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    藤 夜

    成人⬆️基本は夏五!書くのは夏五!!ほのぼのいちゃいちゃを日々妄想中^ ^

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    藤 夜

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    夏五
    教師×教師の平和軸
    『巡る季節 巡る想い』1月から12月まで短編12編を順次掲載します^^
    1月 お題:正月 視点:傑

    #夏五
    GeGo
    #めぐる夜行

    睦月 いつの間に初日は澄み渡った空の高いところで、燦燦と輝いている。毎年、今年こそは初日の出を拝もうと思いつつ、ついベッドの中で年越しをしたまま、眠りに着くのが遅くなってしまう。当然、初日が昇るまでにご来光が拝める場所まで辿り着けた試しはない。
     まあ、いいか、私が見ていなくても日は昇るし、それ以上に見ていたい情景がある。
     準備してあるおせちを食べたいし、雑煮も食べたいし、悟に食べて貰いたい。昨夜は無理もさせたしと、初めにこそりと起きた室内は、途中で空調を切り冷え切ったままだ。それでも情事の余韻が色濃く残る。寒いけど空気を入れ替えないと、厳かな雰囲気も何もあったものじゃないな。そして何より、毛布に包まれた気怠い雰囲気の悟に、またイタズラをしたくなる。
     僅かに窓を開けて暖房を入れると、気持ち良さそうに寝入る悟を眺めてから、仕込みは整っているキッチンに向かった。

    「すぐるー」
    「おはよう」
     僅かに不機嫌そうな声が聞こえる。返事をすると、背後にぴたりと張り付いてきた体はあたたかくて安心する。事前に連絡もなく、目覚めた時に私が隣にいないと僅かに不安を募らせるからか、甘えん坊になるのが可愛い。そんな身勝手なことをちらりと脳裏に過らせながら、後ろ手にくしゃりと髪を撫でた。
    「おはよ」
     ふにゃりと猫みたいなあいさつの後、首筋に顔を埋められて、湿った唇が落とされた。ちゅっとリップ音を響かせると離れていった体に、満足したんだなと笑みが零れる。
    「ごはんするから支度しておいで」
    「おうっ」

     お重に並んだおせちと、ふわりと湯気の立つ雑煮は私が適当に作る関東風だ。
     対面に並ぶと、声と視線を合わせた。
    「「明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします」」
     各々おせち料理に箸を着けながら、でもさ、と悟が口を尖らした。
    「シてる時にも言われたよな、正月の挨拶。もう、いいんじゃね」
    「まあ、それはノーカウントで」
    「だいたいさ毎年、来年は初日の出行こうって言うのに、いつも傑が離さなくて、寝るの真夜中過ぎじゃん」
     伊達巻が甘くておいしいと、続けて食べながら、不満そうに言い募る。そのわりに、牡丹が綻ぶような艶やかな笑みを口元に浮かべている。
    「それは悟が可愛いし、強請るからだろ」
    「人のせいにしないでくださーい、傑せんせ。去年だって恵と約束したのに起きられなくて遅刻して、白い目で見られたじゃん」
    「あれは、申し訳なかったよね」
     冷ややかなジト目を思い出しながら、笑ってしまった。
    「そんなコト、思ってないだろ、オマエ。寝坊したワケ、バレてたっぽいし」
    「私たちいい大人だから、いいんじゃない。ほら、睦月って睦み合う月って意味だからね」
     我ながら、黒豆のように艶やかで甘い声だと笑いながら、悟の左手を取ると、恭しくキスをした。

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    Replies from the creator

    藤 夜

    DONE生徒たちのクリスマス会からの、ふたりだけで、一緒に過ごす、しあわせな時間。
    離反ifのクリスマス短編集、テーマはキスのひとりアンソロです(笑)
    キヨシキョシ 悟視点 
    【雪が融けるまで725秒】にあわせて支部に掲載したお話より再掲
    ◆五◆ 好き クリスマスケーキにシャンメリー、ケンタのチキンをメインにデリバリーのデリカが所狭しと並んでいる。悠仁と恵が飾り付けたのか、壁や天井に星を始めとした色とりどりのポップな装飾がなされ、楽しげな雰囲気満載だ。
    「先生も食べていけばいいのに」
     当然だと言わんばかりに声を掛けてくれるのは優しい悠仁ならではで、当然嬉しくもあるけれど、それはそれで少々困る時もある。
    「こういうのは学生だけの方が盛り上がるよ、ね、憂太」
    「ええっと、でも先生も」
    「気を遣うことないって。どうせこいつはさっさと帰りたいだけだろ」
     同じく優しさの塊と言いたいところではあるけれど言い切れない乙骨が、助けを乞うように視線を向け小首を傾げて微笑むと、隣にいた真希に、冷ややかな視線と共にばっさりと切り捨てられた。それでも目の奥が笑っているので、僕たちふたりの様子を見慣れた彼女たちは、またかと呆れているだけだろう。憂太に頷いて貰う前に角が立つことなく帰れるからいいけれど。
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    藤 夜

    DONE離反ifのクリスマス短編集、テーマはキスのひとりアンソロです(笑)
    教師if 伏黒視点 
    例年別々に過ごすイブを、珍しく伏黒姉弟と一緒にケーキ作りをする夏五のお話
    【雪が融けるまで725秒】にあわせて支部に掲載したお話より再掲
    ◆三◆ スカイブルー「それじゃ、僕と一緒に恵たちとケーキ作ろうぜ」
     故あって保護者の真似事のようなことをしている姉妹が私にはいて、毎年クリスマスには彼女たちと一緒にケーキを作ってささやかなクリスマス会をし、サンタクロースの真似事をしていた。それが今年は、
    「私たちだけで作ったケーキを夏油様に食べて貰いたいから準備ができるまで他所のお家で遊んできて」
     と言われてしまった。成長が喜ばしくもあり、寂しくもあり、ならば非常勤として働いている高専で事務仕事を片付けようと思っていた所に、悟に声を掛けられた。
     彼にも保護者と言うより後見人として面倒を見ている姉弟がいる。こちらはクリスマスに一緒にいても鋭い目つきで邪険にされるそうだが、それは表面上だけで、それなりに楽しんでくれているみたいだから、と毎年ケーキやらプレゼントやらを携えていそいそと出掛けていく。紆余曲折があった上でクリスマスは一緒に過ごしたい間柄になったにも関わらず、優先すべき相手がいることに互いに不満を言うことはない。私はそんな悟だからこそ大切だし、悟だって私のことは承知している。それでも世の浮かれたカップルを見れば羨ましくなるのは当然で、イブじゃなくてクリスマスに一緒に過ごすようになった。
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    藤 夜

    DONE離反ifのクリスマス短編集、テーマはキスのひとりアンソロです(笑)
    教師×教師 虎杖視点 
    クリスマスプレゼントにまつわる惚気のひと幕

    【雪が融けるまで725秒】の開催、おめでとうございます&ありがとうございます♪
    ひと足先にサンプルがわりに第1話を掲載します^^
    ◆一◆ 久遠「しょうがない、伏黒が迎えに来るまではここで寝てなよ」
     そう言って家入は空いているベッドを指差した。申し訳なさに仕事は、と問えば、
    「仕事納めはまだ先だから、私のことは気にしなくてもいいよ」
     積み上がった書類の奥で目元を細めて頷かれた。閉じたカーテンの向こう側にあるベッドに寝転ぶと、冷えたシーツが火照った肌に心地よく、横たわれば楽になった体に、疲れていたのだと実感した。
     クリスマス明け、最後の任務に出掛けたところでやけに暑いと感じたら、伏黒に思いっきりどやされた。どうやら珍しく風邪を引いたらしい。ただ、風邪なのか、呪霊に中てられたのか、イマイチ判断がつきかねるからと、怒鳴った伏黒に連れられてやってきた医務室で様子見と相成った。まあ、伏黒が俺の代わりにまとめて報告書を作成して、提出してくるまでの間、寝て待っていろ。と言うのが正しいのだろう。年末だから年内に提出しとけって言うなら、こんな年の瀬に駆り出さなくてもと思わなくもないけれど、年の瀬だからこそ、刈り取れる危険は摘んでおけと言う理屈も当然理解はできる。猶予があるからとクリスマスに予定を入れられなかっただけで、御の字なのだろう。
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