト)
新たな生活を、状況に流されるまま送る緋村剣心。
辿り着いた場所が彼に希望を教える。
実は、離婚をしていた驚愕の事実を持つ 斎藤一。
バツイチ同士 生きる事を望んだ2人の物語は、愛に飢え血に飢え 交じり合う。
次回 、「本音と建前」
さぁ〜て、この次回も
サービスサービスゥ!