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    SONOKO

    @84e5bBV3to90zYt
    降志が好きです。
    個人的な好みが強い特殊設定のものはポイピクを使ってみようと試行錯誤中。

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    POIPOI 24

    SONOKO

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    展示用小話その2です。
    薄すぎて伝わらない二人です。(恋人未満の降志)
    ひとこと妄想談の3「腹が立つけれど憎めないところ」をテーマ(?)にしました。
    それぞれ単体のお話です。

    薄すぎて伝わらない小話②【慣れていない】「こら! あなたたち!」
     志保の大声に、子供たちがぴょんっと飛び上がる。そこには仁王立ちで立っている志保がいて、出た! と蜘蛛の子を散らすように逃げて行こうとする彼らの首根っこを、彼女は素早く捕まえた。
    「こ、これはですねぇ」
    「仕方なかったんだぜ」
    「あのおばあさんが困っていたから」
     口々に言い訳という理由を述べる子供たち。だが、志保は怒った表情を和らげる様子はない。彼らの言い分を聞き終わった後には、それはそれ、と、どうせもっと大きな雷が落ちることになるだろう。
     だって、と言う子供たちが、心配掛けてごめんなさい、もう無茶しません、と言うようになれば、彼女はようやくやれやれとため息をつく。
     ――あなたたちが無事で良かったわ。
     それは、お叱りのルーティーン。
     
     
     
     
     
     
     
    「何で黙っていた」
    「…………」
    「ちゃんと報告しろと言っただろ!」
     志保が心底うんざりといった顔で彼を見上げる。
    「仕方ないじゃない…」
    「僕の仕事を増やすな」
     公園のベンチに座らされた志保と、その目の前に立つ、腕を組んだ状態の降谷。
     志保はうんざりして、頭を押さえる。ずっとこの男からこそこそ逃げ回っていたのだが、本日とうとう捕まってしまったのだった。そしてその流れのまま始まった説教はなかなか終わりそうにない。
    「どうして一人で何とかしようとするんだよ、君は…」
     ため息をつく降谷を見て、ため息をつきたいのは自分だと彼女は思う。ちらりと視線を動かすと、下校途中の歩美がこちらに向かってくるのに気が付いた。
     怒られている場面なんて、知り合いに見られていい気はしない。降谷に配慮してほしいところだが、そんなことをしてくれる人ではない。案の定、歩美は知り合いの顔を見てこちらに近付いてくるが、すぐ場の険悪さに気付いたようだった。
    「ど、どうかしたの? 志保お姉さん、降谷さん」
    「吉田さん」
    「歩美ちゃん」
     子供の前よ、と視線だけで彼に訴えるが、降谷はやはり無視する。逃げ続けていたツケだろう。状況を察した歩美が眉を下げておずおずと聞いた。
    「志保お姉さん、叱られているの?」
    「………」
     志保が黙っていると、降谷があっさり答える。歩美が彼を見上げる。
    「そうだよ」
    「何か悪いことをしたの?」
    「……いつもの君たちと同じだよ。危険な目に遭ってね。もう少し慎重になりなさいって説教していたところだ」
    「――えっ! 大丈夫だったの、志保お姉さん!」
     ばっと志保に目線を戻して、歩美は尋ねる。一番に志保を心配する歩美の優しさに、志保は表情を和らげた。
    「…大丈夫よ。そんなに大事にするようなことじゃ――」
     降谷があからさまに眉を寄せる。
    「本当に君は懲りないな。子供じゃない分、たちが悪い」
     ぶつぶつと言われ、志保はさらに顔をしかめた。歩美は二人を心配そうに見ている。大人の喧嘩は子供に悪影響だ。志保はため息混じりに尋ねる。
    「この説教、まだ続くの?」
    「ああ。志保さんが歩美ちゃんたちみたいにちゃんと謝れるまで」
    「はあ? 何よその言い方」
    「君は子供以下だって言ったんだ」
    「なんですって」
     志保が勢いよく立ち上がって降谷を睨み付ける。一触即発の空気に、歩美が急いで間に割って入る。
    「け、喧嘩はよくないよ~」
    「吉田さん。大丈夫よ、殴り合ったりしないから。どこぞの観覧車の上でなんかね」
    「この減らず口が…」
     彼が口元をひきつらせる。
    「もー! 志保お姉さん、ちゃんと謝らなきゃ! じゃないといつまでも終わらないよ!」
     だが志保に意見したのは歩美だった。子供に言われるとは。一転して降谷は笑いを堪えている。更に腹立たしい。志保は苦虫を噛み潰したような顔をしたが、ぐっと堪えて、頷く。
    「………わかったわよ。ちゃんと謝るわ」
    「うんうん!」
     小学生の言うことはよく聞くのだな、と降谷は妙に感心する。
    「ちゃんとわかったんだろうな。ならもうこんなことはしないって言え」
    「………はいはい。もうしません」
    「君なぁ……」
     かわいくないんだから、と降谷がやれやれとため息を吐く。
    「うん! じゃあ次は降谷のお兄さん」
     歩美はまんまるい目をくりくりと輝かせる。
    「え?」
     志保がきょとんと首をかしげた。まさか言い過ぎているから謝らせるとか? 何を促されたのかわからず、志保が降谷を見る。降谷も軽く首を振った。彼もわからないらしい。
    「志保お姉さんがいつもやってくれるやつ」
    「………私が?」
    「うん!」
     歩美が宙で手をナデナデ動かす。
    「……………」
    「君、そんなことするのか」
     降谷は意外そうに眼を丸くして言った。志保は身を屈めて、歩美と視線を合わせる。
    「……あのね、吉田さん。あれはあなたたちが子供だからで」
     ぽす、と。
     志保の頭に大きな手が乗る。温かいそれがゆっくり志保の頭を撫でる。彼女の柔らかな髪がくしゃくしゃとかき混ぜられた。
    「わー! これで終わりだね! 良かった!」
     歩美がにこにことはしゃぐ中、志保は固まって動けない。そんな志保の様子を見て、降谷が軽く目を開いて、ふむ、と言う。
    「そうか。――君、叱られることに慣れていないからな」
     だからあんなに意地を張るし、喧嘩腰になる。どんな風に謝るべきなのか、折れるべきなのか慣れていない。もしかしてベタベタに甘やかしたほうがうまくコントロールできるのでは、と降谷は思う。北風と太陽の理論だ。
     彼の手が離れると、どさ、と腰を抜かしたように志保が座り込んだ。わなわなと震えながら、降谷を思いっきり睨み付ける。
    「志保お姉さん?? 大丈夫?」
     歩美の心配そうな声を差し置いて、志保は降谷に叫ぶように言った。
    「――わ、私、子供じゃないわよ! ななな何しているのよ!」
    「子供だよ。僕からしたら」
     降谷もその場に屈み、志保の目を覗き込んだ。おどおどと泳いでいる瞳がきれいだなぁと思って、悪戯心がむくむくと膨らんでいく。
    「君が無事でよかった」
     優しく微笑んでそう告げれば、げえ、と蛙が潰されたような声を上げ、今度こそ志保は真っ赤になってしまった。
     唇を震わせて、志保は両手で自分の顔をばっと覆う。
    「………もう、勘弁して」
    「何が」
    「もう余計なことはしません。ちゃんと報告もする」
    「そんなに嫌がらなくてもいいだろ。僕に優しくされたいと思っている奴らがどれほどいるか」
    「知らないわよそんなの…。とにかく私には止めて…。あなたがそんなだと調子狂うわ」
    「…………ふーん」
    「……」
    「……」
    「………ねぇ、あなたいつまでそこにいるの。説教も終わったんだし、早く帰りなさいよ…。もういいでしょ…」
     指の隙間から、志保がちらりと彼を覗き見る。
    「いや、何だか遠回しに僕が優しくないと言われているみたいで納得がいかないなと思って」
    「………それ、…自分の胸に手を当てて聞いてみたらどう?」
    「心配していたのは本心だよ」
     降谷は明るいトーンで笑い飛ばすように言って。
     ぽす、と。もう一度頭に手が乗る。ぐっと押され、彼はそのまま立ち上がり、すたすたと歩いていってしまう。志保が顔を上げた頃には、もう背中はだいぶ小さくなっていた。
    「………どうせ私は冷たいし、ついでにかわいくないわよ。……バカ」
     崩れた髪を直しながら、志保は口を尖らせる。届かない恨み言。
    「志保お姉さん」
    「あ、吉田さん…、今日は変なところ見せちゃってごめんなさい。さあ、帰りましょう」
    「――志保お姉さんって、降谷さんのこと好きなの?」
    「………………………………………………………………は?」
     歩美がふふっと笑った。
    「志保お姉さん、すっごいかわいいね」
     
     今度こそ彼女は、ぶあああっと顔を真っ赤にして固まった。
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    SONOKO

    DONEあゆみちゃん、哀ちゃんを思う。
    ちょっと読んでる話に引きずられたのです。
    星を待つあんなに日が長かったのに、今はもう、気を抜けばすぐに真っ暗になってしまう。暑苦しくて、早く涼しくならないかなぁとぼやいていたくせに、なってしまえば心の中はスウスウと涼しい風が通り抜け、ほんのちょぴっと切なくなる。
    夕方と夜の間の時間を足早に駆け抜けていけば、目の前に広がる不思議な色の空で、ぽつんと強く輝く星を見つける。
    東の方角に見えたそれを指差して、哀ちゃん、と宙に言う。思い出の中の哀ちゃんは返事をせずきらきらと微笑む。
    あれはなんという星だったかな。木星か、金星だった気がする。確かなことは、教えてもらった星の名前が漢字だったこと。哀ちゃんがすらすらと答えてくれたこと。せっかく教えてくれたのに覚えていないなんて勿体ない。でも、もう一度聞こうとしたときにはもう哀ちゃんはここにいなくて、だから、私が忘れてしまったのは哀ちゃんのせい。そんなことを言う私は悪い子。哀ちゃんだって、私を寂しくさせたくていなくなったわけじゃない。夜の闇がさっきよりずっと広がった気がして、私はひとり立ち止まる。闇に際立つ月に照らされて、まるでスポットライトのよう。風がざわざわと街路樹を揺らす。
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