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    浬-かいり-

    @Kairi_HLSY

    ガルパ⇒ハロハピの愛され末っ子な奥沢が好き。奥沢右固定。主食はかおみさ。
    プロセカ⇒今のところみずえなだけの予定。

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    浬-かいり-

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    かおみさ+はぐみ

    #ガルパ
    galpa
    #かおみさ
    loftyPeak

    内緒の時間は二人の時間「みーーーさきーーーー!!」

    「みーくんみーくん〜〜! ねえねえ、今日こころんと三人でかき氷食べに行こうよー!」


     放課後、こころんと二人でみーくんの教室へ飛び込む。この間おたえとイヴちんと行った、駅の近くの新しいかき氷屋さん。すっごく美味しかったから、こころんとみーくんにも食べて欲しいって思ったんだ。
     けれどみーくんは、ちょっと眉を下げて困った顔をした。


    「あー……ごめん、あたし予定があるんだ。二人で行っておいでよ」

    「そうなんだ……。わかった! 今度一緒に行こうね!」


     みーくんが一緒に行けないのは残念だけど。その代わり次は一緒に行く約束をして、手を振った。
     こころんと校門を出る時に、少しだけ急いでるみたいに歩くみーくんの背中を見つけた。だからきっと、とっても大事な用事だったんだと思う。





    「今日は楽しかったわね、はぐみ! 今度はみんなで行きましょう!」

    「うん! ばいばーーーいっ!」


     ぶんぶん両手を振って、こころんとお別れした。かき氷はふわふわで、冷たくて、甘くて、美味しくて。こころんもすっごく喜んでくれた。今度はみーくんだけじゃなくて、ハロハピみんなで行けたらいいな。

     公園の前を通りかかる。もう夕方だからか、あんまり人は居ない。けれど見知った制服が視界に入って、そっちに視線を向けた。


    「あれ、みーくん……? と、薫くん?」


     ベンチに座っていたのは、はぐみが今まさに思い浮かべてた二人だった。みーくん、急いで帰っていったけど、薫くんとの用事だったんだね。


    (二人で何してるんだろ……)


     このまま声を掛けるか迷ったけど、二人だけで何してるのか気になる気持ちの方が強くて、こっそりと覗いてみることにした。ちょっとだけね、ちょっとだけ!

     薫くんも制服だし、鞄がベンチの端っこに置いてあるから、みーくんと同じで学校終わってからそのまま来たみたい。
     薫くんはギターを弾いて何か歌ってる。ハロハピの曲じゃなくて、この間歌ってた“儚いのテーマソング”にちょっと似てる気がした。


    「……どうだい? 今この時間を過ごす儚い気持ちを、歌にしてみたよ」

    「あー……うん、すっごく恥ずかしい気持ちになった」

    「おや、照れなくてもいいのに。美咲の為だけに作ったんだよ」

    「だからそれが恥ずかしいんだって」


     みーくんの口調は、いつもはぐみやこころんに向けるものと似ていたけれど。その顔は、はぐみが初めて見る顔をしていた。
     ちょっとだけほっぺが赤くて、眉が下がってて、くすぐったそうな、嬉しそうな、そんな顔。


    「じゃあ、そろそろ帰ろっか」

    「そうだね。送っていくよ」

    「ううん、今日は大丈夫。すぐそこだし」


     みーくんが立ち上がって手を振ると、薫くんもギターを片付けて手を振った。公園を出たみーくんの背中が見えなくなるまで見送ってから、薫くんも公園を出る。
     ギターを背負うその背中を、追い掛けて呼び止めた。


    「薫くんっ」

    「おや、はぐみ? 君も今帰るところかい?」

    「うん! あのさ、今みーくんと……、」


     そこまで言うと、薫くんはちょっとびっくりしたみたいな顔をした。そうだよね、こっそり見てたなんて思わないもんね、びっくりするよね。


    「ご、ごめんね! みーくん、今日薫くんに会うって言ってなかったから、二人で何してたのかなって気になって……!」


     慌てて謝れば、薫くんは大丈夫だよって笑って頭を撫でてくれた。それに安心して顔を上げれば、薫くんは微笑みながら眉をちょっぴり下げた。


    「そうだね……。美咲とはよく、二人で儚い時間を過ごしているのさ」

    「そうなの?」

    「うん。でも、このことはみんなには内緒にしておいてくれるかい? こころにも、花音にも、ミッシェルにも」

    「えっ、どうして?」


     はぐみは今日、こころんと二人だけでかき氷を食べに行ったけど、別に内緒にしたいなんて思わない。
     はぐみ達と、薫くんとみーくんが二人だけで会ってたのと、一体何が違うんだろう?


    「美咲は、とても恥ずかしがり屋な子猫ちゃんだからね。彼女がいいって言うまで、内緒にしておきたいのさ」


     はぐみは首を傾げて、考えた。公園で二人きり、ギターと歌……みーくんだけのために?
     そこまで思考を巡らせて、ハッと気付いた。察してしまったのだ。そうか、そういうことだったのか! はぐみ、全部分かっちゃった!


    「うん、分かった。はぐみ、こころんたちには黙ってるよ!」


     薫くんとみーくんにとって、この時間がすごく大事なものだって理解したから。だからはぐみは、力強く頷いて薫くんに約束した。





    「みーくんみーくん! あのね、駅前のクレープ屋さんで新しい味のクレープが出たんだって! 食べに行こうよ〜!」

    「あー……ごめん、今日は用事があるから、明日ならいいよ」


     あれから数日後の放課後。前と同じようなやり取りに、はぐみはピンと来た。周りを見渡して誰も近くに居ないことを確認すると、みーくんに顔を近付けて、そっと内緒話するみたいに小さい声で尋ねた。


    「……薫くんのとこ?」

    「……ッ!? え、なんでそれ……!?」


     みーくんは変な声を上げてびっくりすると、顔を真っ赤っかにしてはぐみを見た。どうやら正解だったみたい。
     焦っているみーくんは、視線をきょろきょろさせている。やっぱり、はぐみが思った通りだったみたい!


    「大丈夫だよ、みーくん。はぐみは全部分かってるから」

    「え……、えっ!?」

    「はぐみ、ちゃんと内緒にしてるからね! こころんにもかのちゃん先輩にも、ミッシェルにも言ってないから!」

    「え、いや、」

    「でも、はぐみは応援してるから! がんばってね、みーくん!」

    「あ、ありがとう……?」


     みーくんの両手を取ってぎゅっと握り締めれば、みーくんはびっくりしながらもお礼を言った。
     大丈夫、何も心配ないよ。はぐみ、口は堅いから!

     
     
     
     
     それにしても。二人きりで秘密の特訓なんて、びっくりだったな。みーくんもギター弾くのかな?
     ちょっと羨ましくなっちゃったな。はぐみも、ミッシェルと二人きりで秘密の特訓しようかな!
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